2012年11月30日金曜日

“フランドル” ―全17場― 完結編


       ――――― 第 11 場 ――――― B

            カーテン前。

  グリエルモ「(憤慨した様子で。)一体おまえは何を考えている
         んだ!!おまえは自分の夢を全て捨てるつもりな
         のか!?」
  部下達「隊長!!」
  フランドル「誰が夢を捨てると言った!!ただそれを叶える為
        の意味が、今までと今とでは変わったと言うことだ。」
  グリエルモ「変わった・・・?」
  フランドル「そう・・・変わったんだ。今までは自分の欲望の赴く
        ままに、欲するものは全て手に入れて来た・・・。だが
        これからは違う!!目的を遂行する為の意味を見つ
        けたんだ!!」
  グリエルモ「・・・おまえ、あの島で何かあったのか・・・?」
  フランドル「・・・今まで出会ったことのない女性がいた・・・」
  グリエルモ「・・・じょせい・・・女!?おまえ気でも違ったか!?
         女の為に無謀な賭けに出るのか!?」
  フランドル「賭け・・・?何とでも言うがいい。俺はアリアナと出
        会って目が覚めたんだ・・・」
  グリエルモ「アリアナ・・・?あの蝶のような・・・(独り言のように
         。)」
  フランドル「俺は彼女を迎えに行く!!」
  グリエルモ「フランドル・・・(諦めたように。)夢を・・・捨てた訳
         じゃないんだな・・・?」
  フランドル「勿論だ!!俺は彼女と共に・・・夢を必ず実現させ
        てみせる!!」
  グリエルモ「分かった・・・おまえの好きにしろ・・・。今までも俺
         達はおまえの無茶に引っ張り回されて来たんだ。
         今回だって・・・。」
  フランドル「グリエルモ・・・」
  グリエルモ「結婚と言う武器がなくなったのは、少々痛手だが
         ・・・おまえにはそこまでも考えが出来てのことだろ
         う。全くおまえは昔っから一旦思い込んだら、最後
         までそれを貫き通す・・・。」

            横で聞いていた部下達、頷く。

  フランドル「グリエルモ・・・おまえ達・・・(見回して。)ありがとう
        ・・・」
  部下達口々に「隊長!!」

            暗転。

       ――――― 第 12 場 ―――――

            カーテン開く。絵紗前。(村の風景。)
            上手より村人たち、話しながら出る。
            一番最後にジュリオ、気落ちした
            面持ちで続く。

  アンナ「もうあの兵隊さん達が帰って、大分経つわね・・・」
  アンジェラ「何?まだ忘れられないの?(笑う。)」
  アンナ「だって・・・」
  ウーゴ「もうあいつらは戻って来ないんだぜ。いい加減、諦め
      ろよ。」
  ボルソ「よぉ、ジュリオ!アリアナは相変わらず毎日、海に行っ
      てるのか?」
  ジュリオ「ああ・・・」
  ボルソ「だけどあいつの行ってる場所って、切り立った断崖の
      上だろ?いくら遠くまで見渡せるからって・・・」
  ジュリア「(嬉しそうに。)だからそんなアリアナを、兄さんは毎
       日、陰からこっそり見守りに行ってるのよ。」
  ジュリオ「煩い!」
  アントニオ「アリアナの奴も、もう諦めりゃいいのに。(笑う。)」
  ジュリオ「あいつは一途なんだ!!」
  アントニオ「(溜め息を吐いてジュリオを見る。)全く、おまえも
        な。」
  ジュリア「そうよ。兄さんもあんなにハッキリ振られたのに、まだ
       思い切ることが出来ないなんて。」
  ジュリオ「俺はいい加減な気持ちで、あいつを今まで思って来
       たんじゃないんだ!!」
  ヴィンタ「それより占いの婆さんの言ってたことは、やっぱり外
       れたな!」
  アンジェラ「本当ね。最近は当たった試しがないもの・・・。」
  アンナ「あんな占い、当たらなくて良かったじゃない。」
  ウーゴ「そうだな!」

            その時、強い風が村人達の間を
            吹き抜ける。
            村人達、口々に驚きの声を上げる。

  ヴィットリオ「(空を見上げて。)こりゃ、嵐が来るな。」
  ジュリア「早く帰りましょう!」

            下手より慌ててビアンカ、駆け込んで
            来る。ジュリオ、血相を変えて走り過ぎ
            ようとするビアンカの腕を、思わず掴む。

  ジュリオ「おばさん!!」
  ビアンカ「(初めて村人達がいることに気付いたように、驚いて
       立ち止まる。)あ・・・ジュリオ・・・」
  ジュリオ「何かあったのかい!?」
  ビアンカ「アリアナが・・・!!アリアナがまた海に・・・!!今日
       は嵐になるから止めとけって言ったのに・・・私がちょっ
       と留守にしてる間に・・・!!早く呼び戻して来ないと、
       海が荒れてくるわ!!」
  ジュリオ「俺が行ってやるよ!!嵐の前の海は突然、強い風が
       吹いて危ないんだ!!おばさんは家で待ってな!!」
  ビアンカ「ジュリオ・・・」
  ジュリオ「任せときな!!」

            ジュリオ、走り出る。

  ジュリア「兄さん!!」

            暗転。

       ――――― 第 13 場 ―――――

            時折、波の荒れる音。風が吹き荒れる
            海岸。一輪の花を持ってアリアナ、
            下手より現れる。
            

           
   
     
                        ※

            
            ゆっくり岩 ↑ の上へ。
            半ばまで登ったところで、海の彼方に艦隊
            を認める。

  アリアナ「船だわ・・・船よ!!」

            慌てて、岩の高いところへよじ登る。
            その時、ジュリオ入って来て、
            アリアナを認め、驚いて駆け寄る。

  ジュリオ「アリアナ!!危ないから降りるんだ!!」
  アリアナ「(ジュリオに気付き。)ジュリオ!!船よ!!フランドル
       が戻って来てくれたわ!!」
  ジュリオ「(岩へ登りながら。)アリアナ、こっちへ来い!!(アリ
       アナの方へ手を差し出す。)」

            その時、突風が吹き抜ける。
            アリアナ、体のバランスを崩し、
            花1輪だけ岩の上に残して、
            小さい悲鳴と共に、岩の向こうへ
            落ちる。

  ジュリオ「アリアナーッ!!(叫ぶ。)」

            ジュリオの叫び声だけ悲しく響いて、
            フェード・アウト。

       ――――― 第 14 場 ―――――

            悲し気な音楽が流れる。
            フェード・インする。と、絵紗前。
            (アリアナの家。)
            ベッドにはアリアナ、眠っているよう。
            傍らにジュリオ、膝を付きベッドに伏す。
            ソファーには呆然とビアンカ。

