音楽流れる。
アリア「あなたいい人ね。やっぱり人間って、私の思った通りの
人たちだった・・・。」
ルディ「え・・・?」
アリア「私・・・人間は私たち海の国の者を苦しめる、悪い人たち
だって教えられてきたの・・・。」
ルディ「アリア・・・君・・・海の国の人なの・・・?」
アリア「(頷く。)」
アリア、歌う。
“私たちと
あなたたち
お互い認めず
敵対して
今までただ
脅えて暮らしてきた”
ルディ、歌う。
“僕らだって
海の国の
人は恐ろしい
そんな風に
聞かされて
今まで生きてきた”
アリア、歌う。
“私 今まで
思い違いをしてきたのね
胸の中に
湧き上がる疑問が
あったの”
2人、歌う。
“私たちとあなたたち
こんな近くにいた
なのにお互い横
向いていたんだわ(ね)”
アリア「あなた・・・ちっとも怖くない・・・」
ルディ「君だって・・・」
2人、笑い合う。(音楽フェード・アウト。)
アリア「それで、さっき話してた貢ぎ物って一体・・・」
ルディ「うん。この島には昔から恐ろしい主がいるんだ。その主
に毎月、貢ぎ物を持って行かないと、この島を海の底へ
沈めてしまうと脅されて・・・。」
アリア「酷い・・・」
ルディ「その主が・・・村長さんの話しだと、海から来た奴だ・・・
って・・・。」
アリア「え・・・海の・・・?」
ルディ「うん・・・。貢ぎ物を持って行った人たちは、二度と戻って
来ないから・・・まだ誰も姿を見た者はいないんだけれど、
とても恐ろしい海獣だって・・・。」
アリア「その主はどこに住んでいるの・・・?」
ルディ「それが・・・主の住み家は誰も知らないんだ。昔から島の
中心にある、森の中に海とつながる洞穴があって、その
奥に住んでるんだって言われてるけど・・・。」
アリア「海とつながる洞穴・・・。分かったわ!!私がその洞穴を
探しに行ってみるわ!!」
ルディ「え・・・?」
キューイ「アリア!!」
アリア「そして貝の笛を見つけて、私がその悪い主をやっつけて
くるわ!!」
ルディ「そんなこと・・・!!危ないよ、アリア!!いくら君が海の
国の人だからって・・・」
アリア「貝の笛は魔法の笛なの!あの笛さえあれば大丈夫よ!
!」
ルディ「でも・・・」
キューイ「駄目だよ、アリア!!海の国の君が水のない森に入
るのは危険だキューイ!!もし途中で体に貯えている
水がなくなったら・・・!!」
アリア「大丈夫!!少しの間くらい平気よ!!行ってくるわ!!
」
アリア、下手方へ走り行きかける。
キューイ「アリア、キューイ!!」
ルディ「待って、アリア!!」
アリア「ルディ・・・」
ルディ「僕も一緒に行くよ!!」
アリア「え・・・?」
ルディ「僕はこの国の住人だ!君より森のことは詳しいんだ!!
だから・・・」
キューイ「キューイ・・・」
ルディ「もし途中でアリアが喉の渇きを訴えたなら、この島に住
む僕なら、直ぐに水のある場所が分かる!」
アリア「ルディ・・・」
ルディ「だから僕も君と一緒に島の主の洞穴を探しに行く!!そ
れに・・・僕の姉さんが昨日、島の主の下へ貢ぎ物を届け
に行ったんだ・・・。だからもしかしたら助けられるかも知れ
ない・・・。」
アリア「そうだったの・・・。」
ルディ「(頷く。)」
アリア「分かったわ!!一緒に行きましょう、ルディ!!」
ルディ「アリア・・・うん!!」
アリア「キューイ!あなたはそこで待っててね!!」
キューイ「アリア、気をつけて!!ルディ!!アリアのことを頼ん
だよ、キューイ!!」
ルディ「任せて!!」
(アリア、ルディ残してキューイ下がる。)
――――― 第 4 場 ―――――
音楽流れ、紗幕開く。と、森。
アリア「森だわ・・・」
アリア、歌う。
“この森のどこかに
必ずある筈
隠れた洞穴の
小さな入口が”
ルディ、歌う。
“この森のどこかに
秘密の場所ある
海につながる洞穴”
アリア、歌う。
“だけどあるの
こんな森に隠れ
そっと佇む ルディ“どこに”
