2013年3月16日土曜日

“ジュリー” ―全13場― 3

     
          少し薄いですが・・・(^^;

    ↓ の5場前に走り書きしていた舞台セット
      想像図です(^O^)




 
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     ――――― 第 5 場 ―――――

         カーテン開く。と、ダンス教室。
         生徒達、其々練習している。
         入口から新聞を手に、ダニー走り登場。

  ダニー「(慌てて。)大変だー!!大変なんだよ!!」
  ルイーズ「どうしたの?慌てて・・・」
  ダニー「(嬉しそうに。)見てくれよ、これ!!月末の日曜日に
      オーディションがあるんだ!!」

         生徒達、ダニーの回りに集まる。

  アルバート「(汗を拭きながら。)何のオーディションがあるって
         ?」
  ダニー「だから“ダンサー”だよ!!あの昔やって一世を風靡し
      た“ダンサー”だよ!!それの主役オーディションがある
      んだ!!」
  マイケル「本当に!?」
  ダニー「ああ!新聞に書いてあるんだ、間違いないよ!!」

         皆、口々に驚きの声を上げている。
         その時、奥からレナード入って来る。

  レナード「おいおい、練習はどうした?」
  マイケル「レナード!(駆け寄る。)」
  レナード「どうしたんだ、そんなに興奮して・・・」
  マイケル「おまえがずっとやりたがってた“ダンサー”の主役オ
        ーディションがあるんだ!!」
  レナード「え・・・?」
  マイケル「おまえが長い間待ってた時が、とうとう来たんだよ!
        !」

         レナード、呆然と。

  マイケル「おい!!嬉しくないのかよ!!チャンスがやっと巡
        って来たんだよ!!おまえなら必ずこの役をものに
        することが出来る筈だ!!」
  レナード「遂に・・・?(ダニーの差し出した新聞を手に取る。)」
  マイケル「そうだよ!!」
  レナード「(興奮して。)やったぞ!!このチャンスをものにでき
       たら、いよいよ夢が叶うんだ!!」
  マイケル「やったな!」
  レナード「ああ。だがチャンスが巡ってきただけで、まだ手にし
       た訳じゃない。後2週間か・・・」
  アルバート「レナードなら大丈夫さ!!」
  ルイーズ「そうよ!!」

         皆、口々に興奮した様子で談笑している。
         その時、2階の入口からジャックとボビー
         入って来て下を見下ろしながら、ゆっくり
         階段を下りて来る。
         生徒達、2人を認め怪訝そうに見詰める。
         レナード、2人に近寄る。

  レナード「なんだ・・・またおまえ達か・・・。何か用か?」
  ジャック「昨日の女はどうした?」
  レナード「知らないね・・・。あの後、彼女は直ぐに出て行ったん
       だ・・・」
  ジャック「隠し立てすると為にならないぜ。」
  レナード「(探るような眼差しを向ける。)・・・何故・・・おまえ達
       は彼女を捜してるんだ・・・?」
  ジャック「何故・・・そんなことを・・・?」
  レナード「いや・・・何、えらく熱心に彼女を捜しているみたいな
       んで・・・何か協力できるんじゃないかと思っただけさ
       ・・・」
  ジャック「・・・我々が何故・・・彼女を捜しているか知りたいか・・・
       ?」
  ボビー「(小声で。)ジャックさん・・・守秘義務が・・・」
  ジャック「・・・構わない・・・」
  レナード「・・・何故・・・捜している・・・?」
  ジャック「・・・彼女の名前は・・・ジュリー・グレイヴィル・・・」
  レナード「・・・グレイヴィル・・・?」
  アルバート「グレイヴィルって言えば、大統領もグレイヴィル・・・
         (笑う。)」
  ドロシー「あら、そうなの?(笑う。)」
  マイケル「馬鹿だな・・・」
  レナード「・・・もしかしてジュリーは・・・」
  ジャック「・・・そう・・・彼女はグレイヴィル大統領の孫娘だ。」