  ジュリオ「(涙声で。)アリアナ・・・アリアナ・・・」

            その時、戸をノックする音。
            一時置いて、フランドル、グリエルモ
            入って来る。

  フランドル「(ビアンカを認め、嬉しそうに近寄る。)返事がない
         ので黙って入って来てしまいました。お久しぶりで
         す!あの時は大変お世話になりました。(ビアンカ
         の気落ちした様子に気付き。)あの・・・何かあった
         のですか・・・?アリアナは・・・」
  ビアンカ「(声を上げて泣く。)」
  フランドル「アリアナに何か・・・?」
  グリエルモ「(ベッドの上のアリアナに気付き、驚いてフランドル
         の肩を叩く。)フランドル!!(ベッドの方を指差す。
         )」

            フランドル、アリアナを認めて、ゆっくり
            近寄る。その表情からは段々と、血の気
            が引いていくよう。

  フランドル「アリアナ・・・」
  ジュリオ「(立ち上がって。)眠ってるみたいだろ・・・でも・・・死ん
       でるんだぜ・・・もう・・・いくら呼んでも目を開けてくれな
       いんだ・・・」
  フランドル「(声を絞り出すように。)なぜ・・・」
  ジュリオ「こいつはあんたが帰ってから・・・毎日毎日、海岸へ
       行って・・・迎えが来るのを待っていたんだ・・・。嵐の
       今日も・・・それは変わらなかった・・・。その時に、あん
       たの船を見つけ・・・喜んで駆け上がった崖の上から
       落ちたんだ・・・あんたが迎えに来てくれたとそれは・・・
       嬉しそうに・・・(涙声で。)あんたが・・・おまえがアリア
       ナを殺したんだ!!おまえさえ来なければ!!おま
       えさえ、あんな約束をしなければ・・・アリアナが死ぬ
       ことはなかったんだ!!アグネスが言ってたとおり、
       おまえは死神だったんだ!!」

            ジュリオ、泣き顔を隠すように駆け出る。
            フランドル、呆然とアリアナに近寄って、
            傍らへ跪き、アリアナの手を取り男泣き
            する。

  フランドル「アリアナ・・・アリアナ・・・何故・・・何故死んでしまっ
        た!!やっと、おまえを迎えに来れるようになったと
        ・・・何もかも片付いて・・・おまえを俺のところへ・・・
        呼び寄せようと・・・コンスタンティノープルへ行く前
        に・・・兎に角・・・おまえにそのことを知らせに・・・寄
        ったと言うのに・・・何故・・・おまえは死んだ・・・アリ
        アナ!!」
  グリエルモ「フランドル・・・(近寄ることも離れることも出来ず
         呆然と見詰める。)」

            フランドルとアリアナ、スポットに
            残してフェード・アウト。

  フランドル「(アリアナの手を握ったまま。)アリアナ・・・俺は必
        ず戻って来る・・・おまえを迎えに帰って来る・・・だか
        ら待っていてくれ・・・アリアナ・・・いつまでも愛してい
        る・・・」

                フランドル、アリアナに口づけ
            立ち上がる。名残惜しそうに見つめ
            た後、視線をもぎ取って舞台中央へ。
           
    
            (カーテン閉まって、フェード・イン。)

       ――――― 第 15 場 ―――――

            フランドルの回りにいつの間にか部下たち。
            
            フランドルの表情は険しく、敵の城塞を攻め
            落とす堅い決心に肩を震わす。

  フランドル「皆・・・明日は必ず攻め落とす!!いいか!!」
  部下達「はいっ!!」

            激しい音楽が響き渡る。歌う。

     フランドル“行くぞ!!
            何があっても振り返るな
            進め!!
            ただ前だけを見て”

     全員“陽が昇ると始まる
        引き返すことのできない歩が
        我々の熱い戦い
        心に思い描く新しい未来が”
        
            歌い終わるとカーテン開く。
            (向こうに敵城を見上げる陣営。

       ――――― 第 16 場 ―――――

  フランドル「(部下達を見回して。)おまえ達・・・明日は早いん
        だ、体を休めておけ・・・。」
  部下達「はい。」

            部下達、其々出て行く。

  グリエルモ「フランドル・・・もう大丈夫か?」
  フランドル「当たり前だ!!明日は必ずやるぞ!!」
  グリエルモ「(少しホッとしたように。)そうか・・・おまえも休んど
         けよ。」

            その時、アンドレアの側近ジョルジョ、
            大勢の部下達を従えて出る。

  グリエルモ「(気付いて。)ジョルジョ殿・・・いつの間に来られた
         のですか・・・?加勢など無用であるのに・・・」
  フランドル「(意味あり気な視線を、ジョルジョに向けて。)また・・・
        急ですね・・・それも大層な人数のようだ・・・。皇帝から
        何か連絡でも・・・?(手が自然と剣に向く。)」
  ジョルジョ「我々は皇帝陛下の命により、ここに参っております
        ・・・。(冷淡に。)」

            グリエルモの表情に一瞬、緊張が走る。

  フランドル「・・・その命令・・・とは・・・?」
  ジョルジョ「・・・残念ですが・・・」
  フランドル「(自分の殺害を悟って。)グリエルモ!!」

            フランドル、グリエルモ、回りを
            ジョルジョの部下に囲まれ、背を
            合わせて立ち、ゆっくり剣を抜く。
            一瞬の静寂が辺りを包む。
            ジョルジョの部下達、剣を抜く。
            激しい音楽が響き渡る。
            ジョルジョの合図で、2対多数の
            戦いが始まる。
            途中、騒ぎに気付き出て来たフランドル
            の部下数人。加勢する。

  部下達「隊長!!」

            次々とフランドルの部下達、相手の
            刃に倒れる。部下の中で一人残った
            グリエルモも敵に囲まれ、剣の雨を
            受け、フランドルに思いを残しながら
            息絶える。

  グリエルモ「フランドル・・・」

            一人残ったフランドル、勇敢に剣を
            奮っていたが、等々囲まれる。今まで
            離れて見ていたジョルジョ、近寄り
            剣を抜く。音楽、一層大きくなり一瞬の
            後、ジョルジョの振り下ろした剣に
            倒れる。
            フランドル、スポットに残してフェード・アウト。

       ――――― 第 17 場 ―――――

            音楽、静かに流れ、どこからかアリアナの
            “フランドル“の名を呼ぶ声が木霊する。
            フェード・インする。と、辺りは人気がなく、
            ひっそりとしている。
            (風景変わる。)
            愛しいアリアナの呼び声に、微かに目を
            開き、痛みに顔を歪めながら、ゆっくりと
            体を起こす。

