2012年1月23日月曜日

“光の国のエリオット” ―全5場― 完結編

 
           (左より)じいや・ポポ・ミミ


  
  ミミ「キャアッ!!(カミナリに打たれ、倒れる。)」
  エリオット「ミミ!!(駆け寄る。)」
  ポポ「ミミワン!!(駆け寄る。)」
  カラス「(笑う。)私の花を盗もうなどと、100万年早いわ
      !!」
  
      カラス下がり、入れ代わるように闇の国の魔女、
      セリ上がる。

  エリオット「闇の国の魔女・・・!!」
  魔女「光の国の王子が、よくもまあこんな森の奥深く、のこのこ
      とやって来たわ!!命が惜しくないとみえる。」
  エリオット「父上に、毒を飲ませたのはおまえじゃないか!!」
  魔女「(笑う。)光の威力が、より強力になる薬草入りの飲み物だと
      言ったら、あっさり信じて毒入りとも知らず、一気に全部
      飲み干しよったわ!!(笑う。)」
  エリオット「くそう・・・!!おまえを倒して、その花は僕が貰う!!
        (剣を構える。)」
  魔女「(笑う。)そんな剣で私に敵うと思っているのか!!
     (剣を構える。)」

      エリオット、魔女、剣を交えながら戦う。

  エリオット「やあっ!!」
  魔女「(笑う。)」
  エリオット「(剣をはじかれる。)あっ!!くそう・・・(膝を付く。)」
  魔女「(笑う。)お仕舞いのようだ・・・。」
  エリオット「・・・光よ・・・光よ!!この暗闇の奥深く、この剣に届
         けーっ!!僕に力をーっ!!」

      その時、轟音が響き渡る。(と、共に、一筋の光が剣に
      当たる。)と、剣が光り輝く。

  エリオット「やあーっ!!(剣を振りかざす。)」
  魔女「わあーっ!!な・・・何!?何故そんなよわよわしい剣で
      ・・・この私が・・・!?(剣を落とす。)」
  エリオット「正義の光が、おまえを貫くんだ!!やあーっ!!」
  魔女「わあーあぁぁぁぁ・・・」

      魔女、叫び声と共に消える。

  エリオット「はぁ・・・。ミミ!!(駆け寄る。)大丈夫か!?」
  ミミ「ええ・・・やったわねニャア・・・」
  ポポ「流石だワン・・・」
  ミミ「早く・・・花を持って帰らないと・・・」
  エリオット「でも怪我が・・・」
  ミミ「私は大丈夫だニャア・・・だから・・・早く行ってニャア・・・」
  エリオット「何言って・・・ミミをほってなんて行けるものか!!」
  ミミ「・・・早くしないと、扉が閉まってしまうニャア!!」
  ポポ「王子様!!僕がミミと一緒にいるワン!!だから、王子は
      早くその白い花を、王様の元に届けるワン!!」
  エリオット「ポポ・・・」
  ポポ「早くワン!!」
  ミミ「(頷く。)」
  エリオット「・・・嫌だ・・・嫌だ!!2人を置いてなんて行けない
        !!嫌だ!!僕1人で行くなんて嫌だ!!」

      音楽流れる。

  ポポ「王子!!何を情けないことを言ってるワン!!王子は
      生きてここから出て、新しい国造りをしなければいけない
      使命がる!!マルコの村の様子を忘れたのかワン!!」
  ミミ「そうよ王子様!!王子は私達より、大切な者がいるニャア
    !!その人達の為に立ち上がらないと・・・!!ニャア・・・」
  エリオット「・・・ポポ・・・ミミ・・・」
  ポポ「(優しく。)メソメソしてたら可笑しいワン・・・」
  ミミ「そうよ・・・ニャア・・・」
  エリオット「・・・(涙を拭い、頷く。)・・・分かった・・・。必ず父を
         助けて・・・闇の国の扉を再び開けてみせる!!
         だから・・・だからそれまで待ってて!!」

      エリオット歌う。

      “必ず戻るここへ
       2人を助ける
       それが国をも救う
       それに気付いた!!
       心に誓う!!”

  エリオット「頑張るんだ2人共!!僕が戻るまで・・・!!」
  ポポ「そう簡単にくたばらないワン!!」
  ミミ「ニャア・・・」
  エリオット「うん!!(涙を拭う。)行ってくるよ!!」

      エリオット、下手へ走り去る。

  ポポ「行ったワン・・・。」
  ミミ「(頷く。)」
  ポポ「立派な王子様になって下さい・・・!!」

      紗幕閉まる。

  ――――― 第 4 場 ――――― B

      下手より、エリオット走り登場。

  エリオット「僕はもう泣かないよ・・・!!何があっても、強い心を
         持つんだ!!僕の国の人々を守る為に・・・。
         僕は必ず、2人を助けるからね!!あ・・・!!
         (振り返る。)」

      紗幕開く。と、扉。

  エリオット「扉だ!!後少しで閉じてしまう!!待ってくれ・・・
        !!待ってー!!待ってー!!」

      エリオット、後方へ走って行く。
      扉が閉まる音。
      辺りは、真っ暗になる。(ライトアウト。)
      (扉の開く音。)
      辺り、少しずつ明るくなる。

      音楽流れる。

  王様の声「エリオット・・・ありがとう・・・」
  エリオットの声「父上・・・!!」

  ――――― 第 5 場 ―――――

      中央、エリオット佇んでいる。

  ポポの声「王子ー!!」
  ミミの声「エリオット王子ー!!」

      ポポ、ミミ、上手下手より、其々登場。
      エリオットの両横に跪く。

  ポポ「さあ参りましょう王子!!ワン!!」
  ミミ「どこへでもお供致します!!ニャア!!」
  エリオット「僕には、僕ができることから始めるよ・・・。」
  ポポ「王子・・・」

      エリオット歌う。

      “この広い空の下
       誰もが願う”

      ポポ歌う。

      “付いて行く”

      エリオット歌う。

      “幸せの為
       できることを始める”

      ミミ歌う。

      “どこまでも”

  エリオット「これから、僕に何ができるのか・・・何をすればいい
         のか・・・2人共、力を貸してくれるかい!?」
  ポポ「その為にお側にいるんだワン!!」
  ミミ「そうだニャア!!」
  エリオット「うん!!ありがとう!!」

      エリオット歌う。

      “人々の為
       力合わせ頑張る”

      ポポ歌う。

      “付いて行く”

      エリオット歌う。

      “勇気を出して
       できることは何かを”

      ミミ歌う。

      “どこまでも”

  ポポ「王子・・・参りましょう!!ワン!!」
  ミミ「お供しますニャア!!」
  エリオット「うん!!」

  じいやの声「王子ー!!エリオット王子様ー!!また剣を悪戯
          なさって、じいの大切な鉢植えを粉々に・・・(泣き声
          で。)」

  エリオット「やばい!!(客席の方を向いて。)じゃあ皆!!
         また会おうね!!ポポ!!ミミ!!」
  ポポ「ワン!!」
  ミミ「ニャア!!」

      3人、上手へ走り去る。
      入れ代わるように、下手よりじいや、息を切らせて登場。

  じいや「エリオット王子ー!!全く・・・闇の国から戻られて、
       一回りも二回りも成長したと喜んだのも束の間・・・。
       じいは悲しいですぞ!!王子ー!!」

      じいや、上手へ走り去る。
      音楽盛り上がり




           ――――― 幕 ―――――

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