2013年2月20日水曜日

“ジュリー” ―全13場―


  “アル”の最後で次回作は”レナード”と表記していましたが、
  随分前に、同じ”レナード”と言う名前の主人公の作品を
  掲載していたのに気付きました(^_^;)
  作品は違うのですが、ややこしいので今回は主人公の
  名前ではなく、ヒロインの“ジュリー”さんの名前をタイトル
  にして、ご覧頂きたいと思います(^_^)v

  ・・・にしても・・・内容が一般男性と、プリンセス的な女性の
  身分違いの恋が題材となっているのですが、前回の
  レナードさんも同じような境遇だったのを見ると・・・
  レナード=身分違い・・・と言った図式が、以前の私の中に
  あったのかも知れません・・・(^_^;)




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   〈 主な登場人物 〉

   レナード   ・・・   ダンスインストラクター。本編の主人公。

   ジュリー   ・・・   現大統領孫娘。

   ジャック   ・・・   探偵。

   マシュー   ・・・   カフェバーのマスター。

   グレイヴィル大統領   ・・・   ジュリーの祖父。

   マイケル   ・・・   レナードの友人。

   リチャード   ・・・   演出家。

   

   その他



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   ノートに走り書きしていたので載せてみました(^_^)  

        


      ――――― 第 1 場 ―――――

         楽し気な音楽流れ、幕が上がる。
         舞台はダンス教室。
         生徒達が歌い踊る。
         (中央にレナード、一際目立つ。)
         決めのポーズの後、皆其々に散らばり、
         踊りの練習を始める。
         中央にレナードと数人の生徒。
         レナードが手本を踊ると、生徒達それに
         続く。

  レナード「おいおい!そこはそうじゃない!!(踊って見せる。)
       ワン、トゥ、スリー、フォー、ファイブ!だ!ちゃんと覚え
       ろよ!」
  アルバート「(首に巻いていたタオルで、汗を拭きながら。)難し
         いなぁ・・・俺、頭がパニックになりそうだ。」
  ドロシー「本当・・・」
  レナード「こんなくらいで根を上げてちゃ話しにならないぜ。来
       週の舞台のオーディション、受けるんだろ?ただのエ
       キストラだが、目立つ場所での踊りを貰えるんだ!そ
       れなりの踊りを踊らないと、手に出来ないぜ。ほら、も
       う一回最初からだ!」

         レナード、生徒達踊る。
         その時、2階の入口からジュリー入って
         来る。
         下を見下ろして、物珍しそうにゆっくり
         階段を下りて来る。(階段途中に腰を
         下ろし、皆の様子を見詰める。)
         レナード、手拍子しながら生徒達の間
         を回る。

  レナード「ダニー!!また間違えたぞ!!やめだやめだ!!
       一旦休憩だ!!」

         生徒達、其々息を切らせ、汗を拭きながら
         端へ寄る。
         レナード、首に巻いていたタオルで汗を
         拭く。その時、階段に腰掛けているジュリー
         に気付き、近寄る。

  レナード「(嬉しそうに。)やぁ、入会希望者かい?」
  ジュリー「(驚いて立ち上がる。)あ・・・いいえ・・・ここで見てい
       たら、お邪魔ですか・・・?」
  レナード「いや、構わないさ。だが、ただの見学者と言うのも珍
       しいな。君、踊りは?」
  ジュリー「(微笑んで。)全然・・・今までワルツ以外、ダンスなん
       て踊ったことありません。だから、皆さんの踊りを見て、
       なんて上手く踊られるのかしらって・・・。特にあなたの
       踊り・・・すごく素敵・・・」
  レナード「(声を上げて笑う。)一応こう見えて、俺はここのイン
       ストラクターなんだ。他の連中より上手くなきゃ、話し
       にならないだろ。・・・踊ってみるかい?」
  ジュリー「え・・・?でも私・・・踊りなんて・・・」
  レナード「おいで。(ジュリーの手を取って舞台中央へ歩いて
       行く。)」
  ジュリー「本当に私・・・」

         レナード、熱心にジュリーに踊りを教える。
         ジュリー、夢中でレナードの指導に従う。
         回りでは生徒達、それに気付き楽しそうに
         見ている。
         暫く教えたところでレナード、片手を上げて
         合図をする。と、音楽流れる。
         それに乗って2人、ダンスを踊る。
         踊り終わると生徒達「ブラボー!!」の声
         と共に拍手喝采。
         ジュリー、嬉しそうに回りを見回す。
         レナード、そんなジュリーの様子を嬉しそう
         に見る。
         生徒達、再び練習をし始める。

  ジュリー「(息を切らせ、興奮したように。)踊ることって楽しいの
       ね!!私、今までダンスがこんなに楽しいなんて全然
       知らなかったわ!!」
  レナード「初めて踊った割には、中々上手いじゃないか。」
  ジュリー「本当?」
  レナード「ああ。練習次第でもっと上手く踊れるようになるよ。」
  ジュリー「(嬉しそうに。)私もあなたみたいに踊れるようになる
       ?」
  レナード「ああ・・・」
  ジュリー「本当にそうなったら素敵ね・・・」
  レナード「教えてやるから、通って来いよ。」
  ジュリー「(一瞬悲し気な表情になる。話しを逸らすように。)・・・
       踊りを教えてくれてありがとう・・・(駆けて行こうとする。
       )」
  レナード「(慌てて。)あ・・・おい!!おまえ!!」
  ジュリー「(立ち止まり振り返る。)」」
  レナード「(ジュリーに近寄りながら。)あの・・・えっと・・・」
  ジュリー「・・・ジュリー・・・」
  
