2012年3月4日日曜日
“ジョニー・クラウン” ―全9場―
この作品は、人形劇作品を書き始めるまだ、少し前の
作品になる為、人形劇は、子ども達の持ち時間を考え、
だいたい30分前後をメドに書き上げるのですが、(最近
は、内容の濃さに比例してきて、公演時間が若干伸び気味
ではあります・・・^^;そうですね~・・・ここ最近の作品では、
エリィちゃんが、1時間でしたね・・・^^;)この頃の制約の
ない作品に関しては、場数にあるように、人形劇作品に
比べ、多少長めのお話しになっています
まだまだ未熟な作品ではありますが、読み直してみて、
とっても面白かったので・・・人形劇とは全然違う、どらは
こんな言葉使いをする登場人物も書くんだ・・・と言うのを、
是非お楽しみ下さい♥
どら。
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〈主な登場人物〉
ジョニー・クラウン ・・・ 本編の主人公。
ジョン・クラウニー ・・・ ジョニーを兄貴と慕う。
ミシェル ・・・ 体の弱い少女。
死の国の裁判官。
その他。
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開演アナウンス。
客電落ちる。 ※
――――― 第 1 場 ―――――
男の声「待て!!路地裏へ回ったぞ!!逃がすな!!」
男2の声「捕まえろ!!」
男の声「抵抗すると、撃つぞ!!」
その時、銃の音が響き渡る。
一時置いて、スモーク流れ、舞台明るくなると、
舞台中央、1つの机の後ろに、神々しい態度の
死の国の裁判官立つ。裁判官、その前に大の字
に倒れている男(ジョニー)に、見入っている。
裁判官「起きなさい、ジョニー・クラウン・・・!!」
ジョニー「・・・ん・・・(目が覚める。寝っ転がったまま、そこがどこ
だか分からないように、回りを見回し、裁判官を認める
と、驚いたように起き上がる。)誰だ!!(慌てて、服の
ポケットを探り、銃を取り出し、裁判官に向け構える。)
やれるもんならやってみろ!!」
裁判官「そんなものは仕舞うのだ、ジョニー・・・」
ジョニー「(銃を構えたまま。)・・・誰だ、爺!?・・・なんで俺の
名前を知ってんだ!!」
裁判官「私は死の国の裁判官・・・。ここは、天国と地獄をつなぐ、
中継ステーションだ・・・。」
ジョニー「ちょ・・・ちょっと待てよ・・・。死の国・・・って・・・何、可笑
しなこと・・・(笑う。)」
裁判官「おまえは死んだのだ、ジョニー・クラウン・・・。(机の上の
紙を、ジョニーに見せるように差し出す)」
ジョニー「死んだ・・・?死んだだと!?(裁判官の差し出した紙を
、奪うように取り、見入る。)・・・ジョニー・クラウン・・・
1998年12月24日・・・午前3時16分・・・銃により
死亡・・・死亡!?(自分のシャツの胸の辺りを、慌てて
見る。と、そこには血の跡がついている。)・・・待ってくれ
・・・俺は・・・えっと・・・(思い出すように。)そうだ!!俺
は、嵌められたんだ!!ブライアントの奴に、いい儲け
口があるとか言われて・・・それで警官に見つかって、
路地裏に追い詰められ・・・(遠くで銃声が聞こえる。と、
ジョニー、自分の胸を見る。)撃たれた・・・。(全て理解
したように。)・・・なんだ・・・死んじまったのか・・・。(笑う
。溜め息を吐いて、胡坐をかいて座り込む。)それで・・・
?今まで散々、悪事を働いてきた俺様は、地獄へ
真っ逆様か?」 ※2
裁判官「・・・天国、地獄が最初から分かり切っている人間は、
ここへなど来ない・・・。死んで直ぐに、其々の場所へ送ら
れるからだ・・・。」
ジョニー「じゃあ、ここは地獄の入口か!?(笑う。)」
裁判官「ここは、天国へ送られるのか、地獄へ送られるのかが分
からない人間が、連れてこられる所だ・・・。ここで、どちら
に行くのが正しいか、判断するのだ・・・。」
ジョニー「俺は天国なんか、行けるような人間じゃないぜ!俺様
が自分で言うんだ!さっさと地獄へ送ってくれ!」
裁判官「それは、最近のおまえを見ていれば一目瞭然・・・だが
・・・」
裁判官、歌う。
“おまえが遠い昔から
