2012年1月25日水曜日
“未来への贈り物” ―全6場― 2
「息が・・・息が・・・!!」
そらと、ブルー。
そら「変な奴だな・・・。それより、おまえもこの場所の担当?
ゴミ拾いさぼるなよな。」
ブルー「ゴミ拾い・・・?」
そら「ほら、袋持って!(ゴミ袋を手渡す。)」
ブルー「え・・・?」
そら「ほら、早く拾えよ。」
ブルー「う・・・うん。(ゴミを拾う。)・・・あ・・・!ぼ・・・僕、こんな
ことしてる暇なかったんだ!!」
そら「・・・暇がないってどう言うことだよ。今日は、ゴミ拾いの日
だろ?」
ブルー「・・・僕・・・この世界の人間じゃないんです!!」
そら「え?」
ブルー「僕、今から200年先の未来から、タイムマシンに乗って
やって来ました!!」
そら「(笑う。)タイムマシンなんて、ある訳ないだろ!マンガの
見過ぎだよ。」
ブルー「本当なんです!!僕は200年後の世界から・・・」
そら「まぁ、確かに格好は変わってるけど。」
ブルー「本当なんだ!!」
そら「分かった分かった!さ、早くゴミ、拾ってしまおうぜ。でない
と、またうるさく言われてしまう。」
ブルー「これを見て・・・(首から提げていたものを外し、放り投げ
ると、大きい音と煙が上がり、タイムマシンが現れる。)」
そら「わあっ!!な・・・なんだ、これ!!」
ブルー「タイムマシンです。」
そら「タイムマシン!?嘘だろ!!」
ブルー「本当です。僕は、これに乗って未来の世界からやって
来たんです。」
そら「へぇーっ!!(タイムマシンを珍しそうに見回す。ブルーを
マジマジ見て。)・・・魔法使いでもなさそうだし・・・いきなり
こんな物が出せるなんて・・・。おまえ・・・誰?」
ブルー「だから僕は200年後の未来からこれに乗って・・・!!」
そら「・・・本当に・・・?」
ブルー「うん!!」
そら「・・・これがタイムマシンだって・・・?」
ブルー「うん!!」
そら「・・・だったら・・・おまえみたいな子どもが、何しにこの時代
に来たんだよ・・・」
音楽流れる。
ブルー「それは・・・」
そら「可笑しくない?」
ブルー歌う。
“僕の住む未来は今
マスクなしで息もできない・・・
花も咲くことない・・・
そんな未来・・・変えれるのなら・・・”
ブルー「200年後の地球は・・・大気汚染により、もう住むことが
できないんです・・・。僕達は明日、地球を捨てて他の星
へ移住する・・・そんな未来なんです・・・。」
そら「地球を・・・捨てる・・・?」
ブルー「はい。でも、僕の知っている博士が、空気浄化装置を
作ったんです!!」
そら「空気・・・浄化装置・・・」
ブルー「(頷く。)それが完成すれば、僕達の世界をこの時代の
ように、草木が茂り花々が咲き誇る、美しい世界に戻す
ことができるんです!!」
そら「よかったじゃないか!!」
ブルー「・・・でも・・・その装置を完成させる為には、アルミホイル
と言う、僕達の世界にはない物質が、どうしても必要
なんです。」
そら「・・・アルミホイル・・・?」
ブルー「そこで僕は、この時代にやって来たんです。」
そら「アルミホイルなら、どこの家にも一つや二つ、あると思う
けど・・・」
ブルー「本当に!?」
そら「ああ。(ポケットから、アルミホイルで包んだ何かを出す。)
ほら・・・これは今朝、母さんが握ってくれた、おむすびを
包んだ・・・」
ブルー「これが・・・アルミホイル!?」
そら「あ・・・うん・・・。」
ブルー「これ、僕にください!!もし貰えるなら、何でも君の言う
こと聞きます!!」
そら「変な奴だな・・・。こんなのでよかったら、いくらでもやるよ。
さっき無理矢理ゴミ拾わせたしな。」
ブルー「本当!?」
そら「ああ。」
ブルー「ありがとう!!(そらの手を握る。)」
音楽流れる。
ブルー「僕はブルー!!よろしく!!」
そら「俺はそらだ!!」
2人歌う。
ブルー“君に会えたから
未来に希望が”
そら“遠い国 やって来た君
手を貸す今
未来を取り戻す為に”
ブルー“過去の宝物
未来の希望さ”
そら“この地球に続いた道
君と出会う今
奇跡のような今だから”
そら「うちに来いよ!!新しいアルミホイル、母さんに貰って
やるよ!!」
ブルー「本当!?」
そら「ああ!!」
2人、下手へ去る。
紗幕閉まる。
――――― 第 3 場 ――――― A
音楽流れ、上手より2人の黒ずくめの男、登場。
(左)男1、(右)男2。
男1「おいおい、今の見たか?」
男2「ああ・・・」
男1「あの少年が首からぶら下げてたおもちゃが、一瞬にして
でっかくなったり消えちまったり・・・」
男2「ああ・・・」
男1「あんな不思議な物、高く売れるぜ!!」
男2「ああ・・・」
男1「あのお宝を頂戴するとしようぜ!!」
男2「ああ・・・」
男1「なんたって俺達は天下の泥棒様だ!!」
2人歌う。
男2“ああ”
男1“頂くぜ!”