  レナード「ジュリー!急ぐのかい?俺の行きつけのカフェで、
       いいとこがあるんだ。よかったら一緒にお茶でもどう
       ?」
  ジュリー「(疑り深そうに、レナードを見る。)」
  レナード「(横に置いてあるテーブルの上から、上着を取って
       羽織りながら。笑う。)大丈夫、下心なんてないよ。」
  ジュリー「(思わず笑みを浮かべて。)ごめんなさい。本当言う
       と、朝から何も食べてなくて、お腹ペコペコ・・・」
  レナード「(嬉しそうに。)良かった!(生徒達に向いて。)後
       は自主稽古だ!」

         生徒達、口々に驚きの声を上げる。
         (レナード、ジュリー階段を上る。)

  ジュリー「(生徒達の方を気にしながら。)いいの?」
  レナード「ああ!」

         レナード、ジュリー出て行く。
         カーテン閉まる。

      ――――― 第 2 場 ―――――

         カーテン前。
         グレイヴィル大統領、秘書(レイチェル)
         雇われ探偵(ジャック)、その部下(ボビー)
         召使(ヘレン)出る。

  グレイヴィル「(憤慨した様子で。)一体、いつ分かったのだ!!
          あれがいなくなったことに!!」
  ヘレン「(オロオロしたように。)あの・・・今朝お起こしに行った
      時には、確かにまだお部屋の方に・・・その後、朝食は
      お部屋に持って来て欲しいと仰ったので、食堂へ取りに
      行って戻るともう・・・」
  ジャック「(淡々とした口調で。)朝、起こしに行った時、何か変
       わった様子は?」
  ヘレン「(首を振る。)・・・特に・・・」
  
         ボビー、メモを取る。

  グレイヴィル「何か気付かなかったのか?」
  ヘレン「・・・すみません・・・」
  ジャック「部屋からなくなったものは?」
  ヘレン「はい・・・いつもお嬢様がお出掛けになる時に、持って
      行かれる鞄以外何も・・・」
  グレイヴィル「ゆ・・・誘拐だ!!誘拐されたに違いない!!」
  レイチェル「落ち着いて下さい、先生!!また血圧が・・・」
  ジャック「それはないでしょう・・・」
  グレイヴィル「では君は、あれが自分で出て行ったとでも言う
          のかね!?」
  ジャック「(頷く。)それも今朝思い立って出て行ったのではな
       い・・・。彼女は以前より、この時を待って出て行った
       のではないでしょうか・・・。・・・何か・・・彼女が家出
       したくなるような理由は・・・?」
  グレイヴィル「(一瞬、顔色が変わる。)そ・・・そんなことは何
          もない!!」
  ジャック「そうですか・・・我々は彼女を見付け出し、連れ帰る
       ことに全力を尽くします。その為には何でも我々に
       言って頂かなくてはなりません。」

         グレイヴィル、考えているように。

  レイチェル「(ジャックに写真を1枚差し出す。)これがお嬢様の
         お写真です。」
  ジャック「(写真にチラッと目を遣り、背広の内ポケットに仕舞う
       。)それでは我々はこれで・・・おい、ボビー!」
  ボビー「はい!(ポケットにメモを仕舞う。)」
  グレイヴィル「(慌てて。)待ってくれ・・・!」
  ジャック「(振り返り。)何か?」
  グレイヴィル「・・・実は・・・」

         ボビー、再びメモを出し、筆記する。

  グレイヴィル「あれは・・・私が決めた結婚が気に入らないのだ
          ・・・」
  ジャック「結婚とは?」
  グレイヴィル「ある貿易会社の御曹司と縁談があって・・・孫は
          最初、断ってくれと申したのだが、良い話しであっ
          たので私が勝手に進めておったのだ・・・。初めこ
          そああは言っていたが、式が近付くにつれて段々
          その気になってきていると思っていたのだが・・・
          まさか、こんな間近になって・・・」
  ジャック「式の日取りは?」
  グレイヴィル「・・・来週の日曜日に・・・」
  ジャック「それが理由だと思われるのですね。」
  グレイヴィル「(溜め息を吐いて。)そうだ・・・。頼む・・・孫を一
          刻も早く、捜し出してくれ・・・。それとくれぐれも
          内密に・・・」
  ジャック「勿論・・・」
  グレイヴィル「必ず・・・ジュリーを見つけ出してくれ・・・!!」

         暗転。

      ――――― 第 3 場 ―――――

         カーテン開く。と、カフェバー。
         歌手サラ、客席の間を回りながら歌っている。
         途中、レナード、ジュリー入って来る。
         (客達、親し気にレナードに声を掛ける。
         ジュリー、珍しそうに回りを見回す。)
         レナード、ジュリーをエスコートしながら
         カウンターの方へ。
         歌声小さくなる。

