2012年2月25日土曜日
“勇気の石” ―全5場― 2
ピエローラとミカエル。
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ヒョウ「(飛び上がって、吊り橋を揺らす。)」
ピエローラ「わあっ!!(欄干にしがみつく。)」
ヒョウ「(笑う。)怯えるのが得意なピエロは、しばらくそこで震えて
な!!先ずはこっちの、柔らかそうな子どもの方から・・・」
ミカエル「い・・・いやだ!!」
ヒョウ、両手を広げ、段々ミカエルを追い詰める。
ミカエル「助けて!!ピエローラ、助けてー!!」
ヒョウ「あいつに助けを求めたって、あんなとこにしがみついてん
だ。こっちに渡ってなんてこれるもんか!!」
ヒョウ、吊り橋の上で、ミカエルの腕を掴む。
ミカエル「いやだーっ!!」
その時ピエローラ、思い切って立ち上がり、橋を
駆け抜け、ヒョウに体当たりする。と、ヒョウ叫び声
を上げて、吊り橋の下へ落ちる。 ※
ヒョウ「あっ!!わ・・・わあーっ!!」
ミカエル「ピエローラ!!(ピエローラにしがみつく。)」
ピエローラ「ミカエル!!」
ミカエル「怖かったよ、ピエローラ!!」
ピエローラ「ごめんよ・・・すぐに助けられなくて・・・」
ミカエル「いいんだよ。ありがとう・・・。それよりピエローラ・・・吊り
橋を渡れたじゃないか・・・。」
ピエローラ「あ・・・(振り向いて、渡って来た吊り橋を驚いて見る。)
本当だ・・・。僕、渡れたんだ・・・こんな高い所に掛って
た橋を・・・。ミカエルが食べられるんじゃないかと、
夢中で渡ったからだ・・・。」
ミカエル「なんだって、やろうと思えばできるんだね。」
ピエローラ「本当だ・・・本当にそうだ・・・。
音楽流れ、ピエローラ、ミカエル歌う。
紗幕閉まる。
ピエローラ“なんだってできるんだ
やろうと思えばなんでもできるんだ”
ミカエル“やってやれないことはないんだ”
ピエローラ“勇気を少しだけ”
ミカエル“勇気を少しだけ”
ピエローラ「少し自信が付いたよ、僕。」
ミカエル「本当に?」
ピエローラ「どんどん登るぞ、あの山の頂上目指し!!どんな高い
所だって、頑張ればなんてことない・・・そんな気が
してきたんだ。さあ、勇気の石を見つけに行こう!!」
ミカエル、ピエローラ下手へ走り去る。
――――― 第 3 場 ―――――
音楽流れ、紗幕開く。と、中央に大木(カラカラ)。※2
真黒な鳥(フルフル)飛んできて、カラカラにちょっかい
を、かける。カラカラ、木の枝を揺らして抵抗する。
(カラカラ、フルフル歌の掛け合い。)
カラカラ“うるさい!!”
フルフル“動いてみろ”
カラカラ“花咲かしてみろ”
フルフル“うるさい
あの空飛んだら”
カラカラ“緑におおわれ”
2人“うるさい あっちいけ!!”
フルフル「ふん!!(飛び去る。)」
カラカラ「(枝を揺らす。)」
下手より、ミカエル走りながら登場。
ミカエル「早く!!早く、ピエローラ!!もう少しで頂上だよ!!」
ピエローラ「待って、ミカエル・・・」
ピエローラ、下手より登場。
ミカエル「こっちこっち!!(大木にぶつかる。)わあっ!!いって
ぇ・・・」
ピエローラ「大丈夫?ミカエル。」
ミカエル「うん・・・。何だよ、こんな道の真ん中に・・・。でっかい木
だなぁ。」
ピエローラ「本当だね。」
カラカラ「ごめんよ・・・」
ミカエル「え・・・?何か言った?ピエローラ。」
ピエローラ「ううん、僕は何も言わないよ。さ、行こう。」
ミカエル「うん・・・(何だか解せないように、回りを見回す。)」
カラカラ「どこへ行くんだい?」
ミカエル「誰!?」
ピエローラ「ミカエル?」
ミカエル「誰かいるよ、ピエローラ!!」
ピエローラ「誰かって・・・ここには僕たち2人だけだよ・・・。」
ミカエル「だって・・・」
ピエローラ「きっと木の葉が風にそよいで、何か喋ってるように、
聞こえたんだよ。」
ミカエル「でも・・・」
そこへフルフル、飛んでくる。
フルフル「こんにちは。」
ミカエル「わあっ!!出た!!」
フルフル「失礼だなぁ、そんなお化けみたいに・・・。(笑う。)」
ミカエル「・・・ごめん。」
ピエローラ「君、話せるんだね。」
フルフル「そうだよ。」
ピエローラ「山の頂上へ行くには、この道でいいのかな?」
フルフル「いいよ。」
ピエローラ「ありがとう。行こう、ミカエル。」
フルフル「・・・何しに頂上へ行くの?」
ピエローラ「勇気の石を探しに行くんだ。」
カラカラ「やめといた方がいい。」
ミカエル「誰だよ、さっきから!!」
ピエローラ「ミカエル?」
カラカラ「(目を開ける。)ごめんよ。驚かせるつもりはなかったん
だ。」
ミカエル「わあっ!!木が喋ってる!!(ピエローラの背後へ
隠れる。)」
カラカラ「僕はカラカラ・・・」
フルフル「(カラカラの言葉を遮るように。)僕はフルフル!!」
カラカラ「よろしく。」
ピエローラ「よろしく。でも、どうして勇気の石を探しに行くのは、
やめといた方がいいんだい?」
フルフル「そこに住む魔法使いに、姿を変えられるかも知れな
いからさ・・・」
ピエローラ「魔法・・・?」
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おまけフォト(^^)
これは、旧バージョンの“勇気の石”の、カラカラフルフル場面
の変わりにあった、ロボットくんと少女の場面です(^.^)
カラカラフルフルの写真がなかったので、オマケで載せてみま
した~^^;
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音楽流れ、カラカラとフルフル歌う。
フルフル“2羽の美しい羽を持つ鳥”
カラカラ“顔を合わせると喧嘩ばかりしてた”
フルフル“見兼ねた魔法使いのおじいさんが”
カラカラ“仲良くできないならと御仕置きをした”
フルフル“美しい羽は真っ黒”
カラカラ“飛んでいくことのできない木に”
2人“喧嘩しないように変えられー!!”
