2012年6月1日金曜日

“レナード” ―全13場― 3


      ジェイン、出て行く。通りすがりに警官トミー、
      捕まえた男を一人連れて登場。

  トミー「レナードさん、おはようございます!」  
  レナード「よお・・・(捕まえた男を見て。)取り調べか?」
  トミー「そうですよ。こんな朝っぱらから・・・。」
  男「じゃあ止めりゃあいいだろ。」
  トミー「煩い!!じゃあレナードさん!」
  レナード「頑張れよ。」

      トミー、男を連れて出て行く。レナード、
      チャールズを認めて近寄る。
 
  レナード「チャールズ!」
  チャールズ「(顔を上げて。)レナード!俺も今日、おまえの所
         へ行こうと思ってたんだ!それより・・・偉く早いじゃ
         ないか。」
  レナード「(チャールズのデスクの上に腰を下ろして。)彼女の
       ことが分かったんだ。」
  チャールズ「(思わず立ち上がって。)分かったって?そうだ!
         こっちも見つけたぜ!極秘で捜索願いが出てた。」
  レナード「捜索願い・・・?」
  チャールズ「ああ。TMインターナショナルの社員からだ。名前
         は・・・えっと・・・(書類を見て。)ダニエル・カーン・・
         ・」
  レナード「彼女はそこの社長令嬢だ。」
  チャールズ「社長令嬢・・・何だって!?それが何で!?」
  レナード「そこの専務に何か裏があるらしい。おまえ、表から
       探りを入れてくれないか?」
  チャールズ「おまえは?」
  レナード「勿論、俺はあの会社に潜り込むのさ!」
  チャールズ「レナード・・・おまえ、昨夜彼女との間に何があった
         か知らないが、やばいことには首を突っ込むなと
         言ってあるだろ?」
  レナード「彼女は親父さんの会社を守ろうと必死なんだ・・・。そ
       んな彼女を、俺は放っておくことはできない・・・!!」
  チャールズ「レナード・・・(溜め息を吐いて。)OK・・・俺も乗った
         ・・・」
  レナード「チャールズ・・・」
  チャールズ「・・・で?その専務にどんな裏があるって言うんだ
         ?」
  レナード「ありがとう・・・」

      2人、お互いの肩に手を置き合う。フェード・アウト。
      カーテン閉まる。(カーテン前。)
      
    ――――― 第 6 場 ―――――

      フェード・インする。と、椅子の上にトーマス
      腰を下ろしている。
      横にウィリアムス、ウィルソン、専務秘書ポーラ
      立っている。

  ウィリアムス「好い加減、会社は諦めたらどうだ。」
  トーマス「・・・こんなことをして、ただで済むと思っているので
       すか?」
  ウィリアムス「こんなこと・・・とは?」
  トーマス「これは明らかに犯罪ですぞ!」
  ウィルソン「可笑しなことを仰るのですね。我々はあなたにただ、
        任意退職を勧めているだけです。普通でもあなたは、
        もう現役引退のお歳だ。亡くなった社長に何も義理
        立てをして、娘のお守をする必要もないでしょう。今
        あなたが黙って退職なさるなら、退職金も普通の倍
        は出すと言っているのです。あなたにとっても全く悪
        い話しではない筈ですよ。」
  トーマス「私には、あなた方がどんな汚い手を使ってきても、社
       長を裏切るような真似は絶対に出来ない話しです。」
  ウィリアムス「全く、頑固な爺だ!!」
  トーマス「お嬢様はどうされたのです!」
  ウィルソン「(恍けるように。)さぁ・・・。あなたが何時までも、そ
        んな頑なな態度を取り続けるのであれば、フランシス
        お嬢さんも屹度、お辛いでしょうなぁ。」
  トーマス「(思わず立ち上がって。)お嬢様に何をしたのです!
       ?」
  ウィリアムス「(トーマスの肩を押さえて座らせる。)まぁ、まぁ・・・
         。我々もお嬢さんに手出ししようなどとは考えていま
         せん。ただねぇ・・・お嬢さんも頑固なお方ですから
         ・・・。(笑う。)まぁ、時間はいくらでもありますから。
         また、ゆっくり考えてみて下さい。あなた自身にとっ
         ても、お嬢さんにとっても、何がこれからの為に一
         番良いことなのか・・・。(下手へ去る。)」
  ウィルソン「では・・・(ウィリアムスに付いて去る。)」

      専務秘書ポーラ、2人に付いて行きかけて、
      再びトーマスの所まで戻って来、ポケットから
      何かを取りだし、トーマスの手を取り、それを
      渡す。

  トーマス「え・・・?(思わずポーラを見上げる。)」
  ポーラ「こんなものしかないけど・・・。キャンディー・・・」
  トーマス「ありがとうございます・・・。」
  ポーラ「けど・・・早く専務達の言うようにした方がいいと思い
      ますわ。でないと何時までもこんな所に閉じ込められた
      ままじゃ、トーマスさんの体が参ってしまいます。」
  トーマス「(俯いて思い出すように。)私は・・・今まで亡くなった
       社長には、言葉では言い尽くせない程の恩義を受け
       てきたのです・・・。例え死ぬまでここから出られない
       としても、私には社長の遺言を裏切ることなど、絶対
       に出来ないことです。お嬢様のバックアップをしてお
       守りすること・・・これが私に課せられた最後の仕事
       だと思っています・・・。」
  ポーラ「・・・そう・・・。それからフランシスお嬢さんですけど・・・」
  トーマス「(立ち上がって。)えっ?」
  ポーラ「逃げ出されました。」
  トーマス「何ですと!?こんな高い場所からどうやって!?」
  ポーラ「勿論、見張りのいるドアからは出られません・・・。多分
      ベランダ沿いに非常階段を伝って・・・。」
  トーマス「それでお嬢様は!?」
  ポーラ「さぁ・・・専務達も必死で捜しているようですけど、まだ
      今のところは・・・」
  トーマス「そうですか・・・。お嬢様・・・どうかご無事で・・・!!」