  マシュー(マスター)「(用事していた手を止める。)やぁレナード、
              早いじゃないか。」
  レナード「まぁね。今日はどう?」
  マシュー「ぼちぼちってとこかな。まだ夜はこれからだぜ。それ
       より今日は何食べるんだ?」
  レナード「いや、今日はもう食って来た。」
  マシュー「おいおい、珍しいじゃないか。おまえが余所の店で
       食事を済ませて来るなんて。何、ご馳走食って来たん
       だ?」
  レナード「ホットドッグさ。」
  マシュー「ホットドック!?(笑う。)余程、急いでたのか?・・・
       ん?(レナードの後ろにいるジュリーに気付く。)連れ
       ・・・?」
  レナード「ああ。ジュリー!紹介するよ、ここのマスターだ。」
  マシュー「やぁ、いらっしゃい。」
  ジュリー「初めまして。(微笑む。)」

         ジュリー、回りをキョロキョロ見ている。

  マシュー「可愛い娘じゃないか。彼女にもホットドックを?」
  レナード「彼女のリクエストだからね。」
  マシュー「本当に?」
  

         サラの歌、再び大きくなる。
         2人、いくつか置いてあるテーブルの
         方へ歩いて行く。
         レナード、ジュリーに椅子をすすめ、
         自分も腰を下ろす。
         ジュリー、相変わらず落ち着き無く。
         レナード、手を上げるとボーイ(ラリー)
         近付く。レナード、何かを注文している
         ように。
         サラ、歌い終わると客達拍手。
         静かな音楽流れる。

  ジュリー「今日は本当にご馳走様でした。美味しかったわ、さっ
       きの変わった名前の食べ物・・・」
  レナード「ホットドック?」
  ジュリー「そう!そのホットドック!」
  レナード「あんな物でよかったら、いつでもご馳走してやるよ。
       でも変わってるな・・・普通、食事に行こうって誘ったら、
       フランス料理や日本料理をリクエストする女達ばかり
       なのに、おまえときたら、道端に停まってるワゴンカー
       のホットドックがいいなんて・・・。本当にあんな物でよ
       かったのかい?ここの料理も結構いけるんだぜ。」
  ジュリー「ええ!私、ホットドックって今まで一度も食べたことが
       なかったの!それにあんな風に、歩きながら食べるな
       んて・・・(楽しそうに笑う。)面白いのね!」

         レナード、微笑ましくジュリーを見詰める。
         ラリー、飲み物を2つ運んで来る。

  ラリー「(テーブルにグラスを置きながら。)レナードさん!新し
      い彼女?」
  レナード「馬鹿野郎。」
  ラリー「(ジュリーに向かって。)彼女!ごゆっくり!(下がる。)」
  ジュリー「(微笑んで。)本当によく来るのね。皆あなたのこと知
       ってる。」
  レナード「近いし、稽古の後よく教室の奴らと来るんだ。皆、仕
       事柄、金のない奴ばかりだし、ここのマスターは良心
       的で、そんな奴らに安くで美味いもん、食わしてくれる
       んだ。」
  ジュリー「そう・・・じゃあ今日は無理にホットドックに付き合って
       もらってごめんなさい・・・。」
  レナード「いや、構わないさ。久しぶりで美味かったよ。(グラス
       を持って。)じゃあ、新しい出会いに乾杯!」












       ――――― “ジュリー”2へつづく ―――――









2013年2月17日日曜日

“アリアの海” ―全6場― 完結編

 



   
   グーグル版に、このアリアちゃんのラスト部分を掲載して
  いなかった・・・ですね・・・(>_<)
  遅ればせながら引っ張って参りました・・・(^_^;)




― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



     



  アリア「えっと・・・どこかしら・・・。違う・・・これじゃない・・・えっと
      ・・・これも違う・・・あ・・・あった・・・あったわ!!これよ!!
      魔法の貝の笛!!待ちなさい!!悪いことばかりしてる
      島の主とやら!!この私が・・・」
  ゴーザ「何!?(振り返り、アリアを認める。)おまえはアリア・・・
      。どうしてこんなところに・・・!?」
  アリア「ゴーザ・・・おじさん・・・?昔、悪いことをして、お父様に
      海の国を追放されたゴーザおじさんが、この島の主なの
      ・・・?」
  ゴーザ「おまえ・・・」
  アリア「こんなところで懲りずに、また悪いことをしてたのね!!
      」
  ゴーザ「畜生!!みんなまとめて食料にしてやる!!」
  アリア「駄目よ!!これを見て!!(貝の笛を差し出す。)」
  ゴーザ「あ・・・それは魔法の貝の笛・・・」
  アリア「そうよ!!魔法が使える笛よ!!おじさんは取り上げ
      られてしまわれたけど、私たち海の国の者は、みんな持
      ってるわ!!私はお父様のように情けをかけたりしない
      !!貝の笛よ・・・私に力を貸して!!」
  ゴーザ「何!?」
  アリア「悪いことを繰り返し、人々を苦しめるこのゴーザを・・・」
  ゴーザ「や・・・やめろ!!やめてくれ!!」
  アリア「小さな小さな・・・カニに変えてーっ!!(笛を吹く。)」
  ゴーザ「えーっ!?(途中で変な声に変わる。)」    ※
  


     