  フランドル「・・・(溜め息を吐いて、微かに微笑む。)アリアナ・・・
        もう直ぐだ・・・もう直ぐ・・・おまえに会える・・・」

            その時、どこからか現れた幻想の
            アリアナ、フランドルの前へ。

  フランドル「(驚いた面持ちで。)・・・アリアナ・・・」

            幻想のアリアナ、フランドルの回りを
            蝶のように舞い踊る。その様子を、
            安らぎの入り混じった幸せそうな
            面持ちで見詰めるフランドル。
            アリアナ、嬉しそうな微笑みを湛え、
            フランドルに近寄り、手を取り立ち上
            がるように促す。
            その手に導かれるように立ち上がり、
            愛しい者に再び出会えた喜びに溢れ
            固く抱き合う2人。彼方を見遣る。

  
            





              ――――― 幕 ―――――

  







       12月7日(金)

       それでは次回掲載作品を紹介しておこうと思い
       ます♪
       次回は旅一座と写真家のお話しで、これまた随分
       昔に書いた作品になります(^_^;)
       “アル・ロー”(実は名前を変更致しました^^;)
       お楽しみに(^_^)



      






       早く、次の作品に移りたいので、書き直すのは
       止めて、このまま書き写していく形で終わらせよう
       と思います(^^;
       (あまりに可笑しい箇所は、手直ししますけど・・・)
       駄作で申し訳ありません~・・・m(_ _)m









    ※ 台本の隅っこに、走り書き(?)していた、舞台セット
      のイメージ図です(^_^)
      読んだだけでは、あまりよく分からないと思い、見難い
      ですが一緒に載せてみました~(^^;



― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     (どら余談^^;)

     今の私なら、絶対にこんな結末にしないでしょう的な
     お話しです(ーー;)
     段々、書くのが辛くなってきました・・・(;_;)







       http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
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2012年11月25日日曜日

“J―未来の君へ―”天界場面






          この場面は、この作品の中で唯一と言ってもいい程、
         台詞重視の場面になります(^_^)

         ドライアイス担当団員の苦心と・・・女の子の笑い声は
         難なく出来るのですが・・・男の子の笑い声・・・しかも、
         笑いが続く・・・と言う”J”に苦心している私の笑い声を
         お聞き下さい(^^;

         こちらの動画は、YouTubeでも公開しています♥




2012年11月23日金曜日

“J―未来の君へ―”第4場動画





                                 丁度、只今“グー版”ワールドで、脚本公開している部分の
             動画になります(^_^)
     
            
  
            

            最初、ガキ大将とマイクを2体持ちしているのが私です(^^;)
            その後、2体を引き取ってもらい、“J”再び・・・です(>_<)





         ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪






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2012年11月22日木曜日

“フランドル” ―全17場― 4

     
         その時、マルコ入って来る。

  マルコ「隊長!!(驚いたように。)あ・・・お邪魔でしたか?」
  フランドル「馬鹿野郎・・・(マルコを見て。)何だ?」
  アリアナ「じゃあ私はこれで・・・(出て行こうとする。)」
  マルコ「最近、隊長の機嫌がいいのは、こう言うことだったん
      ですね。」
  フランドル「馬鹿者!!何がこう言うことだ!」
  マルコ「皇女様と婚約中だと言うのに、角に置けませんね!」
  フランドル「マルコ!!」
  マルコ「あ・・・すみません・・・」
  アリアナ「(それを聞いて、悲しそうな微笑みを残して出て行く
       。)」
  フランドル「アリアナ!!畜生!!」

         音楽でフェード・アウト。カーテン閉まる。

        
     ――――― 第 9 場 ―――――

         カーテン前。村の娘(アンナ)と、ロドリーゴ。

  アンナ「へぇ、じゃああの人は、行く行くは全ヨーロッパ皇帝っ
      てことね?」
  ロドリーゴ「違うよ!皇帝はもういるんだ。皇帝一の勇将さ!」
  アンナ「あら、今あなた言ったじゃない。あの人は皇帝になる
      器の人物だって。」
  ロドリーゴ「そうさ!頭は切れるし行動力もある。隊長には怖い
        ものなしなんだ!(自慢気に話す。)」
  アンナ「じゃあ皇帝になるんでしょ?」
  ロドリーゴ「そんなこと、迂闊に口走ってみろ!命がないぜ!!
        今のところは皇帝の腹心の部下で通ってるんだ。だ
        けど隊長は必ずやる!!俺たちはあの人の部下で
        あることが誇りなんだ!!」
  アンナ「ふうん・・・よく分からないけど、凄い人なんだ・・・」
  ロドリーゴ「その通り!!それよりさっき会ったあの婆さん、何
        者だ?隊長のことを頻りに死神呼ばわりしてたけど
        ・・・。」
  アンナ「あの人は昔はこの村の守り神みたいな人だったの。
      占うことは全て当たるし。それでこの島は独占者の侵略
      を免れてこれたようなものだから・・・。でもここ数年は、
      もう惚けちゃって、誰か余所者が来ると必ず決まって、
      ああ言って追い出そうとするのよ。尤も最近じゃ誰もあの
      お婆さんの言うことを聞かなくなって・・・相手にもしなく
      なったんだけど。だからあなた達もすんなり村に入れた
      って訳。」
  ロドリーゴ「へぇ・・・占い師なのか。」
  アンナ「当たらなくなった証拠に、あなた達がこの村に来て、
      もう大分経つけど、誰も死んだりしないじゃない。」
  ロドリーゴ「そうだな・・・もう隊長の傷も殆ど良くなったし、後
        は迎えが来て戦線復帰するだけだ。」
  アンナ「・・・そう・・・もう帰ってしまうのね・・・(悲しそうな面持
      ちになる。)」
  ロドリーゴ「そんな顔するなよ。明日は祭りだろ!おまえの
        歌、楽しみにしてるよ。」

         2人、腕を組んで出て行く。

     ――――― 第 10 場 ―――――

         激しい音楽でカーテン開く。
         舞台は森。年に一度の村の祭り。
         村人たち、太鼓のリズムに乗り踊っている。
         途中からアンナ出て歌う。
         その歌に乗り、男女踊る。
         フランドル、上手より足を引き摺り加減に
         出、誰かを捜しているよう。
         その時アリアナ、下手より出、森の中へ。
         (舞台回転。)
         祭りのざわめきが少しずつ遠くなり、静か
         な音楽が流れる。
         フランドル、アリアナを認めて、慌てて
         歩き難そうに後を追う。
         アリアナ、一人ゆっくり憂鬱そうな面持ちで。