悪だけ背負って生きたなら
何も迷わず辿り着く
そこは地獄の何ものでもない
おまえが歩き始めから
正義の塊だったなら
誰も迷わず行き着く先は
誰もが求める天の国
だけどたった一度でも
優しい思いが見えたなら
そこで分かれる2つの道
そこで迷うおまえの道”
裁判官「これを見るがいい・・・。」
上手方、スポットに子ども(ジョニーの子ども時代。)
、しゃがみ込んで膝に抱いた何かを見ている。
子ども「大丈夫かい・・・?もう、行き成り車道に飛び出すんじゃ
ないよ・・・。今日は助かったけど、とっても危ないこと
なんだ・・・。君がいなくなったら・・・(顔を上げて、遠く
を見る。)ほら、あそこで見てるママが、悲しい思いを
する・・・。ね、分かっただろ?(その時、子犬の吠える
声がする。)よおし!!いい子だ!!」
子ども、フェード・アウト。
裁判官「おまえは自分の命を賭けて、あの子犬を車から守っ
た・・・。」
ジョニー「そんなこと、あったっけ?(笑う。)」
裁判官「そのたった一度の行いが、おまえがここへ送られて
きた理由だ・・・。そこでだ・・・おまえに少し時間を
やろう・・・。再び地上へ舞い戻り、1つだけ“いいこと”
をしてくるのだ・・・。」
ジョニー「いいこと?何だそれ!」
裁判官「そう・・・いいことだ・・・。そうすれば、おまえは晴れて
天国行き・・・。」
ジョニー「俺は地獄でいいさ!!」
裁判官「いいことをする自信がないのか?」
ジョニー「ああ、そうさ!!自信なんてないね!!いいことが
なんなのかも分かんねえ!!そんなことやってまで、
天国なんて行きたくねえ!!」
裁判官「(ボソッと。)・・・駄目な人間だ・・・。たった一度の
チャンスも、ものにできないようでは、生まれ変わっても
、おまえは同じ人生を繰り返すだけだ・・・。ならば、
いっそ虫にでも生まれ変わるか?」
ジョニー「ふん!!好きにしろ!!」
裁判官「(溜め息を吐いて、首を振る。)・・・そうだ・・・おまえに
いいものをやろう・・・。」
ジョニー「(その言葉に興味を惹かれたように、裁判官の方を
チラッと見る。)・・・いいもの・・・?」
裁判官「ほら・・・これだ・・・。(差し出す。)」
ジョニー「(裁判官が差し出したものを見る。自分の目を疑うよ
うに、目を擦る。近寄り、驚いたように見る。)・・・これ
、くれるのか・・・?」
裁判官「ああ・・・おまえにやろう・・・。(微笑む。)」
ジョニー「も・・・勿論タダだろうな・・・?(受け取る。)・・・うわぁ
!!金で出来た時計じゃねぇか!!本もんだぜ、
こりゃあ!!ま・・・まぁ、くれるって言うんなら、有り難
く・・・(腕に嵌める。)」
裁判官「(ジョニーが、時計を嵌めるのを見計らって。)・・・では
・・・さっきの話しの続きだが・・・。」
ジョニー「悪いが、それとこれとは話しは別だ!いくら、こいつを
貰ったからって、俺はもので釣られるような馬鹿じゃ
ないぜ。(笑う。)あんたの話しだと、俺はこのままじゃ
天国にも地獄にもどっちにも行けないんだ・・・。って
ことはだぜ・・・?俺はずーっとここで世話になってりゃ
いいんじゃないか!!俺は地上には行かねぇ!!
そんな面倒なことは御免だね!!(大の字になって、
ゴロンと寝っ転がる。)」
裁判官「そうか・・・ならば・・・。」
ジョニー「いっ・・・いてててて・・・。(手首を押さえる。)いててっ
!!畜生・・・!!なんだ、この時計・・・?なんで締め
付けられ・・・いててっ・・・!!」
裁判官「(ニッコリ笑って。)それは、おまえがちゃんと地上に行
って、1つの幸せを見つけてくるまで、おまえを見張る
腕時計だ・・・。」
ジョニー「なんだと・・・!?こんな時計・・・!!(外そうとする。)
畜生!!なんで外れないんだ!!やい、爺!!外し
やがれ!!」
裁判官「心配せんでも、おまえが1ついいことをすれば、ちゃんと
外れるようにできておる・・・。」
ジョニー「馬っ鹿野郎!!俺は孫悟空じゃねぇ!!いててててっ
・・・!!外せ!!外せ!!(騒ぎながら、手首を押さえ
跪く。)」
裁判官「どうだ?私の言うことを聞く気になったかな?」
ジョニー「畜生・・・!!(観念したように。)わ・・・分かったよ!!
