2012年2月9日木曜日

“楽しい森の仲間たち” ―全4場― 2


  (左から)岩に挟まれたヒョウくん・クマさん・チュンコちゃん。

       無理して“岩”だと思って見て下さい^^;



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    ――――― 第 1 場 ――――― E

       音楽流れる。
       上手より、チュンコ、飛んで来て歌う。

    チュンコ“あぁ あぁ 私はこの森に住むチュン
          あぁ あぁ 小鳥よ 綺麗な羽チュン
          あぁ あぁ ごらんなさい 自慢なのチュン
          あぁ あぁ この森の可愛い小鳥チュン”

  ヒョウ「(チュンコに気付く。)あ・・・おい!!おい、チュンコ!!」
  チュンコ「誰・・・?チュン!(キョロキョロする。)」
  ヒョウ「俺だよ!!ここだよ!!」
  チュンコ「どこよ、チュン!」
  ヒョウ「ここだよ!!ここ、ここ!!」
  チュンコ「分からない、チュン!」
  ヒョウ「だから、ここだってば!!」

       チュンコ、回りをキョロキョロ見回している。
       ヒョウ、歌う。

    ヒョウ“あぁ あぁ 現れたぜ 救いの神が
        あぁ あぁ 森の中に住んでるもの はぁ・・・

        ここだよ”

    チュンコ「どこ?」

    ヒョウ“ここだよ”

    チュンコ「どこ?」

    ヒョウ“ここだ!!”

    チュンコ「チュン!」 

  チュンコ「(ヒョウを認め。)まあー・・・ヒョウくん。こんな所で、
        何をしてるの?チュン!」
  ヒョウ「何してるも何も・・・」
  チュンコ「楽しい?チュン!」 ※
  ヒョウ「楽しい訳ないだろ!!そんなことより、誰か呼んで来て
      くれよ!!」
  チュンコ「誰か呼んで来る?チュン!」
  ヒョウ「うん!!ちょっとした弾みで、この岩の間に挟まって
      しまったんだ!!」
  チュンコ「まぁ・・・」
  ヒョウ「だから、誰か力持ちの奴なら、この岩をどかすことが
      できるだろ?」
  チュンコ「ふうん・・・。でも、あなた・・・今まで散々、森のみんな
        を怖がらせたり、意地悪してたから、誰も助けて
        くれないかも・・・チュン!」
  ヒョウ「そんなこと言わないで、誰か力持ちの奴を探して来て
      くれよ!!頼むよ!!」
  チュンコ「・・・仕方ないわねぇ・・・チュン!ちょっと待ってて!!
        誰か連れて来るから!!チュン!」

       チュンコ、上手へ飛んで行く。

  ヒョウ「頼んだぞー!!(溜め息を吐く。)」

       (紗幕閉まる。)

 ――――― 第 2 場 ―――――  
  
       音楽流れ、下手よりクマ登場。歌う。

       “この森の仲間と足踏み鳴らして
        僕達の住んでる明るく素敵な
        森の中を 手をつないで
        みんなで並んで歩いてみようよ

        誰でも仲良しさ森に入れば
        みんなで笑って過ごしてみようよ
        森の中を愉快に過ごす
        誰もが幸せになれる筈だよ

        僕達の楽しい森においでよ
        いつでも待ってるよ 楽しい仲間と
        大歓迎 きっと誰でも
        優しい気持ちに
        満たされ微笑む筈”

  チュンコの声「クマさーん!!」

  クマ「ん?」

        上手より、チュンコ飛んで来る。

  チュンコ「クマさん!!クマさん!!クマさん!!チュン!」
  クマ「どうしたんだい?チュンコちゃん。」
  チュンコ「(息を切らせて。)大変なのクマさん!!チュン!」
  クマ「大変?」
  チュンコ「そうチュン!ヒョウくんが、岩の間に挟まって、出られ
        なくなったの!チュン!」
  クマ「ヒョウくんが・・・?」
  チュンコ「ええ!チュン!」
  クマ「どうしてまた岩の間になんか・・・」
  チュンコ「私もよく分からないの、チュン!いつもは意地悪な
        ヒョウくんだけど、可哀想だから助けてあげて欲しいの!
        チュン!クマさんなら、あの大きな岩をどかすことが
        できると思うわ!チュン!お願いクマさん!一緒に来て
        !チュン!」
  クマ「チュンコちゃん・・・。分かったよ・・・チュンコちゃんの頼みなら
     !!場所はどこ?」
  チュンコ「ありがとう、クマさん!!こっちよ!!チュン!」

        チュンコ、上手へ飛んで行く。
        クマ、追い掛けるように上手へ去る。

  ――――― 第 3 場 ―――――

        (紗幕開く。) ※2

        岩に挟まれたヒョウ、歌う。

        “俺は一人 岩に挟まれ
         心細い時間だけが・・・
         なんでこんな場所にいつまで
         独りぼっちで・・・”