秘密の場所なんて
どこに行けば
あるのこんな森に
きっと誰も知らない ルディ“あるだろ”
場所がある
少し不安だけど
私行くわ今”
コーラス“必ず
見つける
秘密の
洞穴”
コーラス“さぁ 今 行く
この 場所 直ぐ
見つける 洞穴 アリア“どこかに
隠れた” ある筈”
ルディ、歌う。
“この森のどこかに
必ずある筈
ひっそり隠れた場所が”
アリア、歌う。
“だけどあるの
こんな森に隠れ コーラス“必ず”
そっと佇む
秘密の場所なんて
どこに行けば
あるのこんな森に
きっと誰も知らない コーラス“見つかる”
場所がある
少し不安だけど
私行くわ今” コーラス“直ぐに
今ここに”
アリア「あったわ・・・」
木が開く。と、大きな洞穴の入口が
姿を現す。(アリアとルディ下がる。)
――――― 第 5 場 ―――――
音楽流れ、下から島の主(海の海獣ゴーザ)
上がり歌う。
“退屈な場所で
いつまでも我慢
してろと言うのは
どこのどいつだ
この俺様が
いつまでこんな
離れ小島に
閉じ込められた
退屈な場所で
いつまでも我慢
してろと言うのは
どこのどいつだ
海の支配者たる
この俺様のこと
無下に扱う奴
許してはおけないぞ”
ゴーザ「ああ、なんて忌々しい海の王め!!このゴーザ様をこ
んな場所へ閉じ込めるなんて!!」
コーラス“ここは森の奥深く
水なんてない陸の上
悪いことをした罰で
閉じ込められた”
ゴーザ、歌う。
“退屈な場所で
いつまでも我慢
してろと言うのは
どこのどいつだ”
コーラス“どこのどいつだ
どこのどいつだ
どこのどいつだ
どこのどいつだ”
ゴーザ「全く、海の王ときたら、自分のことを何様だと思っている
んだ!!神か何かのつもりか!!少しばかり早く生まれ
たと言うだけで、実の兄弟の俺様を、ちょっと海の国の掟
を破いて人間に悪戯をしたくらいで、こんなところに閉じ
込めるなんて!!ふん!!だが王は、閉じ込めたつもり
かも知れないが、このゴーザ様がこんな岩場で、大人しく
しているとでも思ったか!!(笑う。)ここからでも十分、人
間たちを苦しめ楽しむことができるのさ!!(笑う。)」
そこへ下手よりラナ、貢ぎ物が山のように
乗った台車を重そうに押して、登場。
(上手方へ。)
ラナ「ゴーザ様・・・」
ゴーザ「ん・・・?」
ラナ「お持ちしました・・・」
ゴーザ「おお!やっと到着したか。さて今月は、どんなお宝を島
の者たちは用意してきたんだろうな。(笑う。)」
その時、下手よりルディ、走り登場。
ルディ「姉さん!!」
ラナ「(ルディを認め。)ルディ!!どうしてここに!?」
ゴーザ「なんだ、おまえは!!」
ルディ「・・・この島の海獣野郎!!姉さんを返せ!!」
ゴーザ「なんだと!?小僧!!おまえもその娘と一緒に、俺様
の食事にしてやる!!」
音楽流れる。
(ゴーザ、手を取り合い逃げるルディと
ラナを、夢中で追い掛けるように。)
ルディ「姉さん!!早くこっちに!!」
ラナ「ルディ!!」
ゴーザ「行かせないぞ!!」
ゴーザ、歌う。
“行かせるもんか食事になれ
俺様の手から逃げられない
助かるつもり甘くはない
そんな上手くいくと思うか”
ルディ、歌う。
“捕まるもんか 捕まるもんか
おまえのようなあくどい奴に”
ラナ、歌う。
“捕まらないわ 捕まらないわ
あなたのような人間の敵”
ゴーザ「待てーっ!!」
ルディ「わあーっ!!」
ラナ「キャーッ!!」
(途中、アリア下手よりこっそり登場。
台車の方へ。貢ぎ物の山の中を探すように。)
ゴーザ、歌う。
“行かせるもんか食事になれ
俺様の手から逃げられない”
アリア「さぁ、今のうちに早く見つけなくちゃ!!」
アリア、歌う。
“早く見つけなくちゃ
魔法の貝の笛を!”
――――― “アリアの海”3へつづく ―――――
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
0 件のコメント:
コメントを投稿