犬たち上手へ去る。
ジュリー、犬たちに続いて行きかけ立ち止まる。
(音楽変わる。)
ジュリー歌う。
“あなたに会えるわもう
直ぐに行くから
会いたくてここに来た
ドキドキしてる
ドキドキしてる・・・”
犬1の声「早く来いよーワン!!」
ジュリー、上手へ去る。
紗幕閉まる。
――――― 第 6 場 ―――――
下手より村長とアナベル、話しながら登場。
(左・アナベル、右・村長)
村長「で、アナベル、この間傷だらけでやって来たノラ犬は、ま
だ目が覚めないのかワン?」
アナベル「ええ、お父様ワン・・・。きっと人間の車にでもぶつけ
られて、そのままほったらかしにされたのよワン。」
村長「そうかワン・・・。この村は人間に酷い目にあわされた犬
たちが、行く場所がなくて集まって来る村ワン・・・。」
アナベル「人間なんて大っ嫌いワン!!お父様も私も・・・飼い
主だった人間に、新しい動物を飼うんだって丸でゴミ
のように捨てられたのよワン!!雨の降るアスファル
トの冷たい道の真ん中にワン・・・。」
村長「やめなさいアナベルワン・・・。人間全てが悪い者ばかり
ではない。中には我々を本当の友達のように、生涯可愛
がってくれる人間もいるんだワン・・・。」
アナベル「嘘よ!!そんな人間いる筈がないわワン!!」
村長「アナベル・・・そうだな・・・ここは私たちのような、可哀相な
境遇の犬たちが沢山いるんだったな・・・ワン。」
アナベル「・・・そうよ・・・ワン。」
紗幕開く。と、村長の家の中。
下手方、ベットの上にプッチ、横になっている。
アナベル、プッチの側へ。
※
アナベル「(プッチの額へ手を置く。)だいぶ熱が下がったみたい
ワン。」
村長「そうか、それは良かったワン。ならもう少しで目が覚める
かも知れないなワン。アナベル、そのノラ犬のことは頼んだ
ぞワン。」
アナベル「はい、お父様ワン。」
村長、下手へ去る。
音楽流れ、アナベル歌う。
“あなたはどうしてここに来たの
酷い傷 高い熱 辛そう・・・
どんな風に辛い目に
あってきたの
ここまでどうやって
辿り着いた”
そこへ上手より、犬1登場。
犬1「アナベルお嬢さん、村長さんはワン?」
アナベル「お父様なら奥にいるわワン。」
犬1「アナベルお嬢さん、その犬・・・」
アナベル「ええ。まだ気が付かないのワン・・・。」
犬1「そうなんですかワン・・・。」
アナベル歌う。
“いつかは帰るの
あなたの場所
私の知らない
あなたの場所
こんなになるまで
力を出し
辿り着いたの コーラス“着いたの
あなた誰 誰なの
手が届きそう” 帰るの・・・”
下手より村長登場。
村長「どうしたワン?」
犬1「あ、村長ワン!そのノラ犬を捜しにやって来たとか言う、
娘犬を連れて来たんだワン。」
アナベル「え・・・?」
村長「本当なのかワン?」
犬1(頷く。)」
村長「ここへ呼んで来なさいワン。」
犬1「はいワン!(上手を見て。)おーい!!(手を振る。)」
上手よりジュリー登場。
プッチを認め駆け寄る。
ジュリー「プッチ・・・プッチ!!やっと見つけたわ!!あなたの
ことをどれだけ捜し回ったか!!プッチ・・・プッチ!!
ああ、よかった!!やっと会えた・・・!!どうしても見つ
からなくて諦めかけた時、昔ママに教えてもらったこの
国のことを思い出したのよ。それでもしかしたらって・・・」
村長「その犬の名前はプッチと言うのかねワン?」
ジュリー「え・・・?あ・・・はい・・・!この犬の名前はプッチ・・・。
私の・・・(口籠る。)」
アナベル「あなた・・・その犬とどんな関係なのワン・・・?」
ジュリー「え・・・っと・・・」
アナベル「えらく親し気だけどワン・・・」
ジュリー「あ・・・あの・・・私の家・・・とプッチの家が・・・お隣同士
だったの!!そう!!私の飼い主とプッチの飼い主が
・・・」
アナベル「ふうん・・・」
ジュリー「でもプッチ・・・どうしてこんな大怪我を・・・?」
村長「それがよく分からないのだよワン。この村へやって来た時
には、もう口も利けないような状態で、ずっと眠ったままな
のだワン。」
ジュリー「プッチ・・・」
※2
アナベル「私がずっと看病してるのよワン!」
ジュリー「え・・・あ・・・ありがとう・・・。」
アナベル「あなたにお礼を言われる筋合いはないわワン!」
村長「これアナベル!お客様だぞワン。」
アナベル「ふんっ!(下手へ去る。)」
ジュリー「プッチ・・・プッチ・・・」
ジュリーのプッチを呼ぶ声が木霊する。
全員下がり、入れ代わるようにプッチ上がる。
(スモーク。背景変わる。) ※3
――――― 第 7 場 ―――――
(プッチの回想。)
音楽流れ、プッチ歌う。
プッチ(エコー)「ジュリー・・・僕はいつも君と一緒にいられるだけ
で幸せだったんだ・・・。たとえ姿形や言葉は違っ
ても・・・」
“ああ僕はいつも
君といれば
ああただそれだけ
僕の願いだ”
ジュリー、上がり歌う。
プッチ“ああいつも2人 ジュリー“あなたはどこに
丘に登って 側にいて
いつも一緒だから 大切だから”
君と駆けるんだ”
一匹の犬(ジョン)上がる。
ジュリーの側へ。
ジュリー「ジョン!ジョン!」
ジョン「(嬉しそうに。)ワンワンワン!」
ジュリー「くすぐったいわ!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー「あはははは・・・ジョンったら!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー「あはははは・・・ジョン、行きましょう!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー、ジョン下がる。
プッチ「ジュリー!!」
プッチ歌う。
“ああ君の側に
いればいい
ああただそれが
僕の願いだ”
プッチ「ジュリー・・・」
紗幕閉まる。
――――― 第 8 場 ―――――
下手より犬たち、ジュリー、話しながら登場。
最後からアナベル、不審気にジュリーを見な
がら登場。犬たちに続く。
犬1「ねぇ、君はどこから来たんだワン?」
犬2「どんな辛いことを人間にされたのワン?」
ジュリー「え・・・?」
犬3「ここに来る犬たちは、みんな人間に酷い扱いを受けてきた
んだワン。」
犬1「ほら見てくれよ僕のひげ・・・半分しかないんだワン・・・。こ
んなに格好が悪いのは、人間が面白半分で、ハサミで僕
の大切なひげをちょん切ったからなんだ・・・。おかげで上手
く歩けないワン・・・。」
ジュリー「・・・そうなの・・・」
犬3「人間なんて、自分たちの楽しみの為だけに、僕たちを側に
置こうとするワン。」
犬2それで飽きたらポイ・・・なのよワン。」
アナベル「それで・・・?あなたはどんな酷い目にあわされたの
ワン?」
ジュリー「私・・・私は・・・人間はそんな風に酷い人ばかりじゃな
いと思うわ・・・」
犬1「え・・・?ワン。」
ジュリー「私はそんな風に酷いことはしない・・・」
アナベル「私・・・?私ですってワン!?」
ジュリー「あ・・・私じゃなくて・・・私の飼い主は・・・よ!!私の飼
い主のことよ!!」
アナベル「あなた・・・なんだか変ね・・・ワン。」
ジュリー「そ・・・そんなことないわ・・・ワンワン!!(わざとらしく
。)」
犬3「アナベル・・・ジュリーが変ってどうして・・・ワン・・・」
その時、ジュリーの犬の耳が消える。 ※4
犬2「ジュリー・・・あなた・・・耳が・・・ワン・・・」
ジュリー「え?」
犬1「耳がないぞワン!!」
犬3「ジュリーの耳は、人間そっくりだワン!!」
ジュリー「嘘・・・!!もう10時間経ったの!?」
緊迫した音楽流れる。
犬1「人間だ・・・人間が紛れ込んでるぞワン!!」
犬3「人間だーワン!!」
犬1「やっつけろワン!!」
犬2「私たちの敵よ!!人間なんてワン!!」
犬たち「ウー・・・・ワンワンワン!!」
犬たち色めき立ち、ジュリーの回りを囲み
歌う。
“俺たちの敵だ”
犬1「俺たちの敵だワン!!」
犬2「人間なんかワン!!」
犬3「やっちまえワン!!」
“自分のことだけ コーラス“敵 敵
敵 敵
人間なんて” 敵 敵”
ジュリー「そんなことないわ!!私たちはあなたたちの敵じゃな
い。いつもあなたたちと仲良くしたいと思ってるのよ!!
だから・・・」
犬1「そんな言葉、信用できるもんかワン!!」
犬3「そうだワン!!」
犬2「ワンワン!!」
ジュリー「信じて!!」
“俺たちの敵だ”
ジュリー「待って・・・待って!!私は何もあなたたちを苦しめよ
うと思って来たんじゃないわ!!私はプッチを捜しに来
ただけ・・・」
アナベル「・・・プッチはあなたになんて渡さないわワン!!」
ジュリー「お願い・・・私にプッチを返して・・・」
犬1「追い出せーワン!!」
犬3「この村から今直ぐ追い出すんだワン!!」
ジュリー「待って・・・待って!!」
“人間てやつは
自分のことしか
頭にないぞ”
犬1「俺はひげを切られたワン!!」
犬3「俺は冷たい野原に捨てられたワン!!」
犬2「私は鎖につながれたままほったらかしワン!!」
“俺たちの敵だぞ コーラス“敵 敵 敵 敵
すべて” 敵 敵”
犬1「人間なんて、俺たちをおもちゃかなんかだと思ってやがる
ワン!!」
犬3「そうだワン!!」
“自分 勝手に
生きて るのさ”
“自分の思うまま
捨てたり拾ったり
弱い者いじめだ
勝手な奴人間”
ジュリー“違うわ そんなことはない”
ジュリー「お願い!!人間を嫌わないで!!」
“自分の思うまま
捨てたり 拾ったり
弱い者いじめだ
勝手な奴人間
好き放題生きてる
俺たちをおもちゃと
生きる仲間なんだ
俺たちだって生きてる”
その時、上手より犬4、走り登場。
犬4「大変だーワン!!(息を切らせて。)大変なんだワン!!」
犬2「どうしたのワン?」
犬4「それが村長さんの納屋が・・・」
アナベル「え!?」
犬の声「村長さん家の納屋が火事だー!!」
アナベル「お父様!!」
犬たち下がる。(音楽流れる。)
――――― “ワンダフルToday!
―君と僕の新しい出会い―3へつづく ―――――
※ バレてます・・・?^^;
先の背景は村長さん家の中になっていますが、この写真
ではまだ前場の背景のままです(>_<)
・・・と、言うことは、この絵の方が先の絵の場面より前と
言うことで、よって台本中の“紗幕”云々・・・はナシにして、
6場の頭から背景引き抜きで場面転換しています^_^;
・・・と言うことです^^;
後日談ですが・・・子どもがプッチくんの寝ている前辺りに
座って見ていたそうなのですが、「プッチがずっとこっち見
てた~!!」と、言っておりました(-_-;)
その写真が・・・↓・・・です^^;・・・成る程・・・だと思いませ
んか・・・?^^;
※2 お分かりになるでしょうか^^;
ジュリーちゃん、犬のお耳を付けています(^^)v
犬に変身したジュリーちゃん写真の貴重な一枚です♥
※3 ここからが、グーグル版“ワールド”でお聞き頂いたお稽
古音声の場面になります(^^)
※4 写真でもお分かりのように、この場面、最初からジュリー
ちゃん、人間バージョンに戻っています^^;
前場のプッチくんの回想場面での続きから、犬バージョン
と人間バージョンの早替えが出来なかった為、人間に
戻って登場させました(>_<)
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://blog.goo.ne.jp/ritorupain2005
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
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