         笑っていた生徒達、笑いを止める。

  レナード「その彼女が・・・何故一人、こんなところに・・・?」
  ジャック「彼女は大統領が決めた結婚に反発して家出した。
       我々は式までに彼女を連れ戻す為に雇われた探偵
       だ・・・。」
  マイケル「探偵・・・?」
  レナード「・・・結婚・・・」
  トレイシー「お嬢様なんじゃない・・・。」
  レナード「独り言のように。)囲われてた訳か・・・」
  ジャック「それで・・・彼女をどこへやった・・・?」
  レナード「知らない。マイケル!アルバート!探偵さんがお帰
       りだ!お送りしろ!」

         マイケル、アルバート、ジャック達の前へ。
         階段方を指し示す。

  ボビー「協力すると言ったんじゃないのか?」
  ジャック「ボビー、構わないさ。今日のところはこれで帰るとす
       る。だが、いいか?彼女を隠し立てすると、おまえ達
       全員が誘拐罪で訴えられることになるんだ。そのこと
       を忘れるな。」

         ジャック、ボビー出て行く。

  ドロシー「誘拐だって・・・」
  ダニー「何か、ヤバくない・・・?」
  マイケル「おい、どうするんだレナード・・・」
  レナード「心配するな。皆は練習に戻るんだ。」

         生徒達、練習に戻る。

  マイケル「彼女、オードリーの家にいるんだろ?」
  レナード「ああ・・・」
  マイケル「あまり係わらない方がいいんじゃないか?」
  レナード「・・・ジュリーは真剣だったんだ・・・。彼女は彼女なり
       に考えて・・・その思いが真剣だったからこそ・・・勇気
       を出して家を出たんだ・・・。そんな彼女を・・・俺は見
       捨てることは出来ない・・・。」
  マイケル「おまえ・・・本当に刑務所送りになるぜ。」
  レナード「たとえ・・・俺が刑務所送りになってもだ・・・。」
  マイケル「レナード・・・」

         暗転。

      ――――― 第 6 場 ―――――

         絵紗前。オードリーの家。
         ジュリー、ソファーに腰を下ろし、考えて
         いるよう。(手には雑誌。)
         オードリー、奥からカップを2つ持って
         出て来る。

  オードリー「(1つのカップをジュリーに手渡す。)はい、コーヒー
        。」
  ジュリー「・・・ありがとう・・・。」
  オードリー「(ソファーに腰を下ろして。)で、ジュリーはいつレナ
        ードと知り合ったの?」
  ジュリー「私がたまたま彼のダンス教室に立ち寄って・・・」
  オードリー「ダンサー志望なの?」
  ジュリー「(首を振る。)私、踊れないですから・・・」
  オードリー「ふうん・・・。付き合ってるの?」
  ジュリー「(驚いて。)え?そんなまだ昨日出会ったばかりで・・・」
  オードリー「そんなの関係ないわよ。私ね、昔、彼と付き合って
         たんだ。」
  ジュリー「え・・・?」
  オードリー「まだ私がダンサーだった頃の話し。あ、でも安心し
        て。今はただの友達だから!(笑う。)彼、結構モテる
        からね。レナード目当てで教室に通って来る女、多い
        のよ。だから気をつけた方がいいわよ!取られないよ
        うにね。」
  ジュリー「そんな・・・」
  オードリー「(笑って。)冗談、冗談!」
  ジュリー「でも・・・彼の踊りって本当に素敵・・・だから、そう言う
       女性が沢山いるのも分かります。」
  オードリー「だから冗談だって!彼、モテるけど結構堅いからね
        ・・・。でも・・・あなたって何だか変わってるわね・・・。」
  ジュリー「・・・え・・・?」
  オードリー「何か、私達と違うって言うか・・・(不思議そうに。)
        どこか上品そうな・・・」