      暗転。

    ――――― 第 7 場 ―――――

      カーテン開く。と、舞台はTMインターナショナル
      ロビー。そこへアタッシュケースを持ち、スーツ
      を着たレナード、登場。受付の方へ。

  レナード「あの、営業課のダニエル・カーン氏に面会お願いで
       きますか?」
  受付嬢(マートル)「(レナードを見上げて。)分かりました。少し
             あちらでお待ち下さい。」

      レナード、窓際に並べられてあるソファーに、
      腰を下ろす。横にあった新聞を取って、読む
      振りをしながら回りの様子を見回している。
      社員(チャーリー、ドナルド)話しながら登場。
      マートルの方へ近寄る。
    
  チャーリー「やあマートル、元気?」
  マートル「ええ・・・」
  チャーリー「僕、今日外回りは近場だけなんだ。」
  ドナルド「だから何なんだよ。」
  チャーリー「煩いな!ねえ、ねえ、だからさ、食事でも一緒に
        ・・・」
  ドナルド「あー!!抜け駆けする気かよ!!」
  マートル「私、今日は約束がありますから・・・」
  チャーリー「えー!!本当に!?」
  ドナルド「やーい!!」
  チャーリー「煩いなー!!」
  マートル「あの・・・仕事の邪魔になりますから・・・」
  チャーリー「ちぇっ・・・またアウトか・・・」

      チャーリー、ドナルド、入口より出て行く。
      そこへウィリアムス、ウィルソン登場。立ち止まり
      話しをしている風。レナード、2人に気付いて見入る。

  レナード「あれが例の悪玉だな・・・」

      そこへレオーネ、スタン登場。ウィリアムス達に
      近寄り話す。

  レナード「(身を屈めるように深くソファーに沈み込む。)おっと
       ・・・あいつらはこの間の・・・。矢張り専務達の手下だ
       な・・・」

      ウィリアムス、ウィルソン、入口より出て行く。
      レオーネ、スタン、レナードとは背中合わせの
      ソファーに腰を下ろす。

  スタン「ねぇ、レオーネさん、後は一体何処を捜せばいいんす
      か?もう、この辺りに女が一人で隠れていられそうな所
      なんかないっすよねぇ・・・。」
  レオーネ「煩いな・・・。それでも捜さなきゃならないんだよ!!
       もし見つからなかったなんて言ってみろ!!俺達が
       殺られるかも知れないぜ!!」
  スタン「えー!!そんなー!!俺、まだ死にたくないっすよ!!」
  レオーネ「馬鹿、俺だって同じだ!!」

      そこへダニエル登場。受け付けでレナードの
      ことを聞き、近寄る。
      レオーネ、スタン、立ち上がり出て行こうとする。

  ダニエル「営業課のダニエル・カーンです。僕に何か・・・?」

      レオーネ、何気なしにその方をチラッと見る。

  レオーネ「(新聞を置いて立ち上がったレナードの顔を見て、
       一瞬不思議そうな顔をして、再びスタンと行きかけて
       。)あれ・・・?あの顔は・・・」
  スタン「レオーネさん、如何かしたんすか?」
  レオーネ「あいつは確か裏通りのバーの・・・何でネクタイなん
       か締めて、こんな所に・・・」
  スタン「レオーネさん?」
  レオーネ「まぁ、いいか・・・」

      レオーネ、スタン、入口より去る。
      レナード、舞台中央へ。ダニエル続く、
      カーテン閉まる。カーテン前。

  レナード「俺は裏通りのバーでマネージャーをしている、レナード
       と言う者だが・・・」
  ダニエル「そのマネージャーのあなたが何か・・・?」
  レナード「君だろ?フランシスの捜索願いを極秘で出したのは
       ?」
  ダニエル「(驚いて。)何故それを・・・!?」
  レナード「彼女は無事だ・・・」
  ダニエル「えっ!?(思わず。)お嬢さんは今何処に!?」
  レナード「しっ!!」
  ダニエル「すみません・・・。でも一体何処に・・・!?」
  レナード「俺の店にいる。」
  ダニエル「え・・・?」
  レナード「彼女から大体の話しは聞いた。専務のことや、この
       会社の中で誰が信用できる奴らかってこと・・・。俺は
       彼女から親父さんの会社を守る為に、力を貸して欲し
       いと頼まれてね。」
  ダニエル「本当ですか?あの・・・ひょっとして、あなたは
       “nothing”のレナードさんじゃ・・・?」
  レナード「どうして俺のことを・・・?」
  ダニエル「矢っ張り!!この界隈に住んでて、あなたのことを
       知らない奴がいたら、そいつは潜りですよ!!誰の
       為にも力を貸してくれる、正義の味方だと言われてる
       んですから!!(嬉しそうに。)」
  レナード「(照れ臭そうに。)参ったなぁ・・・。今はそんなことより
       フランシスのことだ。」
  ダニエル「はい!」
  レナード「彼女とは、偶々逃げ出したホテルから俺の店が近か
       ったと言うことで、入って来て知り合ったんだ。」
  ダニエル「(安心したように。)よかった・・・逃げ込んだ所が、あ
       なたの所で・・・」
  レナード「いや・・・最初は逃げ込んだと言うより、ただふらっと
       寄ったって感じだな・・・。兎に角俺は、専務の悪事を
       暴く。君はその手助けをして欲しいんだ。」
  ダニエル「僕は一体何をすれば・・・?」
  レナード「なぁに、簡単なことさ。夜、俺がこのビルに忍び込む
       のを手助けしてくれればそれでいい。後は俺が上手く
       やる。」
  ダニエル「分かりました!!任せて下さい!!」
  レナード「(微笑んで、ダニエルの肩に手を掛ける。)頼んだぞ
       !」
  ダニエル「あなたのお手伝いが出来るなんて光栄ですよ!!
       それもお嬢さんの為になるんだ!!」
  レナード「よし、じゃあ俺はそろそろ行くよ。(行きかける。)」
  ダニエル「レナードさん!!」
  レナード「(振り返る。)」
  ダニエル「(レナードに近寄って。)お嬢さんに頑張るように伝
       えて下さい。」
  レナード「OK。」
  ダニエル「僕はお嬢さんのファンですから・・・。」

