2012年12月1日土曜日
“アリアの海” ―全6場―
(左)海の国の王様 (右)アリア
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
〈 主な登場人物 〉
アリア ・・・ 海の国のお姫様。
ルディ ・・・ 人間の少年。
海の国の王様 ・・・ アリアの父。
島の主(ゴーザ) ・・・ 王様に海の国を追放された。
ウオレット ・・・ 海の国の家臣(じいや)。
キューイ ・・・ アリアの友達のイルカ。
ラナ ・・・ ルディの姉。
島の村長。
ルディの母。
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
音楽流れる。
――――― 第 1 場 ―――――
(笛の音が聞こえる。)
アリアの声「あっ!!大変!!私の大切な笛が・・・!!」
幕が開く。
と、海辺の砂浜。一人の少女(アリア)
何かを探すように歌う。
アリア“どこにあるの大切な笛
確かここに落ちた筈よ 見つかるわ
どこにあるの大切な笛
きっと分かる確かここにある筈よ”
アリア「ああ・・・どこに落ちたのかしら・・・。あの笛がなかったら
私・・・一体どこにあるのかしら・・・」
その時、下手後方より一人の少年(ルディ)
手にしたものを不思議そうに見詰めながら
登場。ゆっくり上手方へ。歌う。
ルディ「これはなんだろう・・・。キラキラ光って貝殻みたいだけど
・・・この小さな穴は一体・・・」
アリア“どこにあるの大切な笛”
ルディ“これは何かな不思議”
アリア“見つからない どうすればいい”
ルディ“こんな輝き初めてだ”
アリア“どこにあるの大切な笛”
ルディ“これは何かな不思議”
アリア“見つけないと帰れないから”
ルディ“持って帰ろう貢物”
ルディ、上手へ去る。
アリア“どこにあるの大切な物
きっとあるわ ここのどこか埋もれてる
海の国へ帰る為には
笛がないと入れてもらえない掟”
アリア「さぁ、もっとよく探さなくちゃ・・・」
紗幕閉まる。
――――― 第 2 場 ―――――
※
音楽流れる。紗幕前。
海草が揺らめき、色とりどりの魚たちが
行きかう。(海の中。)
下手より、一匹の老魚(ウオレット)、慌てた
様子で登場。
ウオレット「王様・・・王様ーっ!!」
上手より海の国の王、ゆっくり登場。
王「どうした、ウオレット?えらく慌てた様子ではないか。」
ウオレット「それが王様、アリア様がイルカのキューイと波乗り
に行くと言われて、浜辺の方へ出掛けられたまま、ま
だお戻りになられないのです・・・。」
王「何!?アリアがこの海の国を出て、浜辺へ行っただと!?」
ウオレット「はい・・・」
王「ウオレット!!おまえはアリアを黙って行かせたのではある
まいな!?」
ウオレット「いえ、滅相もございません!!私はお姫様をお引止
めしようとしたのですが、この年寄り魚の言うことな
どお聞きにならず、直ぐに戻るからとキューイと共に
・・・」
王「ええい、馬鹿者が!!もしアリアが浜辺に上がり、海から離
れた場所へでも行ったならどうするのだ!!我々、海の国の
者は水のない場所では、一日と生きてはいられないのだぞ
!!万が一、陸の上で水切れをおこしたなら、その体・・・消
えてなくなることは・・・まぁ、アリアも分かっているだろうが・・・
。」
(左)ウオレット (右)王様
音楽流れる。
王「しかし・・・それよりも何よりも、海の国の門を開く魔法の貝の
笛をなくすようなことがあれば、アリアは二度とこの国へは、
戻って来れなくなると言うものを・・・!!」
王、歌う。
“我々がこの海を出て行くと言うことは
命どうなろうと保証はない
その覚悟で”
ウオレット、歌う。
“王様 コーラス“まだ
姫様は 姫様”
まだ子ども
悪気はないと”
王、歌う。
“馬鹿め
掟 破り
親の気持ち知らず
自分勝手過ごす コーラス“自分
守り慈しんできたのに” 守り”
ウオレット、歌う。
“どうかお許し下さい”
2人、下手へ去る。
入れ代わって上手より、アリア、イルカの
キューイ登場。
アリア「ねぇ、キューイ!私、人間のところへ行ってみようと思う
の。」
キューイ「え・・・?」
アリア、歌う。
“昔仲良かった海と陸の者たち
なぜ仲違いをして
いがみ合うのおかしいわ
生きるもの キューイ“でも
同じだわ 危ない
誰だって 危険だ”
手を取り合い
私たちのように
姿 違ってても
きっと キューイ“きっと
分かり合える
ことが 本当”
できる筈よ
必ず”