         (曲終わり。)
         その時、“ボン”の音と共に煙が上がり、
         恐ろしい姿だったゴーザ、小さなカニに
         変わる。       

  ゴーザ(カニ)「おい、おまえら!!俺様をこんな姿にするなんて
          !!なんてことしやがるんだ!!戻せ・・・!!戻し
          やがれー!!俺様を元の格好良い姿に戻せーっ
          !!なんて奴らなんだ!!全く!!」
  アリア「(笑う。)」
  ルディ「(笑う。)踏み潰されたくなきゃ、さっさとどこかへ行って
      しまうんだな!!」
  アリア「ゴーザおじさん!その姿とっても可愛いわよ!(笑う。)」
  ゴーザ「畜生!!なんて小娘なんだ!!このゴーザ様を!!
      ・・・(何かに気付いたように。)あ・・・そうだ・・・こんな小さ
      い体になったと言うことは・・・この洞穴の奥の海の入り口
      ・・・鉄格子の門の間を摺り抜けることが出来るぞ!!わ
      ーい!!海に帰れるんだ!!やったーっ!!」

         ゴーザ、上手後方へ走り去る。

  アリア「ゴーザおじさん!!もう悪いことしないでね!!」
  ゴーザ「わーい!!わーい!!」
  ルディ「したくたって、あの体じゃできないよ。」
  アリア「そうね。」

         アリア、ルディ、顔を見合わせ笑い合う。

  ラナ「ルディ!!(駆け寄る。)」
  ルディ「姉さん!!」
  ラナ「前に貢ぎ物を届けに来た人達も、太らせてから食べるつも
     りだったみたいで、みんな無事よ。」
  ルディ「そうなんだ!」
  ラナ「(アリアの方を向いて。)ありがとう・・・。」
  アリア「よかったわね・・・」
  ルディ「うん!!」
  アリア「これでこの島も平和になって、私も海の国へ・・・(その場
      に突然倒れる。)」

         (音楽流れる。)
  
  ルディ「・・・アリア!!・・・どうしたの・・・?アリア・・・アリア!!
      そうか!!水がなくなったんだ!!僕の水筒の水を・・・
      (水筒の飲み口をアリアの口元へ。)さぁ、アリア!!飲ん
      で早く・・・!!アリア・・・アリア!!口を開けて!!お願
      いだアリア!!どうして飲んでくれないの!?まさか・・・
      間に合わなかったんじゃ・・・アリア・・・(泣く。)嘘だ・・・間
      に合わなかったんだ・・・。僕は自分で君に何かあった時
      の為に、一緒に行くと言っておきながら・・・。姉さん・・・僕
      ・・・アリアを守れなかった・・・。」
  ラナ「ルディ・・・」

         ルディ、歌う。

         “ごめんね          コーラス“ごめんね
         僕が                   僕 約束
         君を守れなかった”          守れなかった
                               ごめんね”

         その時、アリアの名を呼ぶ声が聞こえる。

  ウオレットの声「姫様ーっ!!姫様ーっ!!」
  王の声「アリア!!アリアーっ!!」

         上手後方より、海の国の王様と
         ウオレット、慌てた様子で登場。

  

    
                    ※2
   


  王「おお、アリア!!(アリアを認め、駆け寄り抱き上げる。)無
    事だったか・・・!!アリア・・・?アリア!?」
  ウオレット「姫様!?」
  ルディ「僕のせいだ・・・」
  ウオレット「姫様ーっ!!(大泣きする。)」
  王「アリア・・・まさか・・・こんなことが・・・(涙を堪えるように。)」

         王、歌う。

         “心配ばかり
         かけて仕方ない娘”

         ルディ、歌う。

         “ごめんね
         僕が
         君の側についていた”     コーラス“なのに”

         その時アリア、息を吹き返したように
         目覚める。

  王「アリア・・・?」
  ウオレット「姫様!!」
  アリア「お父様・・・それにウオレットも・・・どうしてここに・・・?」


  
    



  王「アリア!!よかった!!(アリアを抱きしめる。)」
  ウオレット「姫様・・・」
  ルディ「アリア!!死んだんじゃないんだね!!」
  王「キューイからおまえが貝の笛をなくしたと聞いて、しばらくの
    間、様子を見ていたのだが、おまえが陸へ上がると言うので
    慌てて後を追って来たのだ。それにしてもアリア!!全くお
    まえは私の言うことを聞かず、好き放題しているから、こんな
    危険な目に遭うのだ!!」
  アリア「・・・ごめんなさい・・・」
  王「もう少しで水がなくなり、命が危なかったのだぞ!!それに
    してもゴーザが・・・!!ん・・・?この洞穴の中に閉じ込めて
    いた筈のゴーザは一体・・・」
  アリア「(申し訳なさそうに、肩をすくめる。)・・・カニに変えちゃっ
      た・・・。」
  王「何!?カニに変えただと!?」
  ウオレット「王様!さっき、海の国の門の前ですれ違ったカニ・・・
        あれがもしや・・・」
  アリア「ごめんなさい・・・勝手なことして・・・」
  王「(溜め息を吐いて。)やれやれ・・・、最近のゴーザの行いは、
    目に余るものがあったからな・・・。今度こそゴーザも心の底
    から反省するであろう・・・。」
  ウオレット「でもなぜ姫様は水がない状態で・・・」
  王「全く不思議なことだが・・・」
  アリア「(何かに気付いて自分の頬に触れる。)濡れてる・・・」
  王「濡れていると・・・?」
  ルディ「あ・・・僕の涙だ・・・」
  アリア「涙・・・?」
  王「そうか・・・そう言うことだったのか。」
  アリア「どうしたの?お父様・・・」
  王「我々、海の国の者にとって、人間の一滴の涙は、バケツ一
    杯の水にも等しい水分を含んでいる、秘薬になるのだよ。」
  ウオレット「それで姫様は助かられたのですな。」
  王「うむ・・・。礼を言うぞ、そこの少年。ゴーザのせいでお互い
    が敵対するものへと変わっていった、我々海の国の者と人
    間だったが・・・おまえの為に涙してくれる、よい人間と知り合
    うことができたな、アリア・・・。」

