そこへ入口からダニエル、アンナ入って来る。
レナードを認め近寄る。3人カウンターの方へ。
ダニエル「お嬢さん!!」
アンナ「お嬢様!!」
フランシス「ダニエル・・・アンナ!」
ダニエル「心配したんですよ!!よかった無事で!!けど、逃
げ込んだのがレナードさんの店で本当にラッキーでし
たね!!お嬢さんは知らなかったかも知れないけど、
レナードさんはこの辺りのスーパーマンなんですよ!!
もう怖い者ナシ!!勝ったも同然!!僕も安心だ!!」
レナード「おいおい、いくらフランシスに会えたのが嬉しいからっ
て、そんなに捲し立てるなよ。(笑う。)」
ダニエル「あ・・・すみません、つい・・・」
アンナ「お嬢様!トーマスさんと一緒にいなくなられた時には、
私もう心配で心配で!!」
フランシス「ごめんなさい。(微笑んで。)でも、私も安心している
の。上手くいくかどうかなんて、まだ分からないけれど、
レナードが付いていてくれるだけで、何だかもう何も
かも上手く治まってしまったような気がして・・・」
レナード「フランシス・・・」
フランシス「ごめんなさい!あなたの負担になるような言い方を
してしまって・・・」
B・J「大丈夫、大丈夫!!他の奴らなんて皆、レナードさんなら
絶対だって確信してやって来るんですよね。(両手を広げて
。)こんな大きな問題抱かえて!!」
レナード、フランシスを見詰めたまま近付く。
B・J「ね!レナードさん!!」
チャールズ「しっ!!(微笑んで、B・Jと目を見合わせる。)」
レナードとフランシス、スポットに浮かび上がる。
レナード、フランシスの手を取って歌う。
フランシス、呼応するように歌う。
レナード“何時からだろう
迷い込んだ微風が
頬を過ぎるのが心地好く
何時までも離したくないと
思うようになったのは・・・
指の間を零れ落ちる砂のように
不確かなものだけど・・・
何時までもおまえの微笑みを
見ていたいと思うようになったのは・・・
何時からだって構わない
唯・・・
これからもおまえだけを見詰めていたい・・・”
フランシス“何時までも側にいたいと
思うようになったのは・・・
満天の星空を滑り落ちる流れ星のように・・・
夢みたいなものだけど・・・
何時までもあなたの笑顔に
触れていたいと思うようになったのは・・・”
2人“何時からだって構わない・・・
唯・・・
これからもおまえ(あなた)だけを
見詰めていたい・・・”
暗転。
――――― 第 9 場 ―――――
カーテン開く。と、舞台はサンフランシスコ市警内。
ジェイン登場。ニック、ジム、ジェインに続く。
後ろから警官トミー付いて登場。
ニック「ねぇ、美人のお巡りさん!俺達が何したっての?」
ジム「俺たちゃ何も悪いことしてねぇよ!」
ニック「早く帰してくれよ!でないと仕事に遅れちまうよ。」
ジェイン「(振り返って。)へぇ・・・何も悪いことはしてないって
言うの?」
ジム「当たり前じゃないか!そりゃ子どもの頃は、そこいらの
不良共と同じように、馬鹿やってたかも知んないけど。」
ニック「俺たちゃ改心したんだよ!兄貴のお陰でさ!」
ジェイン「兄貴って言うと・・・レナード?」
ニック「その通り!」
ジェイン「じゃあそのレナードの為にも、ダフ屋行為はもう止め
ることねぇ。」
ニック、ジム、顔を見合わせて“しまった”と
言う風に。
ジム「あっちゃあ・・・。けどあれは、俺らの意思でやったんじゃ
ないぜ!!アランの野郎が・・・!!」
ニック「そうだよ!!あいつがチケットよこして、倍の値で売っ
てこなけりゃ、ロレッタとリズに昔の俺達の数々の悪事
をバラすって言うから!!」
ジェイン「そう?ま、その辺の詳しいことは、あっちの別室で
ゆっくり聞くことにしましょう。」
ジム「畜生!」
その時、アラン、横を通る。
ニック「(アランに気付いて思わず腕を掴む。)アラン!!おま