  フランドル「アリアナ!!」
  アリアナ「(振り返り、驚いて逃げようとする。)」
  フランドル「待ってくれ!!」
  アリアナ「(その声に立ち止まり、フランドルを認める。)」
  フランドル「(ホッとした面持ちで。)やっと会えた・・・。あれから
        一度も来てくれなかったね・・・どうしてだい?」
  アリアナ「・・・(言葉に困って。)・・・母がいるし・・・私より母の
       方が、医者としての腕は確かよ・・・」
  フランドル「そんなことを言ってるんじゃない。俺はおまえに会
        いたかったんだ、ずっと・・・」
  アリアナ「フランドル・・・」
  フランドル「あの時、マルコが言っていたように、確かに俺には
        婚約者がいる。だがそれは今まで俺の夢の実現の
        為に、どうしても必要なことだったからだ。ヨーロッパ
        世界を手中に収めること・・・それが俺の夢だった。
        だが、おまえが来なくなってから、俺には何が必要
        だったのか・・・何を為るべきなのか、おまえの言っ
        ていた言葉の意味をずっと考えていた・・・。そして
        俺はここに来て、心の安らぎを初めて与えられたよ
        うな気がする・・・。それはおまえがいてくれたから
        だ・・・!!アリアナ・・・愛しているんだ・・・」
  アリアナ「フランドル・・・」

      
         その時、ジュリオ入って来る。
         (フランドルとは、アリアナを挟んで反対側。)

  ジュリオ「アリアナ!!そんな奴の言うことを信じるんじゃない
       !!そいつはもう帰ってしまう奴なんだ!!」
  アリアナ「(振り返ってジュリオを見る。)ジュリオ・・・」
  ジュリオ「(フランドルに突っ掛るように。)あんたにはあんたの
       世界がある!!アリアナにはアリアナの生き方がある
       んだ!!自分の世界にこいつを引っ張り込むな!!」
  フランドル「ジュリオ・・・」
  ジュリオ「さっき、あんたの部下があんたを捜していたぜ。明日
       いよいよ迎えの艦隊が到着するんだとよ!!さっさと
       自分の国に帰って来れ!!(アリアナの方へ手を差し
       出す。)アリアナ、こっちへ来い・・・」

         アリアナ、ゆっくりジュリオの方へ行きかける。

  フランドル「アリアナ!!」
  アリアナ「(歩を止める。)」
  フランドル「俺は婚約を解消して必ず戻って来る!!俺を信じ
        て待っていて欲しい!!」
  ジュリオ「アリアナ!!そいつの言うことなんか聞くんじゃない
       !!」
  フランドル「アリアナ・・・」

         アリアナ、振り返ってフランドルを見詰める。

  アリアナ「フランドル・・・」

         ゆっくりフランドル、両手を広げる。
         アリアナ、フランドルの胸に飛び込む。

  アリアナ「フランドル!!」
  フランドル「アリアナ!!(アリアナを抱き締める。)」
  ジュリオ「(呆然と2人を見詰める。)アリアナ・・・」
  フランドル「必ず戻って来るから・・・」
  アリアナ「待っているわ・・・いつまでも・・・」

         フェード・アウト。(カーテン閉まる。)

     ――――― 第 11 場 ――――― A

         カーテン前。アンドレア、ジョルジョ、ホフレ。

  ホフレ「よかったですね、何事も起こらないうちに、フランドル殿
      が復帰されることになって。」
  アンドレア「そうだな・・・丁度、冬期の休戦時期と重なったのが
        幸いだった・・・」
  ジョルジョ「我々は制服地の統轄さえ行っていれば、よかった
        ですからね。」
  ホフレ「しかし命に別状がなく何より・・・」
  アンドレア「本当のところ、今、あの男がいなくなれば、確かに
        我々は困るのだ・・・。自分たちの国を、力づくで奪わ
        れた人々の反逆を鎮圧する力を持った将は、残念な
        がら今のところ、彼の他には見当たらないからだ・・・
        私がもう少し若ければ・・・あの男に任せることなく、
        この手で遣り遂げてみせるものを・・・」
  ジョルジョ「皇帝陛下・・・」
  アンドレア「あの男の行動に、その都度一喜一憂することなく
        ・・・まぁ、色々言っても仕方あるまい・・・。兎に角、今
        はあの男に全てを賭けたのだ。こんなところで死な
        れては困る。」
  ジョルジョ「いっそのこと、陛下の妹君のご子息、フロリド様に
        全てを託されては・・・?」
  アンドレア「私も一度はそのことを考えもしたが・・・フロリドの
        器では、制服地を増やして統轄していくどころか、こ
        の国の統治すらままならなくなることは、目に見えて
        明らか・・・それならば、国民からの信望が厚く、武将
        としても最長けたフランドルと、エリザベッタを結婚
        させ、その子どもに全てを託すことに決めたのだ・・・
        。」
  ホフレ「成程・・・フランドル殿ではなく、エリザベッタ様のお子
      様にとは、考えられましたな・・・。」
         

   
         その時、家臣入って来る。

  家臣「もう間もなくフランドル様が入城されます。」
  アンドレア「分かった・・・」

         カーテン開く。と、大広間。アンドレアたち、
         そのまま舞台へ。
         エリザベッタ、召使を伴って入って来る。

  エリザベッタ「お父様!もうフランドル様がお戻りになられるの
          でしょう?まだですの?」
  アンドレア「(エリザベッタを認めて。)これエリザベッタ、はした
         ないぞ!」
  エリザベッタ「ごめんなさい。でも私、待ちきれなくて・・・。もう長
          いこと、お会いしていないんですもの。」
  アンドレア「まぁ、おまえの気持ちも分からなくはないが・・・」
  家臣「(声高く。)フランドル殿がお戻りになられました!」
  アンドレア「そうか・・・」

         アンドレア、一段高く設えられた椅子の上に
         腰を下ろす。横にはエリザベッタ、ジョルジョ、
         ホフレ。
         音楽と共に、フランドル、グリエルモ出て来る。
         フランドルたち、アンドレアの前に跪く。