男2“ああ”
男1“手に入れる
俺たちゃ泥棒 天下の大泥棒
宝を見つけて悪事を働く
俺たちゃ泥棒 天下の大泥棒
金品みつけりゃ拝借するだけ”
男2“ああ”
男1“頂くぜ!”
男2“ああ”
男1“手に入れる
俺たちゃ泥棒 天下の大泥棒
宝を見つけて右に左に
俺たちゃ泥棒 天下の大泥棒
悪態ついて宝を頂く”
男2“ああ”
男1“さあ行くぜ”
男2“ああ”
男1“進め”
男2“ああ”
男1“行こう”
男2“ああ”
男1“続け!!”
男2“ああ・・・ああ・・・”
男1“俺たちゃ泥棒 天下の泥棒さ!!”
――――― 第 3 場 ――――― B
紗幕開く。
2人、一寸端へ。(電柱の陰に隠れるように。)
そこへ下手よりブルー、そら登場。
そら「へぇ・・・未来には、花も木もないんだ。」
ブルー「うん、だから・・・(一本の桜の木を見つけ、駆け寄る。)
わあーっ・・・綺麗なピンク色だなぁ・・・!!こんなの
初めて見たよ・・・」
そら「これ、桜って言うんだぜ。毎年この時期になれば、あちこち
に桜の花が咲き誇るんだ!そうだ!向こうの川岸に行けば
、桜並木があるんだ!ちょっとだけ回り道してみようぜ!!」
ブルー「本当!?」
そら「ああ!!」
2人、上手へ行きかける。
男1「そこの少年君!」
そら「え・・・?(振り返る。)」
男1「君だよ君!そこの珍しい格好をしている坊や。」
そら「・・・ブルー、行こうぜ!」
男2、そらとブルーの前に立ちふさがる。
男1「おっと、俺達は君に用があるんだ。」
そら「こっちにはないね!」
男1「君のその・・・首にかかってる素敵な首飾り・・・少し我々に
見せてくれないかなぁ・・・」
ブルー「え・・・これは・・・」
そら「行くぞ、ブルー!!(ブルーの手を取り、行こうとする。)」
男1「待ちな!!この俺様が頼んでるのに、無視して行こうだ
なんて・・・」
そら「そんな勝手な頼み事をされたって、この首にかかってる
ものは、こいつの大切なものなんだ!!見せるなんて出来
ない!!」
男1「そっちの坊やは関係ないんだ!黙っててくれるかな。」
ブルー「これは外さないよ!」
男1「・・・やれやれ・・・頼むのはやめだ!!頂いて行くぜ!!
(ブルーの首にかかっていたものを、無理矢理引きちぎる
。)」
ブルー「あ!!何するんだ!!」
男1、2上手へ走り去る。
男1「頂いてくぜ!!」
ブルー「駄目だよ!!返して・・・返してよー!!」
そら「くそう・・・」
タイムマシンを男達に奪われてしまったブルー・・・
取り返すことができるのでしょうか・・・?
それでは“3”へ続きます。
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