         アリア、歌う。

         “ありがとう
         みんな
         私を助けてくれて”

  王「アリア、ルディ、お互いが助け合ったことで、再びみんなが
    幸せに暮らせる世の中が戻ってくるであろう・・・。」
  アリア「お父様・・・」

    ――――― 第 6 場 ―――――

         音楽変わり、背景海辺に変わる。
       
  アリア「ありがとう、ルディ!!」
  ルディ「ううん・・・僕こそ、ありがとう!!」

         アリア、歌う。

         “あなたと出会えたの
         一人で不安な
         こんな広い砂浜で
         見つけてくれた私のこと”

         ルディ、歌う。

         “君と出会えたのは
         偶然じゃないさ
         輝く笛 僕を見てた
         見つけてくれないかと”

         アリア、歌う。

         “本当?”

         王、歌う。

         “いつまでたっても
         悪戯して
         手を焼く娘だ
         成長してくれないかと
         目をかけてきたが
         ほんの少し願い叶った”    ウオレット“悪戯
                                   姫様”

         ルディ、歌う。

         “見つけたのは君の思い
         僕に届いたから”

  ルディ「君の思いが僕たちをつないだんだ・・・。」
  アリア「ルディ・・・」

         アリア、歌う。

         “あなたが見つけてくれた
         だからつながった
         偶然のようで
         あなたが私を
         呼んでくれたのよ”

         みんな、手をつなぎ歌う。

         “みんなが幸せになる
         ことができるなら
         手をつなぎ
         前を向いて歩こうよ
         生きる仲間だよ”

      ルディ“ありがとう”

      アリア“さよなら”

      ルディ“出会えて”

      アリア“よかった”

         嬉しそうに見つめ合う2人。



   








           ――――― 幕 ―――――












   ※ この“変な声”、意外と子どもたちにウケていました^^;


   ※2、右端のウオレットさん、笑顔に見えますね・・・(>_<)
      悲しい場面でも笑顔・・・お人形故、仕方ないのです(;_;)
 


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 





2013年2月12日火曜日

“アル・ロー” ―全16場― 完結編



      その時、扉をノックする音。
      リリ、立ち上がる。

  リリ「・・・はい・・・」

      アル、入って来る。

  アル「リリ・・・」
  リリ「アル・・・(慌てて涙を拭うように。)」
  アル「ミシェルの奴に・・・何か聞いたのかい?」
  リリ「(微笑む。)もう・・・帰ってしまうんですってね!」
  アル「長いこと留守にしてたから・・・仕事が立て込んでてね。」
  リリ「私、今まで・・・考えれば当たり前のことなのに・・・アルに
    も自分の生活があるなんて・・・思ってもみなかった・・・馬鹿
    よね・・・いつまでも一緒にいれる筈ないのに・・・私・・・」
  アル「リリ、違うんだ!」
  リリ「・・・え・・・?」
  アル「一緒について来て欲しい・・・」
  リリ「アル・・・」
  アル「俺と一緒に行こう・・・」
  リリ「(嬉しそうに微笑む。が、直ぐに悲しそうな眼差しになり、
    ゆっくり首を振る。)」
  アル「どうして!?」
  リリ「・・・私とあなたは・・・住む世界が違い過ぎるわ・・・。私を
    連れて帰っても・・・あなたが困るだけ・・・」
  アル「そんなことある訳ないだろ!!俺は君を愛しているんだ
     !!ずっと一緒にいたい・・・!!」
  リリ「・・・もう・・・決めたの・・・ロバンさん達と行くって・・・」
  アル「リリ!!(腕を掴む。)」
  リリ「離して・・・(涙声で。)・・・あなたとは行けない・・・」

