2012年3月16日金曜日

“ライアン” ―全8場―

グーグル版“ワールド”での発表が一番最初となる脚本を
  書き始めました(^^)v
  まだ途中ではありますが、形は出来上がっているので、
  少しずつご紹介していこうと思います(^.^)

  不思議な感覚のお話しが書いてみたくなり、出来た作品
  “ライアン”、ご覧下さい<(_ _)>

 

                          どら。



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   〈 主な登場人物 〉

   ライアン  ・・・  本編の主人公。 未来に住む少年。

   マイク  ・・・  ライアンのひいひいお祖父さん。

   ジェシカ  ・・・  マイクの妻。       ※     

   
   その他  
                   

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     ――――― 第 1 場 ―――――

          幕が上がる。と、街の路地裏。
          薄明かりの中、辺りを静寂の時が包む。
          そこへ上手より、後ろを気にしながら、
          慌てた様子で腕を押さえ、一人の青年
          (マイク)、走り登場。

  マイク「(息を切らせて。)いってぇ・・・(中央に積み重ねてあった
      木箱の後ろに身を潜める。)」

          そこへ上手より、銃を片手に数人の警官、
          誰かを追い掛けるように、走り登場。

  警官1「待てーっ!!」
  警官2「何処へ行った!?(キョロキョロする。)」
  警官3「全く、逃げ足の早い・・・」
  
          その時、下手より声が聞こえる。

  声「わあーっ!!この人、怪我してるんじゃないかーっ!!」

          警官達、その声に顔を見合わせる。

  警官1「おい!!」

          警官、その声に引き寄せられるように、下手
          へ走り去る。警官去るのを見計らってマイク、
          物陰から登場。

  マイク「そろそろヤバいかな・・・。まだ顔は知れてないだろうけど
      ・・・。足が付くのも時間の問題だな・・・。(座り込む。)」

          一時置いて、下手より後ろを気にしながら、
          一人の少年(ライアン)楽しそうな様子で登場。
          マイクに近寄る。

  ライアン「お巡りさん行ったよ。(マイクを覗き込んで。)あらら・・・一杯
       血が出てるね・・・。痛そうだ・・・。」
  マイク「・・・誰だ・・・」
  ライアン「僕はライアン。ねぇ、痛い?」
  マイク「(ライアンの言葉は無視するように、辛そうにゆっくり立ち上が
      り、上手方へ足を引き摺り、少しずつ進む。)」
  ライアン「もうお巡りさん、来ないよ。」
  マイク「(怪訝そうにライアンを見る。が、知らん顔して上手方へ行き
      かける。)」
  ライアン「そんな傷で何処行くの?死んじゃうよ。(笑う。)」
  マイク「煩いな・・・。俺が死のうが生きようが、おまえには関係ない
      だろ。さっさとママの待つお家へ帰って、ぬくぬくしてろ!!」
  ライアン「冷たいなぁ・・・。(笑う。)あなたが死んだら、困るんだ僕。」
  マイク「ふん・・・」
  ライアン「ねぇ、その傷・・・治してあげようか?」
  マイク「あのな・・・そんなつまんない冗談言ってないで・・・」
  
          ライアン、マイクの腕を掴む。と、みるみる傷が
          治ったように。

  マイク「・・・(驚いて傷を見詰める。)おまえ・・・」
  ライアン「血、止まったね。」
  マイク「一体どうやって・・・」
  ライアン「じゃあね、お兄さん!また会いに来るよ!(手を振り、上手
       へ走り去る。)」
  マイク「あ・・・おい!!」

          マイク、スポットに浮かび上がり歌う。
          (紗幕閉まる。)
          紗幕前。

          “誰だあいつ・・・
          青く澄んだ瞳で俺を見る・・・
          どこかで会ったか
          魔法使いかマジシャンか・・・
          はたまた天使か分からない・・・
          やたら慣れ慣れしく
          妙に懐かしい・・・
          何故だか変な感覚だ・・・”

          暗転。

     ――――― 第 2 場 ――――― A

          音楽流れ、紗幕開く。と、未来の風景。
          上手より、ライアン登場。元気良く歌う。

          “楽しいことが大好き
          愉快なことが大好き
          面白いこと冗談だって
          大笑いするようなことが
          大好きさ
          冒険が大好き
          ワクワクが大好き
          ドキドキすること興味津々
          僕は気になることには
          何でも挑戦するんだ!”

