2012年2月21日火曜日

“ルルゥの一番大切なお友達” ―全6場― 3




  ルルゥ「何・・・?この暗い感じ・・・」
  ポン吉「ここは、おもちゃのゴミ箱だよ。」
  ルルゥ「ゴミ箱・・・?」
  ポン吉「そう。壊れたおもちゃや、捨てられたおもちゃが行く所が
     なくて、仕方なくてここに集まるんだ。ここは早く通り過ぎ
     た方がいいよ。大切にしているおもちゃは、ここには来な
     い筈だから・・・。」
  ルルゥ「これは何かしら・・・(ぶら下がっている布キレを触る。)」
  ポン吉「ルルゥ!!それに触っちゃ駄目・・・」

    じっとしていた、おもちゃのお化けが、次々と襲ってくる。

  ルルゥ「キャーッ!!キャーッ!!」
  ポン吉「ルルゥ!!(お化けに)やめろ・・・」

    歌とも、叫びとも取れる、お化け達の声。

    “取られた腕が痛いんだ・・・
     破られた服は元には戻らない・・・
     切られた髪は短いままだわ・・・
     ゴミ箱に捨てられた僕達は
     とても悲しい・・・”

  ルルゥ「キャーッ!!ごめんなさい!!ごめんなさーい!!」
  ポン吉「やめろーっ!!やめろーっ!!ルルゥは関係ないんだ
      !!やめろ・・・!!(手でお化けを、追い払うように。)」

 
            暴れる“オバケ”達。 ※



      上手より、番人登場。
       
  番人「・・・何を騒いでいるんだ・・・」
  ポン吉「番人さん!!」
  ルルゥ「番人・・・?」
  ポン吉「何とかして、番人さん・・・このおもちゃのお化け・・・」
  ルルゥ「キャーッ・・・!!」
  番人「ええい・・・!!静まれ・・・静まれーっ!!」

      飛び回っていたお化け達、急に静まり消える。

  ポン吉「はぁ・・・助かった・・・。ありがとう、番人さん・・・。」
  ルルゥ「(ブツブツと。)もう、何なのよ今のは・・・」
  番人「こんな所へ、何しに来たのだ・・・」
  ポン吉「あ・・・うん!ゴミ箱の番人さん!ここに犬のぬいぐるみ
       が、紛れ込んでこなかった?」
  番人「・・・犬のぬいぐるみ・・・」
  ルルゥ「買ってもらったばっかりの、私の大切な宝物なの!!
       真っ白な、フワフワの毛の可愛いぬいぐるみよ!!」
  番人「真っ白・・・あぁ・・・そう言えば、つい今し方、また人間に
      捨てられた犬のぬいぐるみが、このゴミ箱に新しく仲間
      入りしたが・・・」
  ルルゥ「捨てられた・・・?捨ててなんかいないわよ!!友達
       に見せていたら、風で飛ばされたのよ!!」

      音楽流れる。

  番人「そんなことは知らないな・・・。この場所へやって来た
      おもちゃは皆、子ども達の気まぐれで、捨てられたり
      壊されたり・・・おもちゃ達は泣く泣くこの場所へ来たもの
      ばかり。おまえの探している、その犬のぬいぐるみとやら
      も、ここへ辿り着いたと言うことは、決して幸せな思いで、
      ここへ来た訳ではないと言うこと・・・。」
  ルルゥ「違うわ!!だから、さっきから言ってるでしょ!?風で
       飛ばされたって・・・」
  番人「この場所へ辿り着いたと言うことは、決して幸せでは
      なかったと言うこと!!」
  ルルゥ「違う・・・」
  番人「次から次へと、おもちゃを取り替えたのは誰だ・・・!!」
  ルルゥ「それは・・・」

  
  
          (左より)ルルゥ・番人・ポン吉。※2



      番人歌う。

      “ここへ辿り着いた
       誰のせいでもない
       おまえが大切にしない”

