2012年9月11日火曜日
“未来への扉” ―全9場― エンディング
ジョーイ「それはないだろう?・・・しかし・・・アレックスと比べた
りしたら申し訳ないよ。私のは飽く迄、一つの息抜き
のようなものだったから・・・。あいつはでっかい奴だっ
たよ・・・最後まで・・・。何ものにも屈せず、あいつは
自分の意志を・・・夢を貫き通したんだ・・・。ただ一つ
・・・私が悔やむのは・・・最後の別れをちゃんとしなか
ったことだ・・・。」
クリスティーン「あなた・・・。」
ジョーイ「(微笑んで。)今更言っても始まらないな・・・。」
クリスティーン「・・・ジョーイ・・・」
ジョーイ「(笑って意外そうにクリスティーンを見る。)おいおい、
名前で呼ぶなんて、何年振りだい?」
クリスティーン「(微笑んで。)ええ・・・、何だかあの頃が・・・3人
でワイワイ楽しんでた頃が、何だかとても・・・懐
かしくなって・・・。」
ジョーイ「・・・そうだな・・・よき青春時代だった・・・。」
2人、微笑み合い、寄り添うように下手へ去る。
音楽で紗幕開く。
――――― 第 9 場 ――――― B
上手より、バスケットボールを片手にアレックス、
息を切らせながら走り登場。
ドリブルしたりしながら、ゆっくり下手方へ。
そこへ上手よりアレックスの友人、アレックスを
追い掛けるように登場。
友人「待ってくれよ、アレックス!!全く、おまえには叶わない
よ・・・。」
アレックス「(笑う。)そんなことないさ。」
友人「おまえは何だって出来るんだから参るよ・・・。」
アレックス「仕方ない。じゃあ今日の昼食は、俺が奢ってやる
よ。」
友人「本当に!?」
アレックス「ああ・・・。毎日おまえに奢ってもらってたんじゃ、悪
いからな。(嬉しそうに。)だけど、言い出したのは、
おまえの方だぜ。フリースローで得点の少ない方が、
昼食を奢ろうって・・・。(笑う。)」
友人「(溜め息を吐いて。)もう、止めようぜ・・・。でないと、俺は
卒業するまで、おまえに昼食を奢り続けなきゃならない
よ・・・。」
アレックス「OK。」
友人「それはそうと、おまえロッククライミング部に入ったんだっ
て?」
アレックス「ああ。」
友人「知ってるのか?あの部は、学校一キツイって言われて
るのを・・・。」
アレックス「(笑って。)知ってるよ。」
友人「じゃあ、何で・・・!」
アレックス「俺は何か、今しか出来ないことで・・・今だから出来
ることで、自分を試してみたいんだ・・・。」
友人「・・・へぇ・・・。俺には到底、真似出来ないな・・・。柄にも
なく、医大なんて入ってしまって、付いて行くのが精一杯
・・・。おまえみたいに、趣味のことにまで頑張ろうなんて
、とてもとても・・・。ま、応援くらいはしてやるよ。」
アレックス「サンキュ!」
2人、笑い合いながら下手方へ、歩いて行き
かけると、下手より2人の娘(一人はエンゼル。)
、楽しそうに話しながら登場。
エンゼル、友人、お互いを認めて。
エンゼル「あら・・・。」
友人「よぉ・・・。」
エンゼル「(アレックスに目を遣って、見詰める。)」
娘「行きましょう、エンゼル。授業が始まるわ。」
エンゼル「ええ・・・。」
友人「じゃあな!」
アレックスとエンゼル、其々擦れ違い様、
振り返ってお互いを見詰める。
が、エンゼル、娘と上手へ去る。
アレックス、その方を暫く呆然と見ている。
友人「(呆っとしているアレックスに気付いて。)如何した?」
アレックス「(ハッとして。)ん・・・?いや・・・、彼女・・・知ってる
のか?」
友人「知ってるも何も、俺の妹さ。(アレックスの肩を叩く。)」
アレックス「え・・・?」
友人「何、驚いたような顔してるんだよ。俺だって兄妹くらい
いるさ。」
アレックス「だけど、おまえに妹がいたとはね・・・。」
友人「(笑って。)別に隠してた訳じゃないよ。生まれてからずっ
と、フランスの祖母の所で暮らしていたんだ。」
アレックス「フランス・・・」
友人「ああ・・・。少し体が弱くてね。向こうは空気がいいだろ?
今度、紹介してやるよ。」
アレックス「ああ・・・。」
友人、下手へ去る。
アレックス、立ち止まったまま、再び振り返る。
アレックスの声「必ず・・・また会おう・・・。」
音楽盛り上がる。
――――― 幕 ―――――
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