  フランドル「陛下、只今戻りました!!」
  アンドレア「おお、待っておったぞ!怪我はもう良いのか?」
  フランドル「はい。島民の手厚い看護のお陰で、もうすっかり
        完治しました!陛下にも長い間ご心配をお掛けし、
        本当に申し訳ありませんでした!」
  アンドレア「それは何よりだ。」
  ジョルジョ「いつも勇猛なフランドル殿が、深手を負われると
        は・・・と、我々も驚いていたのですぞ。」
  フランドル「あれは完全な私のミスです。我々の味方陣の中
        に、真逆、敵のスパイが紛れ込んでいたとは、思い
        も寄らなかったものですから・・・。本当に迂闊でし
        た。」
  アンドレア「まぁ、よい。深手を負ったにせよ、またこうして元
        気になれたのだから。」
  フランドル「ありがとうございます。」
  アンドレア「エリザベッタは心から心配しておったのだぞ。」
  エリザベッタ「フランドル様のお帰りを、心よりお待ちしており
          ました。お怪我が完治されて本当によかった!
          (嬉しそうに。)」
  フランドル「(少しすまなさそうな面持ちになる。)皇女・・・」
  アンドレア「ところでフランドル。もうそろそろ式の準備を始め
        た方がよいのではないか?いつまでもこのまま・・・
        と言う訳にもいくまい。」
  フランドル「陛下・・・そのことで話しがあります。」
  アンドレア「何だ?何でも言うがよいぞ。」
  フランドル「本来ならば、こんなところで申し上げる話しではな
        いのですが・・・生憎、今まで留守にしていた間の仕
        事が山のように溜まっていて、次の機会を待ってい
        ると、いつになるか分かりません・・・」
  アンドレア「どうした?いつものおまえらしくないぞ。いつもなら
        鉄砲玉のように自分の意を申すのに・・・(笑う。)」
  フランドル「(アンドレアの目を見据え。)・・・皇女との婚約を、
        解消して頂きたい!!」
  アンドレア「・・・何・・・?」
  グリエルモ「何を言い出すんだ!?」
  エリザベッタ「フランドル様・・・」
  
  

         回りの者も一同に、驚きの声を上げる。

  アンドレア「何を馬鹿なことを言い出すのだ。(呆れて笑う。)」
  フランドル「私は本気です。陛下にはどうしてもお聞き入れ頂き
        ます。」
  アンドレア「(思わず立ち上がって。)どうしてなのだ!!何故
        また突然にそのようなことを申すのだ!!おまえに
        とってもいい話しの筈であろう!?」
  フランドル「(チラッとエリザベッタを見る。)皇女には本当に申し
        訳ないと思っています・・・。だが、この婚約は飽く迄
        政略であったこと・・・愛情なきものであると言うことが
        ・・・今の私にはその意味を持たないものになってし
        まったのです・・・。」
  アンドレア「当たり前のことが嫌になったと言うのか。・・・今の
        話しは聞かなかったことにしよう・・・。フランドル・・・
        皇帝命令だ!!エリザベッタと結婚するのだ!!」
  フランドル「(溜め息を吐いて。)・・・分かりました・・・どうしても
        駄目だと言われるのであれば・・・私はこの国を出る
        しかないようだ・・・。(立ち上がる。)」
  アンドレア「フランドル・・・」
  フランドル「皇帝配下を脱して、私は私の思う道を突き進むま
        で・・・。」

         エリザベッタ、駆け出ようとする。
         フランドル、慌てて呼び止める。

  フランドル「エリザベッタ!!」

         エリザベッタ、立ち止まる。

  フランドル「あなたには、すまないことをしたと思っています。だ
        が、私の一生涯でただ一度の我が儘を許して下さい
        !!」
  エリザベッタ「(背を向けたまま。)私に何を許せと仰るのでしょ
          う・・・。(涙声になる。)私はあなたのことを・・・父
          に言われたからではなく・・・心からお慕いしてい
          ました・・・!!」
  フランドル「皇女・・・」
  エリザベッタ「お元気で・・・」

         エリザベッタ、走り出る。後ろからエリザベッタ
         に付いて召使、走り出る。

  フランドル「(暫くエリザベッタの走り去った方を見ているが、ア
        ンドレアに向き直り。)それでは皇帝陛下・・・(出て行
        こうとする。)」
  アンドレア「(渋々。)フランドル・・・!!分かった・・・この婚約
        は、おまえの言うとおりなかったことにしよう・・・。但
        し・・・正式の婚約解消は、年が明け戦闘開始後・・・
        ヨーロッパ一強固な城塞を持つと言われるコンスタン
        チノープルを陥落させてからだ・・・。」
  フランドル「分かりました・・・必ず約束通りに・・・!!」
  グリエルモ「フランドル・・・」

         フランドル、グリエルモ、部下たち残して
         カーテン閉まる。

       
     
  
        
        

    


       ――――― “フランドル”5へつづく ―――――







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2012年11月21日水曜日

“J―未来の君へ―” 1幕オープニング動画






7周年記念公演、第2部“J―未来の君へ―”のオープニング
動画です(^_^)

よーく見て頂くと・・・頂かなくても・・・^^;ですね(^_^;)
開演間もないオープニング場面は、色々とドタバタしている
のが見て取れます(^_^;)

この“J”は、多分もう公演することはないと思っていますので、
1度限りの本番・・・1度限りのドタバタ・・・を、余すところなく
ご覧頂けたら・・・と考え、随時ビデオ公開していく予定ですので、
グー版“ワールド”での脚本公開と合わせ、少し大人な作品映像
もお楽しみ下さい(^-^)

順番は・・・場面が前後するかも知れませんが、お許し下さい
ませm(_ _)m







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2012年11月19日月曜日

“アリアの海” 動画3


先に“YouTube”で公開していました“アリアの海”動画の
続きになります(^_^)





   

            やっと今まで通り、グーグル版“ワールド”で、動画の投稿が
            出来るようになりました~o(^▽^)o

            今まで、散々色々と試行錯誤しながら、何とかして、このまま
         
            投稿が続けられないかと、ホント苦心していましたが、どうしても
            無理で、今回諦め、“YouTube”と言う、大きなものを介しての
            投稿に踏み切りましたが、矢張り中々慣れず・・・でも、
            お陰でそこに表示されていたインターネットの“バージョンアップ”
            なるものを試みたところ、なんと・・・こちらも回復し、こうやって
            再びこのページでの動画公開と言う形で、皆様にお会いすること
            が出来るようになりました(^_^;)

            とても嬉しいです♥

            色々と、投稿場所が変わり、今までご覧頂いてた方にはご迷惑を
            お掛けしましたが、一先ずまた、こちらでの動画公開とさせて
            頂きます(*^^)v