      暗転。
          






      ――――― “レナード”4へつづく ―――――









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2012年5月22日火曜日

“君のために・・・”動画2





動画1の続き場面です(^.^)

団員苦心の作キャタピラ・・・少年2人、走っているように
見えているでしょうか・・・^^;
大体、この“走る”と言う動作も難しかったです・・・(>_<)





























2012年5月19日土曜日

“君のために・・・”動画1



先日の春公演の1部“君のために・・・”の、最初の方の場面の
ビデオ動画になります(^^♪

              ご存じ、動き声共、私クリフ君を担当しておりますが、
              ジ―ク君との掛け合いの歌中、手の針金が何となく
             絡まってしまい、変な感じにクロスしているような気が・・・
           
             意外とまだまだ腕に余裕のある、開演間もない頃の動画
             です(^.^)

            


















2012年5月7日月曜日

“レナード” ―全13場― 2

――――― 第 2 場 ――――― B

          音楽大きくなり、歌手スザンヌ歌う。
          下手より、見るからにチンピラ風の男ハリーと
          ピート、登場。
          2人、歌い終わったスザンヌに近寄る。

  ハリー「よお、スザンヌ。相変わらずいい声してるな。」
  スザンヌ「何しに来たの!?」
  ピート「おいおい、それはなだろ?」
  ハリー「(ピートを制するように。)悪いな、ちょっと懐が淋しくな
      ってよ。」
  スザンヌ「お金なんかないわ!!」
  ハリー「冷たいじゃないか。」
  スザンヌ「一体、幾等私から巻き上げる気なの!?」
  ハリー「(ムッとしたように。)誰のお陰で、この店で働けると思っ
      てるんだ・・・。俺が知り合いに口利きしてやったからだろ
      !!(スザンヌの腕を掴む。)」
  スザンヌ「痛い・・・放してよ!!」

          その声に気付いた、店の従業員アーチー、
          近寄りハリーの腕を掴む。

  アーチー「お客さん!店の者に乱暴されちゃ困りますよ!」
  ハリー「何だと!?俺の女を如何しようが知ったこっちゃない
      だろ!!(アーチーの掴んでいた腕を振り解き、殴り
      掛かる。)」
  ピート「やっちまえ!!」

          他の客達、3人の乱闘騒ぎに気付き、
          悲鳴を上げたり騒ぐ。
          アーチーと、アーチーに加勢してピート
          と殴り合っていたロイ、倒れそうになって
          いる。B・Jも加勢するが、殴られている。
          その時、レナード、奥から騒ぎに気付い
          て出て来る。

  レナード「店の中で騒ぐのは止めろ。」
  アーチー「マネージャー・・・」
  ハリー「マネージャー?」
  レナード「出て行ってもらいましょうか。」

          女性従業員、遣られて座り込んで
          いたアーチーとロイ、B・Jに近寄り
          助け起こす。

  ハリー「マネージャーさんよ、俺はおまえさんの店で、こいつら
      に殴られて怪我しちまったんだ。慰謝料よこしな!!」
  レナード「・・・聞こえなかったか・・・?出て行けと言ったんだ。」
  ハリー「何を!!(レナードに殴り掛かる。)」
  レナード「(サッと避けて、ハリーの腕を掴み、締め上げる。)」
  ハリー「あいてててて・・・ち・・・畜生・・・何しやがる・・・」
  レナード「本当に怪我をしたくなければ、二度と店の者には手
       を出すな!!いいか!!」

          レナード、ハリーの腕を掴んだまま引き
          摺って行き、下手方へ放り出す。

  ピート「ハリー・・・!!(慌てて後を追う。)」
  ハリー「畜生!!覚えときやがれ!!」

          スザンヌ、レナードに駆け寄って
          抱き縋る。

  スザンヌ「ありがとう!!」
  B・J「やったーっ!!」
  アーチー「流石!!」

          全員、レナードを称えて歌う。

          “全く頼りになる男
          どんな奴らも敵わない
          俺達のマネージャー
          レナードに任せりゃどんな問題も
          忽ち解決 全く頼りになる男
          俺達のレナード”

          途中から、騒ぎに気付いて部屋から出て来た
          フランシス、2階からその様子を見ている。

        ――――― 第 3 場 ―――――

          カーテン閉まる。カーテン前。
          上手よりレオーネ、スタン、ふてぶてしく
          登場。

  スタン「レオーネさん!如何してさっきの奴、ぶっ飛ばしてしま
      わなかったんすか?」   
  レオーネ「馬鹿!!あいつは俺達が敵う相手じゃないぜ。」
  スタン「(笑う。)冗談!あんなひょろっちいのに、レオーネさん
      が負ける訳ないじゃないっすか!」
  レオーネ「(振り返って。)おまえはまだまだ甘いな。あいつの
       目を見りゃ分かるんだ。ありゃ、幾つもの修羅場を潜
       りぬけてきた奴の目だってな。」
  スタン「えーっ?そうかなぁ・・・。」
  レオーネ「もっと相手を見る目を養いな。(前方へ目を遣って、
       不味そうな顔をする。)やばい・・・」
 
          その時、下手より専務ウィリアムス、
          その部下ウィルソン登場。

  ウィルソン「おい、レオーネ!!フランシスは見つかったのか
        !?」          
  レオーネ「いや・・・それがまだ・・・」
  ウィルソン「さっさと見つけてこないか!!」
  ウィリアムス「まさか7階のホテルの部屋から、ベランダ伝い
         に逃げるとは思わなかったな。(笑う。)」
  ウィルソン「専務!そんな呑気な!!」
  ウィリアムス「(咳払いをして真面目な顔付になる。)そうだ!!
         さっさと連れて来て、早くヘンリーとの結婚を承知
         させなければ・・・。全くあの社長が、あんな遺言さ
         え残さなけりゃ、会社はさっさと私のものになった
         のだ!それよりトーマスの方はどうだ?観念して
         実権を放棄すると言ったか!?」
  ウィルソン「いや・・・それもまだ・・・」
  ウィリアムス「畜生、しぶとい爺だ!!全く、どいつもこいつも
         ・・・。兎に角、レオーネ!!フランシスが逃げ出し
         てから、まだそんなに経っていない!屹度、何処
         か近くに潜んでいる筈だ!!直ぐ見つかるような
         自宅や知人宅などには寄るまい・・・。他に娘が行
         きそうなところ・・・徹底的に捜して来い!!」
  レオーネ「分かりました・・・。行くぞ、スタン!!」

          レオーネ、スタン、軽く頭を下げて下手
          へ去る。
          入れ代るように上手より、専務息子(
          ヘンリー)登場。

  ヘンリー「お父さん、フランシスは戻りましたか?」
  ウィリアムス「(振り返って。)ああ、ヘンリー・・・。それがまだだ
         ・・・。」
  ヘンリー「フランシスは僕がずっと想ってきた人・・・。その彼女
       がやっと僕の物になろうと言う時に・・・。」
  ウィリアムス「分かっているよ。」
  ヘンリー「父さんがどんな汚い手を使っているか知らないが、
       僕は兎に角、彼女が僕のところへ来てさえくれれば
       それでいいのですよ・・・。例え、それが彼女の意志
       とは全く関係なく、無理矢理であったとしても・・・。」
  ウィリアムス「相変わらずおまえは冷たい人間だな。」
  ヘンリー「そりゃ、父さんの息子ですから・・・。(笑う。)」

          ヘンリーの笑い声残して、暗転。
          
        ――――― 第 4 場 ―――――

          カーテン開く。
          舞台は閉店後のひっそりとした“nothing”。
          カウンターの中で一人、後片付けをしていた
          レナード、ライトのスイッチを消すと、店内は
          薄暗くなる。棚から酒瓶を一本と、グラスを
          持ってカウンターの外へ。
          (椅子はテーブルの上へ全て上げてある。)
          椅子を一つ下ろし、ゆったりと腰掛ける。
          グラスに酒を注いで、飲み始める。
          その時、2階からフランシス、ゆっくりと下りて
          来て、レナードの方へ近寄る。

  フランシス「・・・あの・・・」
  レナード「(フランシスに気付いて微笑む。)どうした?眠れない
       か?」
  フランシス「(軽く頷く。)」

          レナード、立ち上がって椅子を下ろす。

  レナード「(フランシスに椅子を勧めて。)かけろよ。」
  フランシス「(頷いて腰を下ろす。)何をしているの・・・?」
  レナード「(カウンターの中へ入って、カップに飲み物を注いで
       持って来る。)俺は、この時間が一番好きでね。店が
       終わって、誰もいなくなったここで、一人グラスを傾け
       る・・・。落ち着くだろ?(フランシスにカップを渡し、椅
       子に座る。)ほら・・・温まるぜ。」
  フランシス「ありがとう・・・(カップを受け取って、口を付ける。)
         暖かい・・・」
  レナード「(そんなフランシスの様子を見て。)・・・話しがあるん
       だろ・・・?」
  フランシス「(驚いたように。)どうして・・・?」
  レナード「(微笑んで。)顔見りゃ分かるよ・・・。何があったんだ
       ・・・?」
  フランシス「(暫く俯いて、考えている風に黙っているが、思い
        切ったようにレナードを見詰めて。)お願いです!!
        私を助けて下さい!!(思わずレナードの手を取る
        。)」
  レナード「おまえ・・・誰なんだ?」
  フランシス「(ゆっくりと。)・・・父の名前はバーナード・タナー・・・
        TMインターナショナルの社長でした・・・。」
  レナード「TMインターナショナル・・・と言うと、あの大手貿易会
       社の・・・?」
  フランシス「(頷く。)」
  レナード「・・・社長でした・・・ってことは・・・」
  フランシス「・・・亡くなりました・・・2週間前に・・・。父は遺言を残
        したんです・・・。以前から専務の行動に不審感を抱い
        ていた父は、自分が亡くなった後、専務の思う様には
        させない為に、私と結婚した男性に会社を任せると・・・。
        それまでは、父が一番信頼していた秘書のトーマスに
        、肩書きでは私が社長となり、実際の運営はトーマス
        が行ってくれることになっていました・・・。ところが、そ
        の遺言を見た専務は、どう転んでも会社は自分の思
        い通りにならないと分かると、私とトーマスを其々ホテ
        ルの一室に監禁したんです。その後のトーマスのこと
        は分かりません・・・。専務は私に専務の息子との結
        婚を承諾するように迫りました・・・。」
  レナード「それで、おまえはそのホテルから逃げ出して来たと・・・
       ?」
  フランシス「・・・はい・・・。今逃げださなかったら、このまま私は
        押し切られて、専務の思いのままになってしまうと思っ
        たから・・・。お願いです、マネージャーさん!!さっき
        あなたが皆に称えられているのを聞いて、あなたなら
        私に力を貸してもらえる・・・そう思ったんです!!お
        願い!!助けて下さい!!(泣きながら。)私・・・父の
        会社だけは守りたいんです・・・」
 レナード「・・・泣くな・・・。本当に俺がおまえを助けてやれるかな
      んて分からないぜ・・・」
 フランシス「・・・マネージャーさん・・・(レナードを見詰める。)」
 レナード「けど・・・俺は一生懸命な奴に弱いんでね・・・。それから
      俺のことはレナードでいいよ・・・」
 フランシス「(涙が溢れる。)・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」
 レナード「(フランシスの頭に触れる。)泣くなって言ったろ・・・」

          レナード、フランシスの手を取り歌う。
          (カーテン閉まる。)カーテン前へ。

          “何が起こるか分からない・・・
          けど行動を起こさないと
          何も始まらない・・・
          何が待ってるか分からない・・・
          素晴らしい未来かそれとも・・・
          けど迷っていたら何時までも
          立ち止まったまま・・・
          いつもnothingから始まる
          振り向くことは考えないで
          昇りゆく陽が輝いているから・・・”

          暗転。

        ――――― 第 5 場 ―――――

          カーテン開く。(絵紗前。舞台はサンフランシスコ
          市警内。)人の行き来が多く、騒めいている風。
          上手よりチャールズ、何か書類に目を遣りながら
          登場。自分のデスクに座り見入っている。
          そこへジェイン、コーヒーの入ったカップを2つ
          手に登場。チャールズの側へ。

 ジェイン「(一つのカップをチャールズのデスクに置いて。)おは
      よう、チャールズ!!」
 チャールズ「(書類に目を遣ったまま。)ああ・・・」
 ジェイン「一体何をそんなに熱心に見ているの?(チャールズの
      見ている書類を覗き込んで。)捜索願い届け・・・?何?
      昨日からこんなの一生懸命読んでたの?誰か捜してる
      の?」
 チャールズ「(顔を上げてジェインを見る。)おい・・・俺は今、忙し
        いんだ。お喋りしてないで、パトロールにでも出たら
        どうだ?」
 ジェイン「もう冷たいのね。折角コーヒー入れて来てあげたのに
      。」
 チャールズ「(机の上のコーヒーに気付いて。)ああ・・・ありがとう
        ・・・」
 ジェイン「(微笑んで。)いいのよ!さ・・・パトロールにでも出よっ
      かな・・・。じゃあね!」

      チャールズ、出て行くジェインの方を暫く見ているが、
      再び書類に見入る。
      ジェイン、出て行こうとして、入口でレナードに出会う。

 ジェイン「あら、レナードおはよう!どうしたの?こんな朝っぱら
      から、珍しじゃない。」
 レナード「ああ、おはよう。」
 ジェイン「あなたがこんな時間に起きてるなんて、今日は雨が降
      るかしら。(笑う。)」
 レナード「(肩を窄めて。)冗談だろ。」
 






     ――――― “レナード”3へつづく ―――――







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2012年4月22日日曜日

“レナード” ―全13場―

この作品は、私が色んな話しを書き始めた当初、自分の趣味的
  に書いたもので、まさか自分の書いたものが、誰かの目に触れる
  ことがあろうとは、考え及びもしないで書いていた、ホントに今読ん
  でみると、何て未熟で好き放題書いた話しだな・・・と、思うのです
  が、今回、このグーグル版“ワールド”Onlyで、ご紹介してみようか
  な・・・と思いました^_^;
  色々とマズイところもあるかと思いますが、敢えて書き直すことは
  せず、当初のままご覧頂こうと考えていますので、皆様、読みなが
  ら一人突っ込みでお読み下さい(^_^;)



    
                                  どら。



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

    〈 主な登場人物 〉

    レナード  ・・・  バーのマネージャー。

    フランシス  ・・・  社長令嬢。

    チャールズ  ・・・  刑事。

    レオーネ  ・・・  黒ずくめの男。

    ヘンリー  ・・・  専務の息子。

    ダニエル  ・・・  社長秘書付社員。

    B・J  ・・・  バーの従業員。

    ウィリアムス  ・・・  専務。

    ジャネット  ・・・  他のバーのマダム。

 

    その他


    

    ※ 登場人物がとても多いので、ここら辺にしておきます^_^;


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


         ――――― 第 1 場 ―――――

          音楽で幕が上がる。と、舞台は裏町。
          住人の男女、陽気に歌い踊る。

          “人生何もないかも知れない
          俺達にも何もないかも知れない
          けれどどんな日にも
          必ず明日があって 必ず朝がくる
          nothingから始めよう
          nothingでいいじゃない
          nothingだから
          未来に向かって飛び出そう”

          舞台中央、レナードセリ上がり歌う。
          住人の男女の踊りに誘われるように、
          レナード踊る。
          全員の掛け声と、決めのポーズで
          カーテン閉まる。

         ――――― 第 2 場 ―――――

          カーテン前。
          上手より、ズボンのポケットに手を
          突っ込んだチャールズ、ゆっくり登場。
          続いて、バー“マントル”のマダム、
          ジャネット登場。

  チャールズ「(笑いながら。)レナードのお陰で、俺の仕事が
         なくなるよ。」
  ジャネット「だって態々、刑事のお世話になるより、レナード
        の頼めばあっと言う間だもの。本当に頼りになる
        わ。それにレナードは、刑事みたいに差別はしな
        いもの。私達みたいな者の為にも、一生懸命力を
        貸してくれる・・・。」
  チャールズ「おいおい、俺は差別してるつもりなんて・・・」
  ジャネット「分かってる。チャールズは他の刑事達とは違うわ
        。けど、皆が皆、チャールズみたいな刑事ばかり
        じゃないのよ。こんな商売してる私達のこと、そこら
        辺のゴミくず位にしか思ってない奴らが殆どだって
        こと・・・。」
  チャールズ「確かにね・・・。」

          カーテン開く。
          舞台は裏町のバー“nothing-ナッシング-”。
          チャールズ、ジャネット、話をしながら
          舞台上へ。

  ジャネット「そんな顔しないでよ。別に私達は何とも思ってやし
        ないわ。全くチャールズは、生真面目なんだから。
        (笑う。上手より登場したレナードを、目敏く見つけ、
        声を張り上げる。)レナード!!」
  レナード「(2人に気付いて近寄る。)よお、来てたのか?」
  ジャネット「この間は本当に助かったわ。」
  レナード「大したことないさ。」
  チャールズ「大手輸入会社のMCAの常務が、脅迫紛いのこと
         をやってたとはね。」
  レナード「あれから店に来ないか?」
  ジャネット「ええ。あんな奴に、うちの店の中で大きな顔されて
        たんじゃ、堪ったもんじゃないわ。どこで聞いて来た
        か知らないけど、うちの女の子が、昔、刑務所に入
        ってたことを、客にバラされたくなかったら金を寄越
        せだなんて、馬鹿にしてるわよね。」
  レナード「また何かあったら、何時でも言いに来いよ。」
  ジャネット「ありがとう!!(腕時計にチラッと目を遣って。)
        そろそろお店に戻らなきゃ。一応、商売敵になるん
        だけど、うちの店にも偶には寄ってよね、レナード!
        愛してるわ!(レナードの頬にキスする。)おやすみ
        、チャールズ!」
  チャールズ「おやすみ。」

          ジャネット下手へ去る。
          チャールズ、カウンターの椅子に座る。
          レナード、カウンターの中へ入る。

  レナード「(棚から酒瓶を1本取って、チャールズの方へ差し出
       す。)」
  チャールズ「ああ、貰うよ。全く・・・おまえは俺達を失業させよう
         ってんじゃあないだろうな。(笑う。)」
  レナード「(笑って。)まさか・・・。おまえ達の仕事に、俺は興味
       なんかないよ。」
  チャールズ「だけど、ここら辺の奴らは、何かあったら先ず警察
         よりレナードだ。」

          チャールズ、レナードに語り掛けるように
          歌う。

          “刑事なんか当てにならない
          問題があればnothingに行けばいい
          レナードに言えば何とかなる
          この界隈きっての頼りの男
          刑事なんか信用するな
          レナードは人を比べたりはしない
          男でも女でも誰であろうと
          レナードなら解決してくれる”

          レナード、楽しそうにチャールズの歌を
          聞いている。

  レナード「(笑う。)えらい信用だな。(チャールズの前へコップ
       を置く。)」
  チャールズ「(コップを取って。)本当だぜ。お陰で俺の管轄は、
         問題がこっちの耳に入った時には、もう解決してる
         って訳さ。全く・・・有り難いのか有り難くないのか
         ・・・」

          B・J、カウンターの方へ近寄って。

  B・J「いらっしゃい、チャールズさん。」
  チャールズ「(振り返って、B・Jを認める。)よお、頑張ってる
         か?」
  B・J「(チャールズの背後を覗き込むように。)あれ?今日も
     一人?最近、何時もの綺麗な彼女、一緒じゃないんです
     ね?喧嘩でもしちゃったのかな?(冷やかし口調で。)」
  チャールズ「馬鹿、あいつとはもう終わったよ。」
  B・J「えーっ!?」
  チャールズ「結婚したんだ。」
  B・J「再び、えーっ!?俺、密かに憧れてたのにー!!」
  レナード「B・J!無駄口ばかり聞いてないで、仕事しろよ。」
  B・J「ちぇっ、はーい。(離れる。)」
  チャールズ「・・・結婚したよ・・・(独り言のように。)」
  レナード「チャールズ・・・」
  チャールズ「終わったことさ・・・。」

          その時、回りの様子に呆気にとられるように、
          見回しながら、素足のフランシス下手より登場。
          カウンターに座る。

  フランシス「あの・・・こんにちは・・・」
  レナード「あ・・・いらっしゃい。何にする?」
  フランシス「えっと・・・オレンジジュース・・・」
  レナード「(笑って。)おいおい・・・ここは昼間の喫茶店じゃない
       んだぜ。」
  フランシス「じゃあ、何を頼めばいいのかしら?」
  レナード「そりゃあ例えばカクテルとか・・・ビールとか・・・」
  フランシス「それじゃあ、そのカクテルを下さい。」
  レナード「カクテルって言ったって色々・・・(溜め息を吐いて。)
       まぁいいか・・・」
  チャールズ「(フランシスの足元を見て。)君・・・靴は・・・?(レ
         ナードと目を見合わせる。)」
  フランシス「あ・・・あの・・・なくしちゃって・・・」
  チャールズ「なくしたって?」
  フランシス「ええ、なくしたんですわ。さっき・・・その・・・路地で
        ・・・!」
  チャールズ「(レナードと目を合わせて、首を傾げる。)」
  レナード「素足のお嬢さん、足のサイズは?」
  フランシス「あの・・・9・・・」
  レナード「OK。(奥へ入る。)」
  チャールズ「この辺では見かけない顔だね?」
  フランシス「ええ。この町は初めて・・・。あの・・・あなたは・・・
        ?」
  チャールズ「ああ、失礼。俺はこう見えても、一応サンフラン
         シスコ市警捜査第1課の刑事でね。」
  フランシス「刑事!?」
  チャールズ「刑事ったって、今は勤務外だ。友達の店に飲み
         に来た、ただの男だよ。仕事柄、つい探るような
         聞き方をして悪かったね。」
  フランシス「いいえ・・・」

          レナード、奥から靴を持って出て来る。
          カウンターの外へ。跪いてフランシスの
          足を自分の膝の上へ置き、持って来た
          靴を履かせる。

  レナード「ぴったりだな。」
  フランシス「あの・・・」
  レナード「従業員の履き古した靴だから気にするな。おまえに
       やるよ。」
  フランシス「でも・・・」
  レナード「素足で表を歩き回ってたら、綺麗な足が血だらけに
       なるぜ。(立ち上がって微笑む。)」
  チャールズ「相変わらず女に優しいね。」
  レナード「馬鹿野郎。」

          その時、店の入り口から2人の黒づくめの
          男、肩で風を切るように登場。
          レオーネとスタン、回りを見回すように。
          丁度、店を出ようと歩いて来たアベックと
          ぶつかる。

  レオーネ「いってえな!!(声を張り上げ、アベック男の胸元
       を掴む。)ぶっ殺すぞ!!」

          店の中の客、一斉にその方に注目する。
          それに気付いたレオーネ、男を離す。
  
  アベック男「すみません!!(脅えるように。)」
  スタン「気を付けな!!」

          アベック男女、慌てて下手へ去る。
          その男達を見たフランシス、顔色を変えて
          立ち上がり、慌ててカウンターの陰に身を
          潜める。レナード、そんなフランシスの様子
          を不審に思いながら、見詰める。
          レオーネ、スタン、一見して店の偉い人らしき    
          レナードを認め、近寄って行く。
          他の客達、その方を気にしながらも、さっき
          までと変わらず、飲んだり踊ったりしている。
          レナードも、一寸近寄る。チャールズ、立ち上
          がってレナードの後ろに控える。

  レナード「お客さん、店の空気を乱すような行為は、慎んで頂
       けませんか?」
  スタン「何だと!?」
  レオーネ「おい!(スタンを止める。)誰だ、てめえ・・・」
  レナード「(ただ黙って、レオーネを見据える。)」
  レオーネ「(思わず目を逸らせて。)まぁ、いい。俺たちゃ人を
       捜してるんだ。(スタンに。)おい。」
  スタン「(背広の内ポケットから、一枚の写真を取り出して、レ
      ナードの方へ差し出す。)」
  レオーネ「この女を見なかったか?」
  レナード「(チラッと写真に目を遣る。)いいえ・・・。この女性が
       如何かしたんですか・・・?」
  スタン「そんなこと、てめえにゃ関係ないだろ!!」
  レオーネ「よせ!!来なかったんならそれでいい。(回りをぐる
       っと見回して。)行くぞ!!」

          レオーネ下手へ去る。スタン、客達に
          暴言を吐きながらレオーネに続いて去る。
          レナード、2人が去るまで、その方を見て
          いる。

  チャールズ「(2人が去るのを見計らって、レナードの耳許で。)
         彼女か?」
  レナード「(入口の方を見たまま。)ああ・・・。(思い出したよう
       に、座り込んでいるフランシスに近寄り覗き込む。)・・・
       もう行ったぜ・・・おい・・・(フランシスの腕を取って、立
       ち上がらせる。)誰なんだ、あいつら・・・」

          フランシス、ただ脅えるように俯いている。

  レナード「(チャールズと目を合わせて。)言いたくなきゃ、別に
       言わなくたっていいさ・・・。(溜め息を吐いて。)けど、
       何か訳ありみたいだな?おまえ・・・帰る所はあるのか
       ・・・?」
  フランシス「(俯いたまま、ゆっくり首を振る。)」
  チャールズ「家出娘か・・・?」
  フランシス「違うわ・・・!!」
  レナード「(チャールズの顔を見て、“何も言うな”と言うように、
       首を振る。)じゃあ・・・暫く、ここにいればいい。」
  フランシス「え・・・?」
  レナード「ここの2階は宿屋になってるんだ。丁度、今一部屋
       空いている。そこを使うといいさ。」
  チャールズ「そうだな・・・。あいつらに見つかりたくないんだった
         ら、ここは絶好の隠れ場所だぜ。何たってこいつは
         この辺りじゃ凄腕で通ってるんだ。」
  フランシス「けど私・・・お金は・・・」
  レナード「そんなことは気にするな。(辺りを見回して。)B・J!」

          B・J気付いて近寄る。

  B・J「何っすか?」
  レナード「(フランシスの肩に手を置いて。)えっと・・・あ・・・おま
       え名前は・・・?」
  フランシス「・・・フランシス・・・」
  レナード「フランシスを2階の部屋へ案内してやってくれ。」
  B・J「はい。どうぞ!」
  フランシス「(B・Jに付いて行きかけて振返る。)あの・・・ありが
        とうございます・・・。(頭を下げる。)」
  レナード「(微笑む。)」

          B・J、2階の部屋へフランシスを案内する。
          フランシス、階段を上りながら、気にするよう
          に振り返りB・Jに付いて行く。
          チャールズ、上がって行くフランシスの方を
          見ている。レナード、カウンターに座っていた
          他の客に、酒を出したりしている。

  チャールズ「いいのか?」
  レナード「何があったか知らないが、素足で逃げて来なけりゃ
       いけないようなことが、彼女の身に起こったことは事
       実だ。」
  チャールズ「そうだな・・・。署に戻って、一回捜索人の届けが
         出てないか、調べてみるか・・・。俺が刑事だと分
         かった時の彼女の顔付も気になるし・・・。だが、
         ヤバいようなら、余り首を突っ込むなよ。」
  レナード「(笑って。)誰の心配をしてるんだよ。」
  チャールズ「(笑う。)そうだったな。」

          その時、ジェイン下手より登場。
          チャールズを認め近寄る。

  ジェイン「いたいた!ここだと思ったわ!こんにちは、レナード
       。」
  チャールズ「何だ、ジェイン。俺は今日は非番だぜ。」
  ジェイン「分かってるわよ。レナード、何時もの頂戴。」
  レナード「OK。」
  チャールズ「俺はちょっと調べ物があるから、もう署に戻るぜ。
         (立ち上がる。)」
  ジェイン「(チャールズの腕を掴んで。)待ってよ!冷たいのね
       。一杯くらい付き合ってくれたっていいじゃない!」
  レナード「(ジェインの前へコップを置く。)」
  ジェイン「今日は非番って、自分で言ったのよ。調べ物って何
       ?私も手伝ってあげる!」
  チャールズ「いいよ。」
  ジェイン「遠慮しなくってもいいのよ!」
  チャールズ「(ジェインの言葉は耳に入っていないように。)
         じゃあな、レナード!何か分かったら連絡するよ。」
  レナード「ああ。」

          チャールズ、下手へ去る。

  ジェイン「もう!何時もチャールズはああなんだもの。いくら私
       がモーションかけたって・・・」
  レナード「あいつはまだ、前の彼女が忘れられないのさ・・・。」
  ジェイン「・・・あのチャールズのことを振って、御曹司と結婚し
       たお嬢様?」
  レナード「違うな・・・。チャールズは相手のことを真剣に考えて
       、態と振られるような真似をしたんだ。あいつらしくね
       ・・・。」

          レナード、カウンターの中にいたロイに
          何か言って、奥へ入る。
          代わりにロイ、客の相手をする。








       ――――― “レナード”2へつづく ―――――










 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    グー版“ワールド”の“ジェフリー”のアイリーンさんと、この
    フランシスさん、似たような境遇ですね^_^;
    書いた時期は全く違うので、多分こんな設定・・・好きなの
    かも知れません(^_^;)    





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2012年4月8日日曜日

“2012年春公演作品”より




来月の春公演作品より、この間、練習音声をお聞き頂きましたが、
 今日はその練習場面の完成音声を、主人公のジュリーちゃんと、
その愛犬プッチくんの仕上がりお人形と共に、お聞き下さい(^.^)

この場面は、プッチくんの回想場面となる為、
普通の場面と比べると、少しエコーが強めにかかって
います(^^)v

如何ですか・・・?
練習時と比べ、少しは上手くなっているでしょうか・・・?^^;
とても(自分で言うのもなんですが・・・^^;)
見応えたっぷりの作品に仕上がっていますので、
春公演、どうぞお楽しみに♥

2012年4月4日水曜日

“ライアン” ―全8場― 完結編

マイク「当たり前って・・・」
  ライアン「おじいさん達の時代でもあるでしょ?国際結婚って!」
  マイク「おまえ、国際結婚って言うのは・・・」
  ライアン「いいじゃない!そんなこと!そのお陰で、僕は“再生の力”
       を持って生まれて来れたんだし。」
  マイク「再生の力・・・。その力で家の下敷きになって瀕死の重傷を
      負ったジェシカを助けてくれたんだな・・・。」
  ライアン「僕、そろそろ自分の世界へ帰んなきゃ・・・。」
  マイク「え・・・?もう・・・?」
  ライアン「僕の仕事は終わったから・・・。」
  マイク「まだいいじゃないか!もっと未来の俺のことを・・・」
  ライアン「また会えるよ、その内・・・。じゃあね!ひいひいおじいさん
       !!(笑う。)」

          ライアン、上手へ走り去る。

  マイク「あ!!待てよ!!それに俺はまだそんな年じゃないぞ!!
      そうだな・・・タイムマシンで簡単に未来や過去へ行き来できる
      時代なんだ・・・。宇宙人がいた所で、何の不思議のないんだ
      ろうな・・・。ひいひいじいさんって・・・150歳まで生きるのか、
      俺・・・。(笑う。)生意気な奴だな。“玄孫”・・・か・・・。何年後に
      会えるんだろう・・・。頑張んなきゃな、俺・・・。働くぞーっ!!」

          暗転。

    ――――― 第 8 場 ―――――

          舞台明るくなる。と、未来の風景。(2場と同じ。)
          下手より、マイクが乗った車椅子を押しながら、
          老ジェシカゆっくり登場。

  ジェシカ「あなた、ハリケーンも無事にそれて行ったようで、よかった
       ですわね。」
  マイク「ああ、そうじゃな、ジェシカ。」
  ジェシカ「ハリケーンと言えば昔・・・何だか不思議な出来事があった
       ような気がしますの・・・。遠い昔のことで、よく思い出せない
       んですけれど・・・」
  マイク「(笑う。)ハリケーンなど、そう珍しくもないじゃろう。」
  ジェシカ「まぁ、そうですわね。」

          そこへ上手より、ライアンの母、ライアンを
          捜すように登場。

  ライアンの母「ライアーン!!ライアーン!!あ、おじいさん、おばあ
          さん!ライアンを見なかったですか!?」
  マイク「いいや、見とらんよ。」
  ライアンの母「もう、全くあの子は一体何処へ行ったのかしら、本当
          に!!一旦家を飛び出せば、丸で鉄砲弾のようなん
          だから!!こんな時、再生の力なんて、何の役にも立
          ちゃしないわ!!」 
  マイク「まぁそう言わなくても、再生の力も満更でもないと思うがの・・・
      」
  ライアンの母「おじいさんったら・・・。それにしても、ハリケーンが逸
          れてくれて、本当によかったですね。」
  マイク「そうじゃなぁ・・・」
  ライアンの母「おじいさん、ライアンを見かけたら、私が捜してたと伝
          えて下さいます?」
  マイク「ああ、分かったよ・・・。」
  
          ライアンの母、下手へ去る。
          一時置いて、上手より慌てた様子のライアン、
          走り登場。

  ライアン「おじいさん!!あ・・・(マイクを認め駆け寄る。)おじいさん
       !!・・・(ジェシカを認め。)・・・誰・・・?」
  ジェシカ「誰?まあ、この子ったら面白い冗談ばっかり・・・。(笑う。)」
  マイク「ジェシカじゃないか、ライアン。忘れたのか?」
  ライアン「ひいひいおばあさん・・・?」
  ジェシカ「どうしたの?ライアン。本当に大丈夫?そんな驚いた顔をし
       て・・・。」
  ライアン「だって・・・」
  ジェシカ「だって?」
  ライアン「今までどこに・・・」
  ジェシカ「今までどこにって・・・ずっと、あなたと一緒に暮らしているで
       しょ・・・?」
  ライアン「・・・本当・・・に・・・?」
  ジェシカ「可笑しな子ね。(笑う。)それよりお母さんが、あなたのこと
       を捜し回っていたわよ。」
  ライアン「ママが・・・?」
  ジェシカ「余りお母さんに心配かけちゃ駄目よ。」
  ライアン「おばあさん・・・」
  ジェシカ「さぁ、あなた、少し冷えてきましたわ。そろそろ部屋へ入り
       ましょうね。」
  マイク「ああ・・・。」

          ジェシカ、マイクの乗った車椅子を押し、
          下手方へ行こうとする。

  マイク「ライアン・・・」
  ライアン「・・・何・・・?」
  マイク「最後の約束を果たしてくれて、ありがとう・・・。」
  ライアン「おじいさん・・・」
  ジェシカ「約束って何ですの?」
  マイク「ライアンとわし・・・2人だけの秘密じゃよ・・・。」
  ジェシカ「まぁ・・・いいですわね、男同士で・・・。」

          マイクとジェシカ、下手へ去る。
          アイアン、呆然と2人が去るのを、見詰めている。

  ライアン「僕・・・過去へ行って、約束を果たして来たんだ・・・。本当に
       ・・・。ジェシカおばあさんが・・・生きてる・・・。微かに僕の心
       の中に残る、大切な人達との思い出が・・・。」

          音楽流れ、ライアン歌う。

          “遠い彼方の遠い空・・・
          たった少しの未知への旅
          そこで出会った初めての懐かしさ
          大切だと思う心と
          大切に出来る思い出の幸せ・・・
          誰もが持つ心の片隅にある
          優しい温もり・・・”

          瞳を輝かせ、遠くを見遣るライアン。




           ――――― 幕 ―――――