2人「あぁあ・・・もう一度、美しい羽で、あの大空を飛び回りたい
なぁ・・・」
フルフル「カラカラが悪いんだ!!カラカラが僕に言い掛かり
ばっかり・・・」
カラカラ「フルフルが勝手に張り合ってきたんだろ!?自分の
方が綺麗な羽だって・・・」
フルフル「カラカラだ!!カラカラのせいだ!!」
カラカラ「フルフルだ!!フルフルのせいだ!!」
ピエローラ「待って!!喧嘩ばかりしてても、仕方ないだろ?
お互いがお互いを認めないと・・・」
ミカエル「そう思うんだったら、仲直りすればいいじゃない。」
ピエローラ「ミカエル・・・」
ミカエル「そんなの簡単じゃないか。もう一度元の姿に戻って、
大空を飛びたいんなら、御仕置きされるようなことは
やめればいいじゃない。ね?ピエローラ、そうでしょ?
喧嘩なんかしてても、何もいいことはないと思うけど
・・・。」
ピエローラ「そうだね。友達なら、喧嘩するより仲良くする方が、
楽しいと思うよ。」
カラカラ、フルフル「友達なんか・・・」
ピエローラ「張り合ったりしても、何にもならないだろ?」
音楽流れる。
カラカラ“友達なんか・・・”
フルフル“そんなのじゃない・・・”
ピエローラ“でもお互いのことが
気になるだろ”
ミカエル“それが友達と言うもの
喧嘩しててもいいことないだろう”
スモーク流れ、カラカラとフルフル消える。
(曲調変わる。) ※3
カラカラの声「ごめんよ・・・フルフル・・・」
フルフルの声「僕の方こそ、ごめん・・・カラカラ・・・」
ミカエルとピエローラ、顔を見合わせて
微笑む。
ミカエル「あの2人、仲直りしたみたいだね。」
ピエローラ「そうだね。」
スモークの中から、2羽の綺麗な羽の鳥が
飛び出す。
ミカエル「わあっ!!カラカラとフルフル・・・?綺麗な羽だなぁ
・・・」
カラカラ「ありがとう!!君達のお陰で、魔法が解けたんだ!!」
フルフル「もうこれからは仲良くするよ!!ありがとう!!」
カラカラ「僕達は友達なんだ、ありがとう!!」
フルフル「ありがとう!!」
カラカラ、フルフル「さよならー!!」
ミカエル「もう喧嘩するなよー!!さよならー!!(大きく手を
振る。)」
2羽の鳥、嬉しそうに飛んで行く。
ピエローラ「ねぇ、ミカエル。カラカラとフルフルの勇気に気付い
たかい?」
ミカエル「勇気・・・?」
ピエローラ「そう。素直に“ごめんなさい”と言えることも、勇気
の1つなんだ。力が強いことばかりが勇気のある証拠
じゃないんだよ。」
ミカエル「ピエローラ・・・」
ピエローラ「さぁ、行こうか。」
ミカエル「うん!!」
(紗幕閉まる。)
ピエローラ“勇気の石 求めて山に行こう
共に行こう 友達だから君と僕は”
ミカエル“力を合わせれば
何でも叶う筈さ 勇気の石がある
湧いてくる勇気”
2人、下手へ走り去る。
さあ、いよいよ山の頂上です。
ミカエルとピエローラは“勇気の石”を
手にすることができるのでしょうか・・・?
では、完結編へ続きます。
※ 毎回のことですが・・・^^;
この場面も、本来は音楽が盛り上がり、ヒョウとミカエルの
追い掛け合いの、緊迫した状況が繰り広げられているの
ですが・・・“字”だけの為、どこまで伝わっているのか・・・
一杯想像して、お楽しみ下さい
※2、確か、チュンコちゃん作品で登場した“大木”さんは、この
作品の“大木”さんを使用したものです(^.^)
※3、今回の作品、この場面だけでなく、どうしても“ドライアイ
ス”を使いたい個所があり、人形劇と言う、小さな空間では
あるのですが、その知識に乏しい為、本当に試行錯誤しな
がら色々と考え、ほぼ、ぶっつけ本番で、チャレンジしまし
た~^^;
結果ですか・・・?
この場面の写真はありませんが、次の場面での“ドライアイ
ス”具合を、ご確認下さい(^_^;)
この作品後も、何度かチャレンジしましたが・・・あまりにも
結果がヨロシクない為、“ドライアイス”の使用は、しなくな
りました~(>_<)
・・・が、来年の記念公演作品で、どーしても“ドライアイス”が
欲しくて・・・「え~、またするん?」と、団員に言われながら、
再びチャレンジの予定であります^^;v
はてさて結果はどうなりますやら・・・(~_~メ)
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