         リリ、走り去る。
         
  アル「・・・どうして・・・リリ・・・」

         フェード・アウト。

      ――――― 第 15 場 ―――――

         カーテン前。マハル出る。
         続いてリリ出る。

  マハル「あんた、本当にアルについて行かないの?」
  リリ「(頷く。)」
  マハル「彼について行かないでどうするの!?あんた、一生
      こんな芝居一座で過ごすつもり?」
  リリ「・・・私・・・」
  マハル「アルは真剣に、あんたのことを愛してるのよ!!あん
      ただって分かってんでしょ!?」
  リリ「・・・私なんかが一緒に行ったら・・・迷惑なだけですから
    ・・・」
  マハル「あんた、どうして自分にもっと自信を持たないの?アル
      は初めてあんたを認めてくれた人だって言ってたじゃな
      い!!」
  リリ「・・・マハル・・・」
  マハル「第一、この一座のスターは2人もいらないのよ!!こ
       の一座のスターは私!!あんたがいつまでもいたら
       迷惑なのよ!!愚図愚図言っててないで、さっさとアル
       と行っちゃいなよ!!・・・悔しいけど・・・アルにもあん
       たにも・・・お互いが必要なのよ・・・。あんたが行かない
       んなら、私が行っちゃうよ!!」
  リリ「(思わずマハルに抱き付き、涙声で。)マハル!!ありがと
    う・・・ありがとう・・・」
  マハル「分かったら、さっさと行きなよ!!後は私が上手く皆に
      話しとくからさ・・・。ティボーもちゃんと連れてくんだよ。」
  リリ「(頷く。)・・・あなたのことは一生忘れない・・・」

         リリ、走り去る。

  マハル「幸せにならなかったら許さないからねー!!(叫ぶ。)
       」

         マハルの叫び声で、フェード・アウト。

      ――――― 第 16 場 ―――――

         カーテン開く。と、ステーションの雑踏の中、
         汽笛の音が響く。
         人混みの中からダンドラ、ミシェル現れる。
         アル、ゆっくり2人に続く。

  ダンドラ「元気だせよ!彼女が行かないと言ったんだろ?仕方
       ないじゃないか。戻ったら女なんか選り取りみどりだ。」
  アル「軽々しく言うな!!彼女程の素晴らしい女性がそう簡単
     に見つかるものか!!」
  ダンドラ「(呆れたように。)相変わらず短気だな。」
  アル「俺は諦めるものか!!いつか必ずもう一度彼女を捜し出
     してみせる!!」
  ダンドラ「それにしても全く驚いたな。朝になってみると、もう出
       発した後だったなんて。リリをおまえに拐われそうで、
       焦ったんじゃないか、あの親方。(笑う。)」
  アル「畜生!!売れっ子になった途端、手の平返しやがって
     、あの野郎!!」
  ダンドラ「やれやれ・・・ミシェル、チケットを買いに行こう。こい
       つは手に負えないぜ・・・」

         ダンドラ、ミシェル出て行く。
         アル、トランクケースに腰を下ろし、
         物思いに耽る。 
         その時、雑踏に紛れて微かにアルの名
         を呼ぶ声が聞こえる。
         アル、驚いて立ち上がり、辺りを見回す。

  アル「リリ・・・?そんな訳ないか・・・」

         雑踏の中から現れたリリ、アルから
         少し離れて立つ。

  リリ「(嬉しそうに。)アル!!」
  アル「(驚いて。)リリ!?どうして・・・」
  リリ「私も・・・一緒に行っていい・・・?(微笑む。)」

         アル、リリの後ろに立つティボーに気付く。
         ティボー、嬉しそうに頷く。

  アル「(リリに駆け寄り抱き締める。)勿論さ!!」

        
         (音楽流れる。)
         ダンドラ、ミシェル入って来る。
         アルとリリに気付き、2人嬉しそうに
         顔を見合わせる。
         アル、ダンドラに気付き2人、頷き合う。
         ダンドラ、ミシェル、ティボー去る。
         アル、リリの手を取り歌う。

         “いつからだろう・・・
         この手を離したくないと
         心から感じたのは・・・
         今まで一度も触れたことのない
         胸に染み渡るこの温かさに・・・
         いつも側にいて欲しい・・・
         そう感じたのは・・・
         もう離さない決して・・・
         やっと掴んだこの温もりは
         永遠の先へと続いて行く
         終わりのない幸せだから・・・”
         
   

  アル「愛しているよ・・・」
  リリ「(嬉しそうに微笑む。)」

         嬉しそうに手を取り合い、微笑み
         彼方を見遣る2人。








         ――――― 幕 ―――――

  








     それでは次回掲載作品の紹介をしておきたいと思い
    ます(^-^)
    次回は、私作品の中では古い部類の作品ですが、
    私が好きでよく使用していた題材・・・多分・・・(^_^;)
    の、作品をご覧頂こうと思っています♪