         その時、呼び鈴の音。

  オードリー「はぁい!(立ち上がって、入口の方へ。)」

         オードリー、扉を開けると、マーティン。

  オードリー「あら、珍しく早いじゃない。」
  マーティン「(中に入りながら。)たまにはね。」
  オードリー「(ジュリーに。)今の私の彼氏!」
  ジュリー「こんにちは・・・」
  マーティン「やぁ!彼女は?」
  オードリー「レナードから頼まれたの!」
  マーティン「ふうん・・・。」
  オードリー「ちょっと待ってて!仕度してくるから。」
  ジュリー「(立ち上がって。)あの・・・お出掛けですか?」
  オードリー「仕事なの。あ、ジュリーはゆっくりしてていいから
         ね。(奥へ入る。)」
  マーティン「君、レナードの彼女?」
  ジュリー「いいえ・・・」
  マーティン「ふうん・・・(マジマジ、ジュリーを見詰めて。)どっか
         で会ったことある?」
  ジュリー「(首を振る。)」
  マーティン「俺、君のこと見たことあるような気がするんだ・・・。
        どこでだろう・・・」

         オードリー、上着を羽織って登場。

  オードリー「ジュリー!彼の言うこと、真剣に聞いちゃ駄目よ!
         女を口説く時の手なの!(笑う。)」
  マーティン「オードリー!俺は真面目に言ってるんだぜ!」

         その時、再び呼び鈴の音。

  オードリー「はーい!!誰かしら・・・(扉の方へ。)」

         オードリー、扉を開けると、レナード。

  オードリー「あら・・・。ジュリー!お待ちかねが来たわよ。」
  ジュリー「え?」

         レナード、入って来る。

  マーティン「やぁ、レナード!」
  レナード「よぉ・・・(手を上げる。)」
  オードリー「じゃあ私、仕事に行くけど、後はごゆっくり!マー
        ティン、行きましょう!」

         オードリー、マーティン、扉の方へ。
         レナード、ゆっくりジュリーの側へ。
         マーティン、扉の近くで思い出したように
         立ち止まり、振り返ってジュリーの顔を
         見る。

  マーティン「分かった!!」
  オードリー「え?」
  マーティン「(小声で。)グレイヴィル大統領の孫娘だ・・・!!」
  オードリー「嘘・・・!?」
  マーティン「本当だ・・・。前に新聞で見た・・・」
  
         2人、一斉に振り返り、ジュリーを見る。
         驚いた面持ちで顔を見合わせ出て行く。

  ジュリー「昨日は色々とありがとうございました。(頭を下げる。
       )」
  レナード「礼なんかいいよ。よく眠れたかい?」
  ジュリー「ええ!あんなにぐっすり眠ったのは、何だか久しぶり
       ・・・」
  レナード「(嬉しそうに。)それは良かった。ビールが効いたか
       な?」
  ジュリー「(微笑んで。)そうかも知れない。オードリーも、とても
       親切にして下さるんです。何だか申し訳ないくらい・・・」
  レナード「あいつは昔から世話好きな奴だから、気にしなくても
       いいさ。」
  ジュリー「(笑って。)オードリーのこと、よく分かっているのね。」
  レナード「え・・・?いや・・・古い付き合いだからね。」
  ジュリー「(楽しそうに。)レナードとのことも教えてもらったわ。」
  レナード「それは昔のことで、今はもう・・・ほら、さっきいたマー
       ティン、あいつが今のオードリーの恋人さ。」
  ジュリー「知ってる。」
  レナード「参ったな・・・。全く、あいつは黙ってるってことを知ら
       ないのかね・・・」
  ジュリー「(嬉しそうに笑って。)いいなぁ・・・レナードやオードリ
       ーの話しを聞いていると、本当に好きなことを・・・自分
       のしたいことをしてるって感じがして・・・羨ましい・・・」
  レナード「君は・・・出来なかった・・・?」
  ジュリー「ええ・・・何一つ・・・!いつもいつも思い描くだけで・・・
       あ・・・(思わず口を噤む。)」
  レナード「いいよ、もう隠さなくても・・・。君が誰なのか・・・何故
       ここにいるのか、聞いたよ。」
  ジュリー「・・・え・・・?」
  レナード「昨日、君を連れて行こうとした連中は、君のお祖父さ
       んに雇われた探偵だったんだ。」









 

      ――――― “ジュリー”4へつづく ―――――











   




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     (おまけフォト^^;)

    
      

    13日に小学校で公演した時の裏側写真の1枚です♥
    アリアちゃん(奥)、妙に髪の毛が多く、頷いたりする
    と、お顔が髪で隠れてしまうのです・・・(^_^;)

























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