            引き続きヨロシクお願いいたしますm(_ _)m


   
                                          どら。



2012年11月13日火曜日

“フランドル” ―全17場― 3

          下手より、よろめくようにアグネス出る。
          上手より村人たち、談笑しながら出る。

  アグネス「あの男は必ず災いを起こす・・・あの男の背後に死神が
       見える・・・」
  ウーゴ「(笑いながら。)婆さん、まだそんなことを言ってるのかい
      ?」
  アグネス「わしには見えるんじゃ。あの男がこの島の人間を、死に
       追いやるのが・・・」
  ヴィンタ「ただの兵隊さんだぜ!そりゃ仕事柄、多少の血腥さは
       漂ってるかも知れないけど・・・。」
  アンジェラ「ちゃんと治療代だって置いていってくれたものね。」
  ボルソ「ありゃ大金だぜ!」
  アンジェラ「あんた中、見たの?」
  ボルソ「見なくても袋の大きさ見りゃ分かるさ!!」
  アグネス「必ずよくないことが起こるんじゃ・・・」

          村人たち口々にアグネスを馬鹿にしながら
          笑って出て行く。
          ジュリオ一人、村人について行きかけるが
          通り過ぎたアグネスを気にして振り返る。

  ジュリオ「よぉ、婆さん・・・」
  アグネス「(振り返って。)なんじゃ・・・」
  ジュリオ「あんた・・・惚けてないよな?」
  アグネス「馬鹿言うな!わしは惚けてなんぞおらんわ!!」
  ジュリオ「・・・この島の人間を死に追いやるって・・・一体誰のこと
       なんだ・・・?」
  アグネス「そこまでは、わしには分からん・・・。ただ、あの男の背
       中には、黒い羽根が見えるんじゃ・・・。あいつは死神の
       使いに違いねぇ・・・。きっと誰かを連れて行ってしまうん
       じゃ・・・。気をつけた方がええ・・・」
  ジュリオ「死神・・・」
  アグネス「(独り言のように。)恐ろしいことになりゃせんといいがな
       ・・・。皆わしの忠告を聞かん、愚か者じゃて・・・」

          アグネス出て行く。ジュリオ、呆然と
          その方を見詰める。
          下手よりヴィットリオ出る。

  ヴィットリオ「おい、ジュリオじゃないか。」
  ジュリオ「(振り返って。)ああ、ヴィットリオ・・・」
  ヴィットリオ「さっき、アリアナが岩山の方へ行くのを見かけたぜ。
         今日は一緒に行ってやらなかったのか?」
  ジュリオ「なんだって!?」
  ヴィットリオ「あんな危ないところ、女一人じゃ大変だぜ。」
  ジュリオ「馬鹿野郎、あいつ・・・。それでいつ行った!?」
  ヴィットリオ「ああ、ほんの少し前さ。籠持ってたから、薬草摘みに
         違いないぜ。」
  ジュリオ「ありがとう!!」

          ジュリオ、手を上げて走って行く。
          暗転。

        ――――― 第 8 場 ―――――

          カーテン開く。と、絵紗前。アリアナの家。
          フランドル、ベッドの上で体を起こして、
          本を読んでいる。その時、ノックしてアリアナ
          が入って来る。

  アリアナ「具合どうですか?」
  フランドル「(読んでいた本を膝の上に置いて、嬉しそうにマジマジ
        とアリアナを眺める。)どうしたんだい、その服。泥遊び
        でもしてきたか?」
  アリアナ「(恥ずかしそうに、慌てて服を払う。)ごめんなさい!こん
       なみっともない格好で・・・」
  フランドル「どこか行って来たのかい?」
  アリアナ「ええ・・・ちょっと山まで・・・」
  フランドル「山か・・・歩けるようになったら案内してくれるかい?」
  アリアナ「(困ったように。)駄目よ・・・切り立った岩ばかりで、とて
       も危ないもの・・・。怪我が完全に治っても、慣れた人で
       ないと無理です。」
  フランドル「(不思議そうに。)そんな危ない岩山に、何をしに行っ
        て来たんだい?」
  アリアナ「それは・・・」

          その時ビアンカ、盆にお椀を乗せ、持って
          入って来る。

  ビアンカ「アリアナ、薬草湯ができたよ。」
  アリアナ「ありがとう、母さん・・・。」

          ビアンカ、それをアリアナに渡して
          出て行く。

  フランドル「全く・・・体は言うことを利かないが、頭は元気なもので
        余計なことを色々考えてしまう・・・。(脇のテーブルの上
        の花を見て。)この花はおまえが・・・?」
  アリアナ「はい・・・庭に咲いていたから・・・」
  フランドル「いい香りだ・・・。俺は今まで花を愛でる余裕なんか、こ
        れっぽっちもなかったし、そうしようとも思わなかった・・・。
        だが、こんな状態になって、初めて本当の花を見た気が
        する・・・。ありがとう・・・。」
  アリアナ「いいえ・・・少しでも、兵隊さんの気持ちが落ち着けばいい
       と思って・・・」
  フランドル「(声を上げて笑う。)そうだな。俺は確かに苛々ばかりし
        て、怒鳴りまくっていたからな・・・。それから、フランドル
        でいい。ここにいる間は、兵隊なんかじゃない。ただの
        怪我人だから・・・。おまえの名前は・・・?」
  アリアナ「アリアナ・・・」
  フランドル「アリアナか・・・アドリア海に因んで付けられたのか?」
  アリアナ「(頷く。)昔・・・父は地中海を渡り歩く商人だったんです・・・
       その時にいつも見ていたアドリア海の美しさに魅せられて、
       私もそんな風に美しくなればいいと・・・。可笑しいでしょう。」
  フランドル「いや・・・父上の願い通りに、おまえは育ったと言う訳だ
        。」
  アリアナ「え・・・?」
  フランドル「それで父上は・・・?」
  アリアナ「・・・アドリア海を航海中に、海賊船に襲われて・・・」
  フランドル「・・・そうか・・・」
  アリアナ「でも、あんなに好きだったアドリア海で眠ることが出来て、
       父は喜んでると思います・・・。さぁ、お薬を飲んで下さい。」

          アリアナ、フランドルに椀を差し出す。

  フランドル「いやな臭いだ・・・」
  アリアナ「飲まないと駄目!前に占いのお婆さんに教えてもらった、
       とても怪我によく効く薬草なんです!岩山にしかない・・・
       あ・・・(しまったと言う風に。)」
  フランドル「この為に・・・行ったのか・・・」
  アリアナ「(首を振って。)ついでだったから・・・」