    それでは次回”レナード”・・・と言う名前の作品・・・
    以前ありましたっけ・・・?お楽しみに♥













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2013年2月1日金曜日

“アル・ロー” ―全16場― 6



  ダンドラ「まぁ、そう驚くな。どうでもいいじゃないか、そんなこと
       。この一座の中にいるのか?写真はどうした?」
  アル「(溜め息を吐いて。)そこまで知られてちゃ、仕方ないな。
     ガキの頃・・・俺達に写真を教えてくれた人を、覚えている
     か?」
  ダンドラ「ああ・・・あの人がいなけりゃ、今の俺達はいなかった
       ・・・」
  アル「おまえも知ってる通り、カメラを捨てて踊り子と一緒になっ
     た人だ・・・」
  ダンドラ「写真を教えてもらってた時は、あの人が有名なカメラ
       マンだなんて思いもしなかったけどな。あの時の騒ぎ
       は今でも覚えている。(不思議そうに。)それと何の関
       係があるのさ・・・」
  アル「その人の娘だ・・・」
  ダンドラ「え?」
  アル「あの人と一緒になった踊り子との間の・・・」
  ダンドラ「本当に・・・?」
  アル「・・・俺が・・・心奪われたのは・・・」
  ダンドラ「アル・・・」
  アル「初めは林の中で楽しそうに踊っている彼女に偶然出会
     ったんだ。そして・・・ただ訳もなく惹かれた・・・その踊りの
     素晴らしさに心を奪われたんだ。後でヨーロッパ中を騒が
     せた名踊り子の娘だと分かって・・・“成程”と納得したよ
     ・・・。それで父親が誰なのかが分かった・・・。この偶然に
     俺は感動してしまったんだ。もう俺は彼女を手放したくな
     い・・・そう思ったよ・・・」
  ダンドラ「(困惑したように。)おまえ・・・愛しているのか・・・?」
  アル「・・・ああ・・・」
  ダンドラ「写真はどうするんだ!!おまえまで、あの人のように
       カメラを捨てるのか!?」
  アル「捨ててもいい・・・と思ったのは事実だ・・・」
  ダンドラ「(心配そうに。)アル・・・俺は反対だ!!おまえが写真
       を捨てるなんて・・・俺には我慢できない!!」
  アル「落ち着けよ!!思ったと言っただけだ。やめるとは言って
     ないぜ。あの人とは違う・・・。俺は彼女を撮り続けたいん
     だ。」
  ダンドラ「(安心したように溜め息を吐く。)なんだ・・・安心したよ
       ・・・。それで・・・?いつまでここにいるつもりだ?撮り続
       けると言ったところで、おまえの生活の場はここではな
       い筈だ。彼女も一緒に連れて行けるのか?」
  アル「え・・・?」
  ダンドラ「おまえ・・・今日が何月何日か分かっているか?個展
       の開催日まで後、どれだけあると思ってるんだ。」
  アル「あ・・・」
  ダンドラ「おまえが決めた展覧会だろ?」
  アル「俺が決めた訳じゃ・・・あの糞親父が・・・」
  ダンドラ「だけど、それにおまえも乗ったんだろ?なら、ちゃんと
       責任は果たせ。それに市長から園遊会の誘いがある
       んだ。」
  アル「(溜め息を吐いて。)・・・そうか・・・いつだ?」
  ダンドラ「今月の終わりさ。」
  アル「おまえも・・・?」
  ダンドラ「ああ・・・声は掛かっているが・・・俺はそんなものに興
       味はないんだ。だが、おまえはそう言う訳にいかないだ
       ろ?」
  アル「糞う・・・誰の差金か一目瞭然だ。」
  ダンドラ「まぁ、そう言うな。有名人故・・・ってことだ。(アルの肩
       に手を掛ける。)兎に角、オフィスに連絡くらい入れて
       やれよ。おまえから電話の1本もなくて、スポンサー親
       父にはせっつかれるわで、レイモン達にはいい迷惑だ
       ぜ。」
  アル「ああ・・・分かってるよ・・・。それで?おまえはいつまでい
     るんだ?」
  ダンドラ「レイモン達におまえを連れて帰ると約束したんだ。お
       まえが帰るまで、一緒にいるつもりだ。」
  アル「そうか・・・。では一先ずこの村唯一の宿屋に戻るとする
     か。」
  ダンドラ「それは有り難い。こんな何もない村に、宿屋があると
       はね。ずっと歩き続けで、足が棒みたいなんだ。(笑う
       。)」

         2人、足早に出る。暗転。

      ――――― 第 12 場 ―――――

         カーテン前。
         下手よりレイモン、フーケ、ロベール、アナベル
         登場。

  ロベール「よかったですね!先生から連絡が入って!」
  レイモン「ああ、一安心だよ、本当。」
  フーケ「で、先生はいつ戻って来るんだ?」
  レイモン「来週には帰って来るみたいだ。全く今まで何処ほっつ
       き歩いてたんだか・・・。」
  アナベル「あら、いつものことじゃない。」
  レイモン「まぁ・・・。だけどこれでオットーさんにも連絡が出来る
       よ。」
  フーケ「よかったじゃないか。」
  レイモン「(思い出したように。)あ、ロベール!先生が部屋を
       用意しとけってさ。」
  ロベール「へや・・・ですか・・・?」
  レイモン「ああ。」
  フーケ「誰か連れて来るのかな?」
  レイモン「さぁ・・・」
  ロベール「ひょっとしてあれじゃないですか?ダンドラさんが言
        ってた、先生が夢中になってるとかって娘・・・」
  アナベル「成程・・・有り得るわね・・・。」
  レイモン「誰と一緒でも、俺は先生さえ戻って来てくれれば、そ
       れでいいよ。」
  フーケ「そうそう!」

         4人、話しながら上手へ出て行く。

      ――――― 第 13 場 ―――――

         カーテン開く。と、芝居一座の小屋。
         上手よりミシェル、座員達と談笑
         しながら出る。
 
 