     ――――― 第 2 場 ――――― B

  声「ライアーン!!」

  ライアン「やばい!!」

          ライアン、下手へ走り去る。
          入れ代るように、下手より車椅子に乗った
          一人の老人(マイク)、ゆっくり登場。
          上手より、ライアンの母登場。

  母「ライアーン!!宿題は済んだのー!?ライアーン!!あ、おじい
    さん、ライアンを見なかったかしら!?」
  マイク「わしは知らんのぉ・・・」
  母「もう本当に、逃げ足だけは早いんだから!おじいさん!ライアン
    を見かけたら、私が捜していたと伝えて下さいね!!」
  マイク「ああ・・・分かったよ・・・。」
  母「(溜め息を吐く。)もう全く・・・。あの子ったら・・・親の言うことなん
    て、どこ吹く風ね!自分が興味のあることなら、誰が何も言わな
    くても、サッサと行動する・・・悪いことは見過ごせない正義感・・・
    一体誰に似たのかしら・・・。」

          母親、ブツブツ言いながら、上手へ去る。

  マイク「ライアンは、わしの妻、ジェシカの子どもの頃にそっくりじゃよ
      ・・・。(笑う。)」

          ライアン、母親が去るのを見計らって、
          ゆっくり下手より登場。

  ライアン「ふう・・・」
  マイク「(ライアンを認め。)ライアン・・・、お母さんがえらく探し回って
      おったぞ。」
  ライアン「ふん!いいんだ!母さんなんか、宿題しろだの勉強しろだ
       のお使い行けだの・・・煩くって!」
  マイク「おいおい・・・。母さんをそんな風に言っちゃいかんな・・・。」
  ライアン「いいんだよ!おじいさん!!もしまた母さんに僕のことを
       聞かれても知らないって言っといてよ!」
  
          その時、マイクが手に持っていた小型テレビ
          の音声が流れてくる。

  声「・・・臨時気象ニュースです。太平洋沖で発生した大型のハリケ
    ーンが、明日、本土へ最接近、その後上陸する模様です・・・。」

  ライアン「ハリケーンだって!今夜、遊びに出られないや!ちぇっ!
       地下シェルターで休まなけりゃいけないなんて最悪だ!!
       ジョニーん家はいいよなぁ。父さんが瞬間移動民族だから、
       隠れなくていいんだもんな。シュッと忽ち、海外だって何処
       へだって行けちゃうんだから・・・。」
  マイク「これこれライアン、人を羨むな。それに今は何処の家にも
      地下シェルターなんてもんがあるから、いいではないか。・・・
      わしらが若い頃には、ハリケーンが来たって、逃げる場所な
      どなかったんじゃぞ。」
  ライアン「じゃあ、ハリケーンが来たら如何したの?」
  マイク「避けて行ってくれるのを願うだけじゃよ。」
  ライアン「まさか・・・。(笑う。)」
  マイク「走って逃げた所で、追い付いかれて巻き込まれてしまうのが
      目に見えておるじゃろう・・・。」
  ライアン「そんなこと・・・嘘だ・・・。」
  マイク「・・・嘘なものか・・・。ライアン、こっちへ来ておくれ・・・。」
  ライアン「何?ひいひいおじいさん・・・。」
  マイク「・・・わしは、もう長くは生きられん・・・。そこで、おまえに一つ
      だけ頼みがあるんじゃ・・・。」
  ライアン「頼み・・・?どんなこと・・・?」
  マイク「わしは、若い頃の過ちから・・・一つだけ後悔しておる出来ごと
      があるんじゃ・・・。」
  ライアン「後悔していること・・・?」
  マイク「ああ、そうじゃ・・・。(写真を取り出し、ライアンへ差し出す。)」
  ライアン「何・・・?」
  マイク「そこに、女の人が写っておるじゃろう?」
  ライアン「うん・・・。とても綺麗な人だね。」
  マイク「おまえのひいひいおばあさん・・・わしの妻だった人じゃよ。」
  ライアン「ひいひいおばあさん・・・?」
  マイク「おまえの瞳の色は、そのジェシカに瓜二つじゃよ・・・。おまえ
      を見ていると、ジェシカを思い出す・・・。わしらは子どもの頃
      からの、幼馴染だったんじゃ・・・。ジェシカは、子どもの頃は
      男の子と間違えられる程、元気でお転婆な女の子だったよ
      ・・・。丸で今のライアンのように・・・。(笑う。)」
  ライアン「そのジェシカおばあさんは、若くして亡くなったんでしょ?」
  マイク「・・・ああ・・・。わしのせいで・・・な・・・。」
  ライアン「おじいさんのせい・・・?おじいさんのせいって・・・」
  マイク「ライアン・・・タイムマシンで過去のわしの過ちを正して来て
      くれないか・・・。そして、ジェシカの命を救っておくれ・・・。この
      年寄りの最後の頼みじゃ・・・。」
  ライアン「おじいさん・・・けど、命を救うって・・・どうやって・・・」
  マイク「わしがまだ若かりし頃・・・ジェシカとジャック、3人で幸せに暮
      らす一方で、ジェシカには内緒でわしは・・・良からぬ奴らと手
      を組み、悪事に加担しておったのじゃ・・・。そして、130年前
      の5月10日・・・わしはその日もまた、そんな奴らの誘いに乗
      って、ジェシカが止めるのも聞かず、家を出て行ったのじゃ。
      金さえあれば・・・家族が幸せに暮せると信じて・・・。しかし、
      その日は・・・今なお語り継がれておる、国を壊滅状態に陥れ
      ることになった、あの巨大ハリケーンが本土を襲った日・・・。
      ジェシカはそのハリケーンに・・・」          ※1
  ライアン「ハリケーンに・・・?(手に持っていた写真を見る。)」

          ライアン、マイク、セリ下がる。

     ――――― 第 3 場 ――――― A

          音楽流れ、入れ代るように、前方ジェシカ、
          セリ上がる。(紗幕閉まる。)
          紗幕前。ジェシカ歌う。

          “今日になれば昨日より
          明日になれば今日この時より
          少しでも良くなると信じて
          歩いているけれど・・・
          何故だか少しの不安が
          心を過るの・・・
          大切な時間のこの時を・・・”

  ジェシカ「一体、あの人は何時もどこで何をしているのかしら・・・。
       フラッと出て行ったかと思えば、お金を持って帰って来る・・・。
       そしてまた・・・。あの人の後ろに見え隠れする良くない影が、
       とても気になるの・・・。いい儲け話しの仕事が見つかったか
       らと、突然会社を辞めて、あの人達と、付き合うようになって、
       急に羽振りが良くなったような気がするわ。いい儲け話しって
       一体・・・」



   
   
    

           ――――― “ライアン”2へつづく ―――――








    ※ この“マイク”と“ジェシカ”と言う名前、よーく覚えておいて
      下さい(^^)v人形劇での今年発表4作品の中の一作で、
      とても重要な人物として登場します(^.^)


    ※1 130年以上も生きるか!・・・と、言われるかも知れま
       せんが、後で、ライアンくん、ちゃんと「未来では寿命が
       延びて・・・云々・・・」と、説明しておりますので、ご安心
       を・・・^_^;




    


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        書き上がったので、“8場”となりました(^^)v

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