キューイ、歌う。
“でも心配だ君が”
アリア「さぁ!行くわよ!!」
アリア、上手へ走り去る。
キューイ「アリア、待って!!そうだ!!」
キューイ、下手へ去る。
紗幕開く。
――――― 第 3 場 ――――― A
場面は海辺の砂浜。(波の音。)
音楽、流れる。
島民たち、金品を手に集まっている。
島民たち、悲し気に歌う。
“働いても 働いても
楽にならない生活だから
昔 我々は共に手を取り合い
生きてきた”
村長「昔は我々人間と、海の国の者たちは、仲良く平和に共に
手を取り合い暮らしていたのに・・・その海の国の者が、い
つからか、この島を支配し我々を苦しめるようになったの
だ・・・。」
上手よりラナ、しんみりと登場。歌う。
“懐かしい島よ
忘れない
思い出の島よ
さよなら・・・”
村長「今では島の主となった、その海族の者に、金品を差し出
さなければ島を海に沈めてしまうと脅され・・・毎月毎月・・・
一体いつのなれば、この苦しみから逃れることができるの
であろうか・・・。」
ラナ「村長さん・・・」
ルディの母「ラナ・・・」
ルディ「姉さん・・・」
ラナ「お母さん・・・ルディ・・・行って来ます。(泣く。)」
村長「我慢しておくれ、ラナ・・・。毎回誰かが島の主の下へ、貢
ぎ物を届けねばならないのだ。いずれ我々も・・・。」
ラナ「(頷く。)はい・・・」
ルディ「村長さん、これ・・・。今月の貢ぎ物は、これでお願いしま
す。(貝の笛を差し出す。)」
村長「うむ・・・。(貝の笛を受け取り、台車の上へ置く。)」
ルディの母「ラナ、気をつけて行くんだよ・・・。」
ラナ「お母さん・・・」
島民たち、しんみりと下手へ去る。
(音楽フェード・アウト。)
――――― 第 3 場 ――――― B
音楽流れ、上手よりアリア、何かを探して
いるように登場。歌う。
アリア「ああ・・・どこに行ったのかしら貝の笛・・・」
“大切
私の
魔法の
貝笛
海の国のカギ コーラス“どこに
あるの
父様と約束 不思議
交わしたのよ必ず ないの”
海の国から出ない
それを破った私
許してはもらえないわきっと
早く見つけないと
海の国へ帰れない
私ずっと
このままここで
一人暮らす
そんなのは嫌よ”
アリア「一体どこに流されていったのかしら・・・」
そこへ下手よりキューイ登場。
キューイ「キューイ・・・」
アリア「キューイ!どこへ行ってたの?突然いなくなったから、
心配したじゃない。」
キューイ「ごめん、アリア。」
アリア「それより早く貝の笛を見つけなくちゃ!なくしたことがお
父様に知れたら大目玉よ!」
キューイ「キューイ・・・」
(音楽フェード・アウト。と、入れ代わるように
波の押し寄せ引く音。)
その時、下手よりルディ登場。
ゆっくり上手方へ。
アリア「(ルディを認め。)こんにちは。」
ルディ「・・・こんにちは・・・」
アリア「私はアリア!あなたこの島の人・・・?」
ルディ「・・・うん・・・。」
アリア「この島、綺麗ねぇ!」
ルディ「・・・ありがとう・・・。」
アリア「あなた名前は?」
ルディ「・・・ルディ・・・」
アリア「ねぇ、ルディ!私、大切なものを探しているの!」
ルディ「大切なもの・・・?」
アリア「ええ。私、貝殻の形をした笛を探しているの!」
ルディ「貝殻の形をした・・・笛・・・?」
アリア「きっと浜辺のどこかに埋まってると思って、一晩中探し
てたんだけど、どうしても見つからなくて・・・」
ルディ「・・・そうなんだ・・・」
アリア「あの笛がないと私、家へ帰れないのよ。だから・・・」
ルディ「・・・僕・・・知ってる・・・多分・・・君の探してるその笛・・・」
アリア「本当!?」
ルディ「うん・・・」
アリア「どこにあるの?私に返してくれる?その笛・・・」
ルディ「それが・・・」
アリア「・・・何・・・?」
ルディ「僕・・・そんな大切な笛だと知らなくて・・・この島の主へ
の貢ぎ物に差し出してしまったんだ・・・。」
アリア「貢ぎ物・・・?」
ルディ「ごめん・・・ごめんよ!!僕、本当にそれが何なのか知
らなくて・・・!!キラキラして綺麗だから、お金の代わり
になるかなって・・・!!本当にごめん!!」
アリア「ルディ・・・」
――――― “アリアの海”2へつづく ―――――
※ このお魚たち、見覚えがないでしょうか・・・^^;?
はい、ピンクのももちゃんと、先生、お友達のお魚たち
です"^_^"
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