          フランドル、アリアナの手を掴んで、
          暫く手を見詰める。
          アリアナ、驚いて手を引っ込める。

  フランドル「おまえが傷だらけになって、取って来てくれた薬草だ。
        有り難く頂くとしよう・・・」

          フランドル、薬を飲む。

  アリアナ「じゃあ大人しく寝てて下さいね・・・(出て行こうとする。)」
  フランドル「(思わず。)アリアナ!」
  アリアナ「(振り返って。)はい・・・?」
  フランドル「もう少しここにいてくれないか・・・」
  アリアナ「え・・・?」
  フランドル「あ・・・もう少し・・・おまえと話しがしていたい・・・」
  アリアナ「でも・・・お体を休めないと・・・」
  フランドル「大丈夫・・・さぁ、こっちへ来てくれ・・・」

          アリアナ、フランドルの傍らへ来て、
          椅子に腰を下ろす。

  フランドル「君はずっと、この島にいるのか・・・?」
  アリアナ「はい・・・この島で生まれてから一度も出たことはありま
       せん・・・」
  フランドル「では医学は誰から?」
  アリアナ「母に・・・母は外で何年も勉強してきた人ですから。そこ
       で患者だった父と知り合って結婚したんです。後、お薬の
       ことは、さっきの薬草湯も教えてもらった村の占いのお婆
       さんに習いました・・・」
  フランドル「そうか・・・外に出たいと思ったことは?」
  アリアナ「(首を振る。)母さんが外の世界は、諍いの絶えない殺伐
       としたところだって・・・」
  フランドル「それは偏見と言うものだ。」
  アリアナ「でも・・・じゃあどうしてフランドルはこんな大怪我を・・・?
       あ・・・ごめんなさい・・・こんなこと聞くつもりじゃなかったの
       に・・・」
  フランドル「構わないさ。確かに争いが絶えないのは事実だ。現に
        俺も敵の銃弾に倒れたんだから・・・。だがそれは、素晴
        らしい世の中を作り上げていく為に仕方のないことなん
        だ。」
  アリアナ「・・・自分たちにとっての・・・でしょう・・・?相手のことは考
       えたりしたことのない人が、沢山いるのね・・・。」
  フランドル「アリアナ・・・」
  アリアナ「だって平和な毎日は、みんな誰もが願うことではないの?
       きっと・・・あなたにも、あなたがこんな大怪我をして、心配
       している人が沢山いると思うわ・・・」
  フランドル「残念だが、今のところ俺は結婚もしていないし、天涯孤
        独の身だ。俺のことを心配している奴がいるとすれば・・・
        俺に自分の夢を全て賭けてヨーロッパ制覇を狙っている
        、俺の仕えている皇帝くらいのもんさ・・・」
  アリアナ「フランドル・・・ごめんなさい・・・」
  フランドル「(アリアナの素直な態度に、驚きの入り混じった微笑み
        を返す。)おまえの夢はなんだ・・・?」
  アリアナ「私・・・夢なんてないです・・・」
  フランドル「そんなことはないだろ?たとえば立派な医者になりた
        いとか・・・」
  アリアナ「いいえ・・・あ・・・私、皆が幸せになることが夢です。(微
       笑む。)あなたも含めて・・・世の中の人が全て平和で穏や
       かに毎日を過ごすことができるような世界にすること・・・
       それが夢・・・女の私には無理ね・・・(嬉しそうに。)でも、
       あなたにはできるわ!」
  フランドル「(驚いたように。)アリアナ・・・俺は今まで一度もそんな
        風に考えたことがなかった・・・。なんだかおまえに、一番
        大切なことを教えられたような気がするよ・・・。ありがと
        う・・・」
  アリアナ「そんな・・・」
  
   








       ――――― “フランドル”4へつづく ―――――










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2012年11月7日水曜日

“フランドル” ―全17場― 2

   最悪です~(;_;
   書きかけていた前のこのページを削除してしまいました(-_-;)
   まだ、そんなに書いていた訳ではありませんが・・・
   書き直さなければならない・・・と思うと少し・・・(ーー;)
   少しの間、前後することになりますが・・・頑張って追い付き
   ますので、それまでお待ち下さいm(__)m


                               どら。


― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


         ――――― 第 5 場 ―――――

          カーテン開く。と、孤島の島。
          畑仕事の途中の村人たち。
          その時、ヴィンタ、駆け込んで来る。

  ヴィンタ「大変だー!!(慌てて。)でっかい船が港に入ったぞー!
       !」
  ジュリア「海賊船!?」
  ヴィンタ「分からない!!」

          村人たち集まって来て、口々に大騒ぎして
          いる。(手には鍬や鎌など。)
          村長、ジェロラモ出て来る。

  ジェロラモ「船が寄港したと?」
  ヴィンタ「あ、村長!!そうなんです、港にでっかいのが!!」
  ジェロラモ「皆の者、落ち着くのじゃ。」
  ウーゴ「一体誰が乗っているのかね、その船に。」
  ボルソ「どうせ俺らには関係のない族さ!」
  アンジェラ「じゃあなんでこの島に?」
  ボルソ「知らないさ、そんなこと。」
  
          その時、ジョバンニ、マルコが担ぐ担架に、
          フランドル横たわり登場。
          側にはグリエルモ、ロドリーゴ、数人の兵たち
          が続く。
          村人たち、その光景に驚きの声を上げる。

  グリエルモ「(慌てた様子で。)医者はいるか!?頼む!!怪我人
        がいるんだ!!手当てを!!」

          ロドリーゴ、横で頷いている。
          村人たち口々に“怪我人だって”など、
          騒いでいる。
          兵たち、一様に不安気な面持ちで。

  グリエルモ「島長は!?」
  ジェロラモ「(前へ進み出て。)わしじゃ。」
  グリエルモ「頼む!!かなりの深手を負っているんだ!!次の島
        までは持たない!!」
  ロドリーゴ「お願いです!!」
  ジェロラモ「この島には、重病人を診るような偉い先生はおらんの
        じゃが、それでもよければ・・・」

          ジェロラモの言葉を遮るようにして、どこからか
          占い師の老婆(アグネス)が、出て来る。

  アグネス「駄目じゃ!!駄目じゃ!!その男を村の中に入れては
       いかん!!災いが起こるぞ!!その男が死神を連れて
       来るのじゃ!!」
  ジェロラモ「アグネス・・・」
  アグネス「駄目じゃ!!余所者を入れてはいかん!!」
  ジェロラモ「ヴィットリオ!アグネスをどこかへ連れて行け。」
  ヴットリオ「(アグネスに近寄って、腕を掴む。)ほら!余計なことを
        口走ってると、島追い出されるぞ。」
  アグネス「その男は疫病神じゃ!!入れてはいかん!!誰かが
       死ぬぞ!!」

