2012年10月16日火曜日

“バーナード” ―全16場― 完結編

  ジャック「(ニヤリと笑って。)やっと来たか・・・」
  バーナード「(ジャックたちに気付き。)しまった・・・」
  ボールデン「今の話によると、そちらの(顎でダイアナの方を差す。
         )お嬢さんが本当の目撃者のようだな、バーナード。」

           バーナード、顔を強張らせて、ボールデンを
           見据える。

  ジャック「(バーナードを見詰めて。)この間とは打って変わって、
       いい目だ・・・。大事な者を失うかもしれない恐怖に、光輝
       いている・・・。それでなくては盛り上がりませんからねぇ
       ・・・」
  ボールデン「こちらの(シェイラを見て。)お嬢さんには申し訳ない
         が・・・2人共・・・殺ってしまえ!!バーナード、おまえ
         も下手に庇い立てすると、ジャックの獲物になりかね
         ないぞ!!」
  ダイアナ「(驚いて叫ぶ。)殺ってしまえって、どう言うことよ!!私
       はまだ死にたくないわ!!放してよ!!誰かー!!」

           ジャック、銃を出して銃口を真っ直ぐ
           シェイラに向ける。

  シェイラ「・・・(ただ呆然と立ち尽くす。)バーナード・・・」
  バーナード「(シェイラにだけ聞こえるように。)大丈夫だ・・・おまえ
         一人を殺させたりはしない・・・!!」
  シェイラ「(バーナードの言った言葉の意味を悟り、バーナードを
       黙って見詰め、ゆっくり頷く。)」
  バーナード「ジャック!!誰もおまえを止められないと言った!!
         それなら俺は・・・(シェイラを守るように、シェイラに覆
         い被さりながら叫ぶ。)シェイラ!!目を閉じろ!!」

           バーナードの叫び声と同時にジャック、
           銃の引き金を引く。

  ダイアナ「(絶叫する。)キャーッ!!」

           一瞬の静寂の後、バーナード、シェイラの
           腕の中で崩れる。

  ボールデン「馬鹿な・・・」
  シェイラ「(バーナードを抱き抱えるように。)・・・バーナード・・・バー
       ナード・・・?」

           その時、パトカーのサイレンの音と共に
           警察官がなだれ込んで来る。

  警官「ボールデン、ジャック、おまえ達2人を、シェイラ・ハミルトン
     殺人未遂容疑で逮捕する!!」
  ボールデン「(呆然と。)何故・・・?」

           警察官、ボールデンとジャックを捕まえる。
           警官の後ろにいたウォルター、前へ進み出る。

  ウォルター「常務・・・矢張り私には黙っていることが、出来ません
         でした・・・(項垂れる。)」
  ボールデン「貴様・・・!!」
  警官「行くぞ!!」
  
           ボールデン、ジャック、警官に連れて
           行かれる。
           ジャック、途中一度振り返り、バーナード
           を見詰める。

  ジャック「・・・命が惜しくない程・・・惚れたか・・・」

           ダイアナも警官に肩を抱かれて呆然と
           出て行く。
           警官達、泣き叫ぶシェイラの肩にそっと
           手を掛けたりして出て行く。

  シェイラ「(バーナードを見詰め。)いや・・・いやよ!!バーナード
       !!バーナード!!(泣き叫ぶ。)一人にしないで!!」

           2人、残して皆去る。

  バーナード「(ゆっくり目を開け微笑む。)・・・よかった・・・おまえが
         死んでしまわなくて・・・おまえを一時でも疑った罰が当
         たったんだな・・・(静かに笑う。)心から・・・おまえを愛
         していた・・・だからおまえが裏切ったと思った時・・・何
         もかも分からなくなり・・・ただ・・・許せないと思ったん
         だ・・・」
  シェイラ「いや・・・死なないで!!愛してるわ!!だからお願い・・・
       (回りを見回して。)誰か・・・誰か助けて・・・」
  バーナード「(手を上げてシェイラの頬にそっと触れ、微笑む。)・・・
         いつまでも・・・愛して・・・(頬に触れていた手が落ちる。
         )」
  シェイラ「バーナード・・・?バーナード!!死なないで!!私も殺し
       て・・・私も殺して!!(泣き叫ぶ。)」

           港の静寂の中、シェイラの叫び声だけ
           木霊する。
           暫くの後、バーナードを抱くシェイラの肩を
           抱くように、バーナードの腕が動く。

  バーナード「・・・シェイラが死んだら困るな・・・」

           驚くシェイラに、少しはにかむように、
           バーナード微笑みかける。

  シェイラ「嘘・・・」
  バーナード「(起き上がり。)幽霊に見えるかい?」
  シェイラ「(首を振る。)」
  バーナード「・・・(照れ笑いしながら。)こんなこともあるかと、防弾
         チョッキを着込んでいたのを忘れてた・・・(背広を開い
         て、中を見せる。)」
  シェイラ「バーナード!!(抱き縋る。)」

           バーナード、優しくシェイラを抱き締める。

  シェイラ「(泣き声で。)死んだと思ったのよ!!本当に死んだと思
       ったのよ!!」
  バーナード「(微笑んで。)ごめん・・・」
  シェイラ「よかった・・・本当に・・・よかった・・・」
  バーナード「だけどシェイラ・・・上から言われたことだとは言え、俺
         のやったことは償わなければいけないことなんだ・・・。
         もし君が・・・」

  シェイラ「(バーナードの口元を押さえる。)・・・待ってるわ・・・いつ
       までも待ってる・・・」
  バーナード「シェイラ・・・」
  シェイラ「あなたが・・・いいって言ってくれるなら・・・」
  バーナード「勿論さ!!(シェイラを抱き締める。)」

           音楽盛り上がる。
           バーナード、座り込んだままシェイラを
           抱き寄せ口付ける。






           ――――― 幕 ―――――







    さて、ここで次回掲載作品の紹介を・・・と思ったのですが、
   まだどれをご覧頂こうか決めかねていて、ここで“これ”と、
   紹介することが出来ません。
   明日まで、一日考えたいと思いますので、今しばらくお待ち
   下さい。
    

                               どら。


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       http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html

           http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005

         http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta


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