地上に行きゃあいいんだろ!!行くよ!!行くから、
時計を締め付けるのはやめてくれ!!」
裁判官「よしよし・・・。(微笑む。)」
ジョニー「くっそう・・・。(手首を摩る。)いってぇ・・・。なんて力
なんだ・・・。」
裁判官「おまえに与える時間は24時間・・・。その間に、1つの
いいことを無事、達成してくるがいい!!くれぐれも、
よからぬことは考えんようにな。いつでも、左手には
見張りが付いていることを、覚えておくのだ・・・。」
ジョニー「忘れるかよ!!」
音楽流れ、ジョニー、スポットに浮かび上がる。
ジョニー「(時計を見て。)全く・・・なんて時計なんだ・・・!!
あの糞爺、俺にいいことをしろだと!?いいことって
何なんだ!!俺は今まで、悪いことをするのに頭は
使っても、その反対に頭を使ったことなんてないんだ
!!しかも24時間以内にだなんて・・・。何すりゃ
いいのさ!!」
ジョニー歌う。
“いいこと?なんだそれ・・・
そんなこと考えたこともねぇ!
いいこと?何すりゃいいんだ
全く俺には分かんねぇ!!
天国でも地獄でも
俺には関係ないんだそんなこと
死んじまったら何処でも何でも同じこと
面倒なんて真っ平ごめんだ!!”
暗転。
――――― 第 2 場 ―――――
泣き声が段々大きく聞こえる。
と、同時に明るくなると、舞台中央、墓が1つ立って
いる。1人の青年(ジョン)、その墓に縋り、声を上げ
て泣いている。
ジョン「兄貴!!兄貴!!なんで死んじまったんだよ!!兄貴
!!オイラ、これからどうすりゃいいんだよ!!兄貴!!」
その時、ジョニー上手より登場。ゆっくり、泣いている
ジョンの側へ。横にしゃがみ込む。
ジョニー「おまえ、兄ちゃんなんかいたのか・・・。」
ジョン「(伏せって泣いたまま。)違うよ!!本当の兄貴以上に、
俺にとっちゃ大事な頼れる兄貴・・・(顔を上げる。ジョニー
を認め、その驚きに腰を抜かしたように。)あ・・・兄貴・・・
!?」
ジョニー「よっ!!元気にしてたか?」
ジョン「(墓とジョニーを見比べる。)兄貴・・・確か・・・死・・・死・・・
死・・・」
ジョニー「ああ、死んだんだ!なんだこれ、俺の墓か?(墓を見
て。)ジョニー・クラウン・・・ここに眠る・・・か・・・。(笑う
。)」
ジョン「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・」
ジョニー「まぁ、幽霊みたいなもんだな。足はあるけどよ。(足を
見せて。)ほれ!」
ジョン「あ・・・あ・・・兄貴・・・警官に撃たれて・・・」
ジョニー「ああ、ここを1発ズドーン!!(服の胸元を見せる。)」
ジョン「・・・ズドーン・・・って・・・」
ジョニー「おまえは大丈夫だったのか?」
ジョン「う・・・うん・・・。ほら、流れ弾でここんとこ掠っただけ・・・。
(服を捲くって、腹を見せる。)」
ジョニー「そっか、よかったな!」
ジョン「ゆ・・・ゆ・・・幽霊でも・・・そ・・・それ・・・それでも嬉しいよ
!!(ジョニーに抱きつき泣く。)淋しかったんだ!!」
はてさて奇妙な再会を果たしたジョニーと
ジョンですが・・・。ジョニーはどんな“いいこと”
をするつもりなんでしょうか?
それでは“2”へ続きます・・・。
※ こんな言葉は久しぶりです~^^;
※2、人形劇作品は、ご承知の通り、子ども対象作品の為、
際どいセリフや、難しい言葉使いなど、まず使わないで
あろう文章が、今作品には沢山使われています。
これは、一応、“ファミリーミュージカル作品”となって
いても、大人が見る“ファミリーミュージカル作品”だと考
えていた為、今とは私が向いている対象者が違うから
です。(キャシーも舞台の方の作品では、どちらかと言え
ば、大人対象となっていたものを、人形劇では、完全に
子ども対象に書き直したものです。)
このセリフに出てくる年数が、この作品の生まれ年です。
随分前ですね~・・・^^;
まだまだ未熟な作品ですが、お許し下さい
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
久しぶりに、少し大人チックな言い回しのセリフを書いてみて、
なんだか人形劇とは、また違う楽しさがあるなどして、
“面白いな”・・・と感じています・・・(^^♪
どら。
2012年3月4日(日)
・・・なので・・・
こちらの“ワールド”では、また、こんな少し人形劇とは違う、
ちょっと大人な作品や、その時々に私が書きたいと思った
自由な作品を、載せていけたらな・・・と思っていますので、
気長にお待ち下さい^_^;
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/performance.html
http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
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