  ヒョウ「・・・えっ・・・えっ・・・遅いじゃないか、チュンコの奴・・・!!
      チュンコー!!(泣く。)」

  チュンコの声「ヒョウくーん!!」

  ヒョウ「チュンコ!?」

        上手より、チュンコ飛んで来る。

  チュンコ「ヒョウくん、お待たせ!チュン!」
  ヒョウ「遅かったじゃないか!!誰か呼んで来たのかよ!!」
  チュンコ「ええ!すぐにクマさんが来てくれるわ!チュン!
        あら?泣いてたの?チュン!」
  ヒョウ「え?な・・・泣いてなんかいるもんか!!」
  チュンコ「まぁいいわ、チュン!来る途中、ミツバチさんの所へ
        寄って、ハチミツを貰って来てあげたわ!チュン!」
  ヒョウ「え?」
  チュンコ「はい、どうぞ!チュン!(ハチミツを差し出す。)」 ※3
  ヒョウ「・・・(ハチミツの入った入れ物を、片手で受け取り、
      急いで飲む。)はあーっ!!・・・美味い!!」

  クマの声「チュンコちゃーん・・・!」

  チュンコ「あ、クマさん!こっちこっち、チュン!」

        クマ、上手より走り登場。

  クマ「(息を切らせて。)チュンコちゃん!僕は空を戸飛べない
     から、付いて行くのが大変だよ。ハァ・・・」
  チュンコ「あら、ごめんなさい、チュン!」
  ヒョウ「おい!!おい!!そんなとこで、ごちゃごちゃ言ってない
      で、早くこの岩を何とかしてくれよ!!力持ちなんだろ?」
  クマ「(怪訝そうに、ヒョウを認め近寄る。)※4 ・・・この岩か・・・。
     (少し押してみる。)これは重そうだなぁ。僕に動かせるかな
     ぁ・・・。」
  ヒョウ「そ・・・そんなこと言わないで、早く何とかしてくれよ・・・!!」
  チュンコ「早く助けてあげて、チュン!」
  クマ「・・・仕方ないな・・・。」

 
  
          「これは重そうだ・・・」クマさん。

 

        音楽流れ、クマ、小さい岩をどかせたり、
        大きい岩を力一杯押したりする。

  クマ「さて・・・と・・・。うん・・・しょっ!!と・・・。はっ!!・・・」
  チュンコ「クマさん、頑張れー、チュン!!頑張れー、チュン!!
        私も手伝う!!チュン!(口ばしで、小石を運ぶ。)」
  クマ「チュンコちゃん・・・。うーん・・・!!(最後の力を振り絞り、
     一番大きな岩を押す。と、岩が転がる。)はぁーっ・・・」
  チュンコ「やったわ、チュン!」
  ヒョウ「やった!!やっと出れた!!はあー・・・一時はどうなる
      ことかと思ったぜ。じゃあな、お2人さん!(手を上げて、
      下手方へ行きかける。)」
  クマ「ヒョウくん!!」
  ヒョウ「ん?」
  クマ「君、何か忘れてるよ!!」
  ヒョウ「忘れてる・・・?俺は何も忘れてないぜ。」
  クマ「ヒョウくん!君はチュンコちゃんと僕に、お礼を言わなけ
     ればいけないよ。」
  ヒョウ「礼?(笑う。)何だよそれ・・・」
  クマ「チュンコちゃんは息を切らせて、僕のことを呼びに来たし、
     僕はこれでも一生懸命走って、君を助ける為にやって来た
     んだ。」

        音楽流れ、クマ歌う。

       “ありがとうを言おう
        思いは同じさ
        ありがとうを言おう
        誰もが持ってる”

        チュンコ歌う。

       “明日になれば 陽は昇りまた沈む
        そんな毎日・・・チュン”

        クマ歌う。 

       “ありがとうを言おう
        心の内側
        ありがとうを言おう
        伝える思い”

  クマ「だから、君は“ありがとう”を言わなければいけないよ。」      




   




           クマさんとチュンコちゃんの思いは
           ヒョウくんに伝わるのでしょうか・・・?
           それでは完結編です。

         










 ※久しぶりに書いてみると、このチュンコちゃんのとぼけっぷり・・・
   可愛いですね~❤
   実際、舞台では、目と鼻の先にいるヒョウくんが、見えない訳
   ないですもんね・・・^^;

 ※2、この作品は、簡易舞台で公演しているので、実際は紗幕は
     ありません。ので、お人形が下がったり上がったりで、場面
     転換を行っています。・・・が、“紗幕”表示した方が分かり
     やすいかな・・・?と、“紗幕開く”の言葉を使っています^^;

 ※3、ご想像通り、“ハチミツ”・・・持てないですよね~^_^;
     公演では、お花をそのまま小脇に挟み・・・状態で、表現した
     と、記憶しております(~_~;)

 ※4、“怪訝そう”・・・と言う言葉は、最近では殆ど使いません。
     と言うか、全く使いません。
     が、まだこの頃は、人が演じる舞台脚本を書いていた頃の
     名残で、使ってたんですね~・・・。
     だって、お人形に“怪訝”な表情は、無理ですもんね^^;
     最近では、人形操作にも慣れてきて、
     動かし方で“怪訝ぽい”・・・態度はお見せできるように
     なってきたかな・・・と・・・考えてるんですけどね・・・^_^;
     



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