          ヴィットリオ、アグネスを引き摺るように
          連れて行く。

  ジェロラモ「すまんな、あの老婆はいつもああなんじゃ。余所者が
        立ち寄ると大騒ぎをする。」
  グリエルモ「それより傷の手当を!!」
  ジェロラモ「(思い出したように。)おお、そうじゃ。ビアンカ!おまえ
        の家で手当てを!」
  ビアンカ「はい。アリアナ!」

          どこからか素足のアリアナ、微風の如く
          駆け込んで来る。
          グリエルモたち、一瞬驚いてアリアナを
          見詰める。

  グリエルモ「この人たちは・・・?」
  ジェロラモ「この村で、唯一医者と呼べる親子じゃ。」
  グリエルモ「では・・・お願いします!!」
  アリアナ「こちらへ・・・」

          グリエルモたち、アリアナ、ビアンカ
          について、出て行く。

  ジェロラモ「(出て行くのを見計らって。)さぁ、みんな仕事に戻るの
        じゃ。」
  アントニオ「(呆然とアリアナたちが出て行った方を眺めている、
        ジュリオに近寄り、肩を叩く。)よお、どうしたジュリオ。」
  ジュリオ「(振り向いて。)アントニオ・・・」
  アントニオ「アリアナのことが心配か?(嬉しそうに。)」
  ジュリオ「(慌てて。)馬鹿言え!!」
  アントニオ「素直じゃないね。いい男があんな大勢来たんだ。日焼
        けした逞しい体躯の・・・。村の女たちの目つき見たか?
        」
  ジュリオ「おまえはどうなんだよ!ジュリアのことでも心配してろ!」
  アントニオ「なぁに、おまえの妹は俺に夢中だから大丈夫さ!おま
        えみたいに片思いじゃないからな。」
  ジュリオ「面白くない奴だぜ、全く!」
  アントニオ「(声を上げて笑う。)悪かったな。」
  ジュリオ「ジュリアも男を見る目がないぜ。」
  アントニオ「おいおい、そりゃないだろ。」
  ジュリア「(2人に近寄って。)兄さん、アントニオ、何の話し?」
  ジュリオ「ジュリア、おまえはまだまだ子どもで、男と付き合うのは
       早いって話しさ。」

          ジュリオ、ジュリアの肩を抱いて行こうとする。

  アントニオ「おい、待ってくれよ!(慌てて2人の後を追い駆ける。)」

          暗転。

      ――――― 第 6 場 ―――――

          絵紗前。
          ビアンカ、アリアナの家。
          手当てを終えたところのように、ビアンカ、
          ベッドの上のフランドルにシーツを掛けて
          立ち上がる。
          心配そうに、回りにはグリエルモたち。
          アリアナ、フランドルの傍らへ寄って来て、
          腕を持ち、脈を測る。

  グリエルモ「どうですか!?」
  ビアンカ「かなり傷は深いようですが、ここでできる手当ての最善
       は尽くしました。多分、もう大丈夫でしょう・・・。でも、暫く
       は絶対、安静にしていなければいけません。」
  グリエルモ「では、直ぐに発つと言うことは・・・」
  ビアンカ「無理です。彼を殺したいのなら別ですけど・・・」
  グリエルモ「殺し・・・!?」
  ビアンカ「アリアナ、側についていなさい。」
  アリアナ「はい・・・」

          ビアンカ、出て行く。
          グリエルモ、フランドルに近寄り、傍らの
          椅子に腰を下ろす。

  グリエルモ「(溜め息を吐いて。)よかった・・・おまえが死んでしま
        わなくて・・・」

          フランドル、気付く。

  グリエルモ「気が付いたか!?」
  兵たち口々に「隊長!!」
  アリアナ「お話しは少しだけにして下さい。」
  フランドル「・・・生きてるのか・・・」
  グリエルモ「当たり前だ!!全く、驚かしやがって!!」
  フランドル「畜生・・・なんだってこんな時に・・・!!」
  アリアナ「興奮させないで下さい。傷口が開いたら大変です。」
  グリエルモ「すまない。落ち着けフランドル・・・」
  フランドル「(アリアナを認めて。)・・・彼女は・・・?」
  グリエルモ「おまえの命の恩人の一人だ・・・。」
  フランドル「(興味を示さず。)・・・まさか味方の中にスパイがいた
        とは・・・。あの男は処刑したか・・・?」
  グリエルモ「ああ、あの場で直ぐに。兎に角、俺たちは一度戻って
        皇帝に会って来る。おまえはここで暫く大人しくしてろ。」
  フランドル「俺も戻る!!(体を起こそうとして、痛みに倒れる。)」
  グリエルモ「無茶だ!!死んでしまってもいいのか!!」
  フランドル「構わない!!」
  グリエルモ「馬鹿野郎!!おまえが死んだらどうなる!!折角ここ
        まで、おまえの夢に賭けて一緒にやってきた俺たちを、
        見捨てるのか!!」
  ジョバンニ「隊長!!暫くの静養をお願いします!!」
  グリエルモ「後のことは俺たちに任せとけ!!」
  フランドル「・・・畜生・・・!!分かったよ・・・グリエルモ・・・。頼んだ
        ぞ・・・兵たちが混乱しないように・・・。折角まとまってい
        るんだ・・・。(兵たちの方を見て。)お前たちも頼んだぞ
        ・・・。」
  グリエルモ「分かっている。勇将の下に弱卒なしと言うだろう。さぁ、
         眠った方がいい・・・。」
  フランドル「ああ・・・(目を閉じる。)」
  グリエルモ「(溜め息を吐いて。一時置いて、立ち上がる。アリアナ
         に近寄って。)じゃあ俺たちはこれで行くが、こいつの
         ことを頼む。一応、部下を2人置いて行くから、何でも
         言いつけてくれ。マルコ!ロドリーゴ!」
  マルコ、ロドリーゴ「はっ!」
  グリエルモ「頼んだぞ!」

          暗転。カーテン閉まる。






      ――――― “フランドル”3へつづく ―――――








        やっと追いつき追い越しました~"^_^"
    

                             どら。







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  (どら余談^^;)

  今まで、このグーグル版“ワールド”で、公演動画をご覧頂いて
  いましたが、パソコンの状態のせいか・・・私のパソコン無知の
  せいか・・・どうしても、以前のように投稿することが出来ず、
  今回、試行錯誤の末、ヤフー版“リトルパイン”のページで、
  ご紹介することに変更させて頂きました(^^;)

  またよければ、そちらのページの方も、他ページ同様、ご覧に
  なりにいらして下さいm(_ _)m

  脚本ページは今まで通りですので、引き続きヨロシクお願い
  致します(^-^)






       http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
           http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
        
          http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta