2012年1月9日月曜日

“キャシーの森”2

           
              キャシーとクルト。         
         
            音楽流れる。

       クルト「行こう!!キャシー!!」
       キャシー「ええ・・・」

            2人歌う。(紗幕閉まる。)                 

            クルト“願いを叶える5人の妖精
                5つの石を揃え願うのさ”

            キャシー“どうしてそんなこと?”

            クルト“何が?”

            キャシー“私の願いごと・・・”

            クルト“それが?
                キャシーの願いは僕のもの”

            キャシー“そんな風に言ってくれる人と
                  初めて出会った
                  今まで私の近く
                  1人もいないわ・・・”

       クルト「キャシー!!こっちだよ!!この小川を超えたら、
           泉の精の洞窟だよ!!」
       キャシー「あ、待って・・・待ってよーっ!!」

            2人、下手へ去る。

       ――――― 第 5 場 ―――――

            音楽流れ、紗幕開く。と、洞窟。中央に泉の精。

            クルト、キャシー、下手より回りを見回しながら、
            ゆっくり登場。

       クルト「泉の精ー・・・!泉の精ー・・・!」
       泉の精「こんにちはクルト・・・」
       クルト「あ、泉の精!」
       泉の精「珍しいですね。あなたがこんな洞窟深く、私に
            会いに来るなんて・・・」
       クルト「はい!キャシーを案内して来ました。」      
       泉の精「(頷く。)こんにちは、キャシー。」
       キャシー「あなたが・・・泉の精・・・?」
       泉の精「私の石を貰いに来たのでしょう?」
       キャシー「そうなの!!私、石を集めて家へ帰るのよ
            !!」
       泉の精「そうねぇ・・・あげてもいいけれど・・・」
       キャシー「何なの?あなたも私に何か質問するつもり
             !?」
       泉の精「あなたが感動したお話しを、聞かせてちょう
            だい。」
       キャシー「・・・感動・・・?」
       泉の精「そう・・・。あなたはいつもお友達に偉そうだっ
            たり、冷たかったり、意地悪だったりするけれど
            ・・・自分の心を揺さぶるような感動に、出会っ
            たことはないのかしら・・・?」
       キャシー「煩いわね!!あるわよ・・・!!あるわよ
             感動したこと・・・。こないだ見た映画が・・・」
       泉の精「(首を振る。)」
       キャシー「100点取ったテストの答案用紙を見た時
             ・・・ずっと探してた手袋の片方が見つかった
             時・・・パパがなんでもない日にケーキを買っ
             て来てくれた時・・・ハンバーガーその
             ピクルスがいつもより1枚多かった時・・・」
       泉の精「(笑う。)所詮、あなたの感動ってその程度・・・
            。そんなのは感動とは言わないわ・・・。
            誰にでもある、ちょっとしたラッキーな出来ごと
            ・・・。そんなことに感動したなんて
            可笑しな話しね。(クスッと笑う。)」
       
            音楽流れる。

       キャシー「あるわ・・・感動いたこと・・・。このあいだの
             夏休みに、家族みんなで行ったキャンプ
             旅行・・・。パパとママと弟達がいて・・・
             みんなで横になって見上げた星空・・・。
             キラキラ輝く、都会で見たことのない夜空に、
             すごく感動したわ!!なんて綺麗な星空・・・
             パパもママも、弟達もいて・・・帰りたい・・・
             私・・・家族のところへ帰りたいの!!
             だから、あなたの石がいるの!!お願い!!
             私にあなたの石をちょうだい!!」

     
             クルト・泉の精・キャシー。



            キャシー歌う。

            “心を震わす そんな感動
            ちっぽけなことでも
            誰にもある筈
            暖かな愛
            胸の中 溢れかえるわ
            家族の温もり包まれ
            思い出す私の居場所
            だから帰るの
            誰でも感じる筈よ
            心が思い満たされ
            思い出す幸せな時
            それが感動・・・”

       キャシー「私には帰る場所があるの・・・」
       泉の精「あなたの言うことは分かりました・・・。
            人間の気持ちって、よく分からないけれど・・・
            あなたの言う、そんな些細なことでも・・・それが
            感動だと言うのなら、そうなのかも知れないです
            ね・・・。はい・・・。(石を差し出す。)私の石を
            持って行きなさい・・・。」
       キャシー「・・・ありがとう・・・!!」

            キャシー、クルト残して、紗幕閉まる。

       ――――― 第 6 場 ―――――

       クルト「(嬉しそうに。)よかったね、キャシー!!」
       キャシー「クルト・・・」
       クルト「やっと名前を呼んでくれた。」
       キャシー「あ・・・どうしてそんな嬉しそうな顔するの・・・
             ?」
       クルト「え?だって、友達の願いが叶うんだ!!
           嬉しいに決まってるじゃないか!!」
       キャシー「友達・・・?」
       クルト「変なこと聞くんだな、キャシー。さあ、これで4つ
           の石が集まったね!」
       キャシー「ええ!後は1つ・・・もう少しで家へ帰れるの
             ね、私!!」
              クルト「うん!」
       キャシー「・・・それで・・・?」
       クルト「え・・・?」
       キャシー「次の妖精は、どこへ行けば会えるの!?」
       クルト「・・・次・・・?」
       キャシー「そう!」
       クルト「さあ・・・」
       キャシー「さあ・・・?」
       クルト「実は・・・僕も最後の、大木の精にだけは今だ
           かつて・・・お目にかかったことがないんだ!!
           (笑う。)」
       キャシー「お目にかかったことがないですって!?
             あなた、この森のことなら、なんでも知って
             るんだ!!って自慢してたじゃない!!」
       クルト「う・・・うん・・・。だけど大木の精だけは、1度も
           姿を現したことがないから・・・。そうだ!!
           長老なら知ってるかもしれないよ!!長老に
           聞いてみようよ!!長老ー!!長老ー!!」
      
       長老の声「なんだ大きな声で・・・」

           中央、長老後ろ向きにセリ上がる。  

       クルト「(長老を認め、駆け寄る。)あ!!長老!!
           キャシーがとうとう最後の大木の精に会う
           ところまできたんだけれど、僕も大木の精に
           だけは、今まで1度も出会ったことがなくて・・・
           案内係の役目が果たせなくて困ってたんだ!
           ねぇ!長老なら大木の精のことは勿論知って
           るよね!一体どこへ行けば・・・長老・・・?
           長老・・・?」
       長老「全く・・・さっきからギャーギャーと煩い小鳥だ・・・
           。」
       クルト「長老・・・じゃない・・・?誰!?」
       長老(大木の精)「(溜め息を吐く。頭巾を外す。)
                  やれやれ・・・ようやく俺様が相手を
                  する人間が、ここまでやって来たか・・・」
       キャシー「大木の・・・精・・・?」
       クルト「長老は・・・?」
       大木の精「(笑う。)長老・・・?長老なんかおまえ達が
              勝手に考えた、ただの空想の年寄りだ!!
              この森に長老なんか実際にいるものか!!」
       クルト「嘘だ・・・嘘だ・・・嘘だ!!長老が本当はいない
           なんて嘘だ!!(大木の精に詰め寄る。)」
       キャシー「クルト!!」
       クルト「嘘だ!!長老が空想だったなんて嘘だ!!」
       大木の精「煩い!!長老だと!?笑わせるな!!」
       クルト「嘘だ!!」
       大木の精「煩くするなら、おまえも黙らせて空想にして
              やる!!(クルトに向かって、手を差し出し
              魔法をかける。)」
       クルト「あっ・・・!!(倒れる。)」
       キャシー「クルト・・・?クルト!!(クルトに駆け寄る。)
             あなた、クルトに何をしたの!?」
       大木の精「(笑う。)俺様に煩く詰め寄るからだ!!
              後、数分もすればその鳥は、2度と目を
              覚まさなくなるだろう。これで静かになるな。
              (笑う。)さぁて・・・おまえは俺様の石が欲しい
              んだろう。俺様は、他の妖精達のように、
              そんな簡単に石はやらんぞ!!一体、
              どんな難題に答えてもらうとするかな。
              (笑う。)」

            音楽流れる。




              
           魔法にかけられてしまったクルト・・・!!  
           このまま息絶えるのでしょうか・・・。
           それでは“キャシーの森”3完結編へ。              

    ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪   
       
                  キャシー・長老・クルト



              長老の頭巾を取ると、その下には・・・。




           (どら一言^^;)

    この作品は、色々なところで言っていますが、私の原点の
    ような作品です(^^)この間見つかった、初期の台本を読み直
    していると、内容自体はあまり変わりはないのですが、初期
    は、大人向きファミリーミュージカル作品、今回は子ども向き
    ファミリーミュージカル作品・・・と対象者が違う為、言葉使い
    などにもその違いがハッキリと見て取れます(^^♪初めの頃は、
    ファミリーミュージカル作品と言いながら、こんな言葉、子ども
    には分かれへんやん・・・と言った台詞回しを平気で使ってい
    るのです・・・(^_^;)

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