      ルルゥ歌う。

      “私が・・・そんなことはない”

      番人歌う。

      “誰もが知っているさ
       心傷つけたのは
       それは誰のものでもない
       おもちゃの傷ついた心”

  ルルゥ「愚図愚図言ってないで、私の人形を返しなさいよ!!」
  番人「何と言われようと、一度このゴミ箱に来たおもちゃは、二度
      とこの場所からは出られない・・・」
  ルルゥ「そんなの勝手だわ!!」
  番人「・・・勝手?自分勝手に買ったり捨てたりするのはおもちゃ
      じゃない・・・人間の方じゃないのか・・・」
  ルルゥ「それは・・・」
  番人「それとも、そのぬいぐるみの代わりに、違う人形を差し出す
      か・・・!!(笑う。)おまえには捨ててもいい人形が、山程
      あるだろう。」
  ポン吉「・・・僕が代わるよ・・・」
  
      ルルゥ、番人、ポン吉を見る。

  ポン吉「僕が、その犬のぬいぐるみの代わりに、このゴミ箱に
       残るよ・・・。だから、ルルゥにその大切なぬいぐるみを
       返してあげて!!」
  番人「おまえが代わりになるだと・・・?」
  ルルゥ「ポン太・・・」
  ポン吉「うん・・・」
  番人「ゴミ箱に入れば、二度と誰かのおもちゃとして、生まれ変わ
      ることはできないんだぞ。」
  ポン吉「・・・いいよ・・・。どうせもう僕は、大好きだった友達とは
       二度と一緒に暮らせないんだ・・・。鼻が取れて・・・
       捨てられたから・・・」
  ルルゥ「・・・鼻が取れて・・・捨てられた・・・」

      ルルゥの回想の声。(エコー。)

  ルルゥの声「ママー!!ママー!!ポン吉のお鼻が取れちゃっ
          たー!!」
  ママの声「まぁまぁ・・・。後でママが付けてあげるから、そこへ
         置いておきなさい。」
  ルルゥの声「イヤよ!!お鼻の取れたポン吉なんて、もういらな
          いっ・・・!!いらない・・・いらない・・・」

      音楽流れる。

 ルルゥ「あなた・・・ポン吉なの?まだ私が小さい時・・・パパに
      買ってもらって、とても大切にしていた・・・ポン吉・・・?」



  
         「ポン吉なの・・・?」 ルルゥとポン吉。
      








          ポン吉は昔、ルルゥが大切にしていた
          ぬいぐるみ・・・?
          さて、完結編へと参りましょう・・・。










 ※この“オバケ”達、棒につながっていて、横から立ってその棒
  を(客席から見て)左右に動かす・・・手動なのです^^;
  なので、その時の気分・・・感情の入れ具合で、動かし方に
  差があり、“区役所のお祭り”公演の時には・・・はい・・・
  下のような状態になってしまい・・・チョー焦りました~(>_<)
    
 



 

 その後ですか・・・?
 焦っても場面はドンドン進んでいくので、腕の力だけで2本の
 オバケ付きの棒を持ち上げ・・・死にそうになりながら頑張り
 ました~。・・・また、この場面・・・長いんですよね~(~_~;)

 心なしか・・・ルルゥちゃんとポン吉くんも“あ・ぜ・ん”・・・
 に見えませんか?・・・^^;

 
 ※2、実はこの“番人”さん、中に以前に使用していて、
    今は使わなくなったお人形が入っているのです^^;



 
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 (どら余談^^;)

 失敗と言えば・・・紗幕のカーテンレールの止めが弱く、公演
 途中に片方が外れて、落ちてしまったことがありました(>_<)
 さすがにあの時は、私も人形操作していて直すことができず、
 近くにいるお手伝いスタッフを、客席に聞こえる聞こえない
 なんて考えもせず、大声で呼びまくりました~(~_~;)

     「カーテンレール直して~!!」(~_~メ)









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