え、俺達を売ったな!!」
アラン「(驚いたように。)何のことだよ!?」
ジム「俺達にダフ屋させといて、そのことをバラしたろ!!」
アラン「(恍けて。)知らねえよ、そんなこと。」
ジェイン「止めなさい!!こんなところで!!」
アラン「あれ?おまえ達、また何か悪いことでもやっちゃったの
かなぁ?」
ニック「こいつ!!(思わずアランの胸元を掴んで殴ろうとする
。)」
アラン「こんな場所で暴力まで振るう訳?」
ジム「(ニックを止めて。)止めろ、ニック!こいつの思う壷だぜ
。」
ニック「畜生!!(アランの胸元を離す。)」
アラン「ねえお巡りさん、こんな危険な奴は刑務所にでもぶち込
んじゃって下さいよ!」
ジェイン「(腰に手を置いて、アランの前に立つ。)アラン、あなた
は上手く警察の目を誤魔化してやってるつもりでしょう
けど、そろそろボロが出始めたようね。」
アラン「(恍けて。)俺、何もやってないっすよ。」
ジェイン「自分の手を使ってはね・・・。さあニック、ジム、行きま
しょう。(行きかけて振り向く。)アラン・・・悪事千里を走
るって知ってる?」
ジェインにニック、ジム付いて行く。後ろから
トミー続く。
アラン、暫くニック達を睨んでいるが、ふてぶて
しく出て行く。
ニック「俺・・・兄貴に申し訳ないや。こんなことでまた捕まっち
まって・・・」
ジム「・・・俺も・・・」
ジェイン「(微笑んで2人を見る。)」
ジェイン以外、別室のドアを開けて入る。
そこへチャールズ登場、自分のデスクへ
座り書類を書き始める。
ジェイン、目敏くチャールズを認め、
近寄る。
ジェイン「チャールズ!おかえりなさい!」
チャールズ「ああ、ただいま。」
ジェイン「張り込み?」
チャールズ「ああ。」
ジェイン「大変ね。コーヒー入れよっか?」
チャールズ「いや、いいよ。そっちは?」
ジェイン「これからニックとジムの取り調べ。」
チャールズ「(ジェインを見上げて。)あいつら何かやったのか
?」
ジェイン「(肩を窄めて。)やったって言うより、やらされたって
感じかしら。」
チャールズ「やらされた・・・?」
ジェイン「でも大丈夫よ、もう馬鹿やったりはしないから。(チャ
ールズを見て。)この頃、頑張り過ぎじゃない?ちゃ
んと寝てる?食事は?」
チャールズ「(書類に目を落として。)ああ・・・」
ジェイン「あまり無理しないで。」
チャールズ「ジェイン・・・君が俺の心配をしてくれるのは有り難
いよ・・・」
ジェイン「だから?」
チャールズ「・・・ハッキリ言っておくよ・・・。いくら君が俺のこと
を想ってくれても俺は・・・その気持ちに応えること
は・・・」
ジェイン「(笑って。)なあんだ!分かってる!!分かってるわ
よ、そんなこと!いいの私は・・・。待つことには慣れて
るんだもの!」
チャールズ「・・・ジェイン・・・」
その時、別室のドアからトミー顔を出す。
トミー「(ジェインを認めて。)ジェインさん!!まだですか!?」
ジェイン「あ!今、行く!!(チャールズの肩に手を置いて。)
あなたはゆっくり傷を癒せばいいのよ。じゃあね。」
ジェイン、別室へ入る。
チャールズ、暫く歩いて行くジェインの背中を
見詰めているが、再び書類に目を落とす。
そこへレナード慌てた様子で入って来る。
レナード「(チャールズを認めて近寄る。)チャールズ!!分か
ったぞ!!」
チャールズ「(顔を上げて。)やあレナード。(レナードの様子に
嬉しそうに立ち上がる。)どうした?何時も冷静沈着
なおまえが、偉く慌ててるようだけど?何が分かっ
たんだ?」
レナード「奴の尻尾を掴んだんだ!!」
チャールズ「尻尾を掴んだって・・・?」
レナード「昨夜、TMインターナショナルに行って、奴のコンピュ
ーターに潜り込んだんだ。」
チャールズ「コンピューターに潜り込んだって?おいレナード!