  レニエ「じゃあ、あんたもカメラマンなんだ。」
  ミシェル「いやぁ、俺はまだカメラマンと言ったって卵さ。専ら今
       は、先生の助手・・・だけど数年後には個展の一つや
       二つ開いて・・・」
  ルイーゼ「じゃあ、あんたもここへは写真を撮りに来たの?」
  ミシェル「違うよ。俺達はアルさんを連れ戻しに来たんだ。」
  ガロ「連れ戻す・・・?」
  ミシェル「ああ。あの人も、うちの先生と一緒で、結構有名な
       カメラマンなんだぜ。それでもう直ぐ、個展やら市長
       主催の会があるから、それに出席する為に帰らなき
       ゃいけないんだ。長いこと帰ってこないから、アルさ
       んの部下から連れ帰ってくれって頼まれたんだ・・・」
  エレーナ「市長・・・?」
  
  エヴァ「部下・・・?」
  ミシェル「ああ、アルさんの会社の・・・」
  エレーナ「アルの会社・・・?」
  マックス「あの人・・・ひょっとして偉い人・・・?」
  ミシェル「まぁ・・・そうだな・・・うちの先生と同じ位かな。本来な
       らこんなところでのんびり写真撮ってる暇なんかない
       人だろうな。」
  ルイーゼ「じゃあ・・・いくらリリが想いを寄せたって無理じゃな
        い・・・」
  ミシェル「リリ?ああ、アルさんが今、夢中になってるって言う
       ダンサー娘かい?」
  エヴァ「アル・・・帰っちゃうんでしょう・・・?」
  ミシェル「アルさんがどう言う考えか知らないけど、アルさんの
       居場所はここじゃないからな。」
  
       

         下手よりリリ、聞いていたように出る。
         
  
  

  ガロ「リリ・・・」

         座員達、ミシェル、リリを認める。

  ミシェル「君がリリ・・・?」
  リリ「今の話し・・・本当ですか・・・?」
  ミシェル「え・・・?ああ・・・」
  ガロ「・・・仕方ないよ・・・アルさんとは住む世界が違い過ぎる
     んだ・・・」
  エレーナ「いつかは別れなきゃいけないのよ・・・」
  エヴァ「そう言えば、ロバンさんがそろそろ次の場所へ向かう
      ・・・って・・・」
  レニエ「本当か?」
  サミー「この村ともおさらばか。」

         座員達、ミシェル下手へ出て行く。
         (ガロ、一寸残って。)

  ガロ「リリ・・・元気だせよ。」

       
         ガロ、リリを気にしながら下手へ出て行く。
         マハル、下手より出、リリの様子を見詰める。

  リリ「あなたに会えて・・・あなたを愛して・・・私の世界が変わっ
     たと・・・アル・・・」

         リリ、上手へ走り去る。
         マハル、ゆっくり舞台中央へ。
         (音楽、静かに流れる。)
         アル、下手より出る。

  アル「マハル!リリを見なかったかい?」
  マハル「(振り返りアルを認める。)・・・部屋じゃない?」
  アル「ありがとう。(思い出したように。)あ・・・もう足は大丈夫
     なのか?」
  マハル「ええ・・・殆ど平気・・・」
  アル「(嬉しそうに。)それはよかった。じゃあ!(手を上げて走
     り出ようとする。)」
  マハル「アル!!」
  アル「(振り返り。)何だい?」
  マハル「・・・リリのこと・・・好き・・・?」
  アル「・・・ああ・・・」
  マハル「(溜め息を吐いて。)そう・・・よかった・・・あの子・・・幸
      せになるわね?」
  アル「マハル・・・幸せにするさ・・・」
  マハル「全く・・・あの子って馬鹿だから・・・(涙声になる。)皆か
      ら食み出し者になってる私のことにも一生懸命で・・・参
      っちゃう・・・。あなたの相手が他の女じゃ許さないけど・・・
      リリなら・・・」
  アル「・・・マハル・・・」
  マハル「早く行ってあげて・・・きっと今頃沈んでると思うわ・・・」
  アル「え・・・?」
  マハル「あなたの友達と一緒に来た人・・・色々あなたのこと言っ
      てたから・・・。」
  アル「ミシェル・・・分かった!直ぐ行ってみるよ!」

         アル、走り出て行く。
         マハル、その方を見詰めている。

  マハル「・・・さよなら・・・」

         音楽でフェード・アウト。

      ――――― 第 14 場 ―――――

         絵紗前。リリの部屋。
         リリ、沈んだ面持ちでソファーに座って
         いると、ティボー、お茶を持って入って
         来る。

  ティボー「(リリの様子に気付いて。)どうされました?お嬢様。
       また何かお辛いことでも・・・?」
  リリ「ティボー・・・どうして私は・・・ただの踊り子なのかしら・・・」
  ティボー「とんでもない!ただの踊り子などではございませんぞ
       。リリお嬢様はマルティーヌ様の血を継いでおいでなの
       ですから。」
  リリ「そうね・・・ありがとう・・・少し一人にして頂戴・・・」
  ティボー「そんな暗いお顔をなさっていると、アル殿にご心配を
       おかけしますぞ。リリお嬢様は、笑顔が一番お似合い
       なのですから・・・。」

         ティボー、出て行く。

  リリ「・・・母さん・・・(胸元のネックレスをそっと握る。)」









      ――――― “アル・ロー”7へつづく ―――――






    



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