おまえ何て無茶やってんだよ!もし会社の奴らに
見つかったら、おまえは忽ち犯罪者だぜ!全く・・・」
レナード「心配性だな、おまえは。(笑う。)」
チャールズ「当たり前だろ!それで?」
レナード「多額の使途不明金が会社から専務の口座に流れて
いる。」
チャールズ「何だって!?」
レナード「会社の金を横領してたんだ。」
チャールズ「じゃあここからは俺の仕事だな。」
レナード「ああ、頼む。俺はまだホテルに監禁されてる秘書を
助けに行って来る!」
チャールズ「一緒に行こう!」
レナード「おまえは専務達の裏を取って、逮捕状をとらなきゃ
駄目だろ!一人で大丈夫さ!」
チャールズ「いくら剛勇のおまえでも、一人でなんて無理だ!!
少しくらい待てるだろう!?」
レナード「いや・・・少しでも早く安心させてやりたいんだ・・・」
チャールズ「・・・レナード・・・おまえ・・・」
暗転。カーテン閉まる。
――――― 第 10 場 ―――――
カーテン前。
レオーネとスタン、ぶらぶら登場。
スタン「あああ・・・腹減ったなぁ・・・。どうします、レオーネさん
?このまま隣町まで足延ばしますか?」
レオーネ「可笑しいな・・・」
スタン「え?可笑しいって、俺何も変なことやってないっすよ。
いやだなぁ・・・。」
レオーネ「馬鹿野郎!これだけ広範囲に渡って捜し回ってる
んだ!車を使った様子もないし、女一人の足でそう
遠くまで行ける訳がない・・・。何処か屹度、見落とし
たところがある筈だ・・・。一体何処だ・・・!!」
スタン「見落としたなんて・・・そんな筈ないっすよ・・・。それよ
りもう今日は、酒でも飲んで帰りましょうよ。足が丸で
棒みたいだ・・・」
レオーネ「(溜め息を吐いて。)そうだな・・・」
スタン「“nothing”行きましょうよ!」
レオーネ「“nothing”・・・?」
スタン「ほら、一番最初に娘を捜しに行った店・・・。あそこの
店員、美人が多かったんだ!」
レオーネ「ああ・・・おまえ息巻いてた割には、よく見てんだな
ぁ・・・」
スタン「女性に関してはね。」
レオーネ「・・・そう言えばあの店の男を、TMインターナショナ
ルのロビーで見かけたっけ・・・(何かに気付いたよう
に。)・・・待てよ・・・スタン・・・俺たちはとんでもない
近場を見落としていたのかも知れないぜ・・・」
スタン「え?」
レオーネ「最初はあの男の殺気に圧倒されちまって、それど
ころじゃなかったが・・・あいつだ・・・あいつに違いな
い!!」
スタン「あいつって・・・?」
レオーネ「煩い!!行くぞ!!」
レオーネ、スタンを引っ張って駆け出る。
暗転。
――――― “レナード”6へつづく ―――――
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら余談^^;)
昨日は更新お休みしちゃいました(>_<)ごめんなさい<(_ _)>
今、頭を来年春公演作品の新作書きに注ぎ込んでいる為、
中々余裕がありません(>_<)
間もなく完成予定なので、今暫く、満足頂く更新が出来ない
かも知れませんが、我慢下さい<(_ _)>
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
0 件